新車試乗レポート
【試乗レポート】新型ジープ コンパスが大変身を遂げてコンパクトSUV戦線に参入!
2017.11.20 UP
新車試乗レポート[2019.11.27 UP]
ようやく日本に導入が開始された新型カローラ。トヨタ最新のTNGA技術が注がれたこともあって、その前評判は極めて高いが、リアルワールドで体感することができるのだろうか? シリーズ3モデルを乗り比べることで、その実力を明らかにしてみたい。
高速安定性はシリーズ随一
ロングドライブでこそ本領発揮
1年目で一部改良を実施
サスチューンを最新仕様に
従来型と走りは一変
完成度の高さが光る正統派
最新のトヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオが標準装着になったとは言え、新型カローラの価格設定はプリウスに迫る水準だ。セダンのハイブリッドW×BとプリウスのSツーリングセレクションはほぼ同等の価格であり、もはやカローラは安さを売りにするモデルではなく、プレミアムモデルとして評価するのが正しいのだろう。 1ランク上のキャラを狙ったことは、走りからも十分に伝わってくる。最も進化を感じさせるのはスポーティ設定となるW×Bのフットワークだ。操舵の初期から確かな接地感を持つことで、揺るぎないライントレース性を体感させてくれるハンドリングや、ロールやピッチ変化を抑えた引き締まったストローク制御など、ややスポーティな硬さもあるが、荒れた路面でも滑らかな乗り心地を示す。 今回、一部改良されたカローラ スポーツでサスチューンの新旧を比べてみたが、従来型はガツンと頭を揺するような突き上げを示す路面状況でも、新型のサスチューンにはその衝撃感がない。ピークを抑えた角を丸めたような感覚である。同じW×Bでもセダンよりカローラ ツーリングの方が柔らかめのサスチューンになるが、どちらも荒っぽい乗り心地ではない。ただし、この改良はハードサスほど効果的なようで、標準系のサスでは、タイヤの違いによるクッション効果もあってその差はあまり感じられない。
シリーズで最もカローラらしいモデル。日常用途での快適性を重視した乗り味を持ち、荒れた路面や段差乗り越えなどでも安定した乗り心地を示す。やや穏やかすぎる印象も受けるが、高速走行やコーナリングでも最新トヨタ車らしい安定した操縦性を感じさせてくれる。1.8LNAエンジンのドライブフィールは、今風に味付けされており、実用面で不足は感じないが、熟成が進むハイブリッドの先進性に比べると、価格以上の差を感じてしまう。
主要諸元(S) ●全長×全幅×全高(mm):4495×1745×1435 ●ホイールベース(mm):2640 ●車両重量(kg):1300 ●パワーユニット:1797cc直4DOHC(140PS/17.3kg・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:14.6km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●タイヤ:205/55R16
「ツーリング」の名に相応しく、高速安定性を第一にしたフットワークは、ハンドリングだけでなく挙動まで含んだ走行フィール全体で安心感をもたらす。また、硬いサスセッティングとロープロタイヤの組み合わせながら、段差での不快な突き上げも少ない。THS 2を搭載するハイブリッドのドライブフィールはプリウスと共通。高速加速時ではエンジンを回し過ぎるきらいはあるが、全体的に素直な反応特性を持ち、パワーのゆとりも十分。
主要諸元(HYBRID W×B) ●全長×全幅×全高(mm):4495×1745×1460 ●ホイールベース(mm):2640 ●車両重量(kg):1460 ●パワーユニット:1797cc直4DOHC+モーター(エンジン:98PS/14.5kg・m モーター:53kW/163N・m) ●トランスミッション:電気式無段変速 ●WLTCモード総合燃費:25.6km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●タイヤ:215/45R17
カローラ スポーツは最もスポーティなキャラとフットワークを与えられたシリーズでOPでは電子制御サスのAVS仕様も設定されている。他のシリーズ2車に比べると、ハッチバックらしい軽快感や操舵追従性の良さを持つが、クルマとしての本質は切れ味より的確なラインコントロール性を持つことにある。今回のセダン/ワゴンの登場に合わせて、荒れた路面での乗り心地も改善され、乗員快適性が高まるなどプレミアム志向が高まっている。
主要諸元(HYBRID G Z) ●全長×全幅×全高(mm):4375×1790×1460 ●ホイールベース(mm):2640 ●車両重量(kg):1400 ●パワーユニット:1797cc直4DOHC+モーター(エンジン:98PS/14.5kg・m モーター:53kW/163N・m) ●トランスミッション:電気式無段変速 ●WLTCモード総合燃費:25.6km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●タイヤ:225/40R18
低重心を意識したパッケージを実現。低めのガラス/ベルトラインや高さを確保したドア開口部など、洗練されたスタイリングを確保しつつも、実用面に配慮した設計を持つことは、カローラらしいコダワリを感じる。
ディスプレイオーディオがコンソール中央部に配置されるインパネデザインは、カローラシリーズに共通する設計。後席の快適性が十分に配慮されていることもカローラらしい美点。
トランクスペースは、VDA法で429Lが確保されるなど、左右幅も深さもゆとり十分。一般的なゴルフバックが3個収納できるなど、実用性の高さも健在だ。
抜けのよいシャープなサイドウインドウグラフィックで、力強さと洗練さを巧みに強調。リヤゲートもやや傾斜が強いデザインが採用されるなど、実用一辺倒ではないことは、エクステリアデザインからも明らかだ。
W×Bはスポーティテイストも加えた最上位グレード。フロントシートはセミスポーツタイプが採用されるなど、キャビン空間にもスポーツマインドが注がれている。
シート格納はスペース効率に優れたダイブダウン式。通常時のラゲッジ容量はVDA法で397Lとそれなりのレベルだが、格納時は最大802Lと十分な広さが確保される。
OP設定となるツートンカラーが選べるのはカローラ スポーツだけの特権。ハッチバックながら全幅は1790mmと、セダン/ツーリングに比べるとワイドなボディが与えられていることも特徴だ。
GZは標準仕様のファブリックシートの代わりに、OPで本革+ウルトラスエードの本格スポーツレザーシートを選択することもできる。これもまたスポーツだけの設定だ。
最もコンフォート寄りのサスチューンとなるセダンSの1.8L車の乗り心地は、路面からの刺激の低減を最優先した印象だ。ストロークを使った穏やかな乗り心地だが、細かな揺れの収束性は今ひとつ。どっしりとした味わいが希薄で、従来型に似た印象が強い。
市街地走行の操縦感覚は、よく言えば軽快だが、悪く言うとやや落ち着きに欠く一面も感じてしまう。ところが高速走行では、直進もコーナリングも据わりのいい操縦感覚。電動パワステの中立復帰性制御も利いているのか、直進保持傾向が強めで、幅広い状況で肩を張ることなく気楽に走れる。コーナーではロールが深くなるほどに前輪の接地感が高まり、路面のうねりや加減速による方向性の乱れもほとんどない。これは従来型から大きく進歩した部分である。
W×Bの操縦特性は、フロント周りの押さえの良さもあって、操り易さと安定感が高いレベルで両立し、ドライバーに信頼感を感じさせている。NAの1.8L車に比べるとハイブリッド車のほうが操縦感覚も乗り心地も重質感が強く、乗り味からも上位設定モデルらしい質感を備えていた。
動力性能については、燃費と余力感を重視した今風の特性を示すが、いずれも既存のユニットであり目新しさはない。とは言え、ハイブリッドはトヨタ・エコカーの看板パワートレーンでもあり、その実力はトップクラス。ペダルコントロールに素直なドライバビリティや高速まで安定した加速性能、高い燃費性能など、バランスよく高性能を感じさせてくれる。
NAの1.8L車は熟成されたパワートレーンだが、ドライブフィールは半世代前の印象。エンジンの巡航回転数を抑える制御などを施すことでウェルバランスでまとめているが、アクセル踏み込み時のレスポンスなどは、ハイブリッドやトヨタの新世代エンジン群と比べると鈍い感じを否めない。このクラスのNAガソリン車としては優等生だが、ハイブリッド車に比べると新味は乏しい。
新型カローラシリーズは、ボディタイプによるサスチューンの違いやパワートレーンのドライブフィールの差などが組み合わされ、走りのキャラ展開も多彩になった。この選択は世界市場で売ることを重視するカローラにとって、極めて自然な流れといえよう。
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