輸入車
更新日:2019.08.22 / 掲載日:2019.07.04

だから輸入車はヤメられない!

シボレー カマロ SS

写真●内藤敬仁
(掲載されている内容はグーワールド本誌2019年8月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


世界有数の自動車大国である日本に暮らしていながら、どうして海を越えてまでクルマを運んでくるのか、合理性に欠けると思うかもしれません。では、どうして輸入車という存在が定着し、むしろカテゴリーとして成長しているのでしょうか。それが今月の特集のメインテーマ。理屈抜きで「欲しい!」スイッチを入れてくれる魅力的なクルマたちが登場します。これを読んだら、今日からあなたもヤメられない輸入車フリークの仲間入り間違いなしです。

シボレー カマロ SS

 アメリカ伝統のスポーツクーペであるカマロは、豪快な走りを予感させるマッシブなスタイリングが持ち味。2018年11月のマイナーチェンジでフロントフェイスを刷新。伝統の「ボウタイ」を模したバンパーのダクトは実際に冷却性能にも貢献している。
シボレー カマロ SS(10速AT) ●全長×全幅×全高:4785×1900×1345mm ●車両重量:1710kg ●エンジン:V8 OHV ●最高出力:453ps /5700rpm ●最大トルク:62.9kgm/4600rpm ●排気量:6153cc ●新車価格帯:529万2000円~680万4000円(全グレード)

圧倒的なバラエティ感がたまらない!

文●石井昌道 写真●内藤敬仁、グーワールド
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


自動車大国日本に住む我々がなぜ輸入車を選ぶのか。それは、クルマの魅力が性能や経済性だけではないから。輸入車ならではの強い個性を放つ5つのモデルを紹介します!

性能だけで測れないクルマとしての魅力

MINI ジョン クーパー ワークス

 日本には8つもの自動車メーカーがある。どれも優秀でとくに信頼性では高い評価を得ており、世界の全販売台数の1/3程度にも達する。これは大いに誇れることなのだが、自動車造りの先輩である欧米に見習うべき点も少なくない。デザインや走り、そしてキャラクターの立ち方などでは、まだ差をつけられているのだ。
 とくにここにあげた5台は個性が光りまくっている。シボレー・カマロは1960年代にアメリカで生まれたスペシャルティというジャンルのモデル。筋肉モリモリで強面のスタイルはアメリカンならではだ。天地が極端に狭いサイドウインドウに、肘をかけてラフに乗りこなしたくなる。ピュアスポーツほど走りにストイックではないのがまた独特の雰囲気を放っている。
 MINIのキャラクターは説明不要だろう。クルマに詳しくないお爺ちゃんやお婆ちゃん、お子ちゃまでも、ひと目でMINIとわかる認知度の高さ。オーナーはクルマが好きなことは間違いなく、たぶん健康的でいい人なんじゃないかと想像できてしまうのがおもしろいところ。イギリス・ブランドとドイツ・クオリティの融合によって、より多くの人を魅了するようになった。
 フランスは日本とはかけ離れたセンスがあるのはご承知のとおりだが、それはクルマにも表れている。シトロエンから独立したプレミアム・ブランドとなったDSは、フランスというよりもパリのエスプリを感じさせる。細かいディテールを見ると、カッコイイのかどうかわからなくて首を傾げることもあるが、全体として見ればだれにも真似できないような作品として成立している不思議さ。ふんだんにコストをかけたというよりも、独自のセンスで勝負している感もオーラとして身に纏う。
 アルピーヌもまた独特だ。たいていのスポーツカーはサイドビューが前下がりのウエッジシェイプで前進感を醸し出していかにも走りがよさそうに見せるが、A110は逆に後ろ下がりのラインを使う。これによって気品のあるエレガンスなスタイルとなっているのだが、後ろ足で大地を蹴り出すようなどっしり感でスポーティさも併せ持つのが巧み。
 軍用車を祖とする本格オフローダーながら、都会で乗りまわしたくなるこれぞミスマッチというモデルがGクラス。昔ながらのドイツ車らしいオーバークオリティ感が、いまもっとも濃厚に味わえるモデルともいえる。四角くて機能一辺倒なスタイルのはずなのに、なぜだかカワイイとさえ思える。気は優しくて力持ち的な存在なのだ。
 リーズナブルで道具として優れている日本車が身近にありながら、輸入車に魅了されるのはそれぞれにお国柄や背負ってきたストーリーの重みなどが上手に表現されているからだろう。日本人のセンスで生み出す日本車にはない魅力に惹かれてしまうのは、自分とは真逆の性格の人に惚れてしまう恋愛にも似た感覚。だから一度ハマると抜け出せないのだ。


Profile
自動車ジャーナリスト

石井昌道
レースの参戦経験を持つ自動車ジャーナリスト。日々、国内外で行われるニューモデルのテストドライブへ精力的に赴き、ステアリングを握る。

MINI ジョン クーパー ワークス

 2018年5月のマイナーチェンジでATモデルが6速から8速へと進化。タッチ操作対応のナビゲーションがApple CarPlayに対応するなど、装備がさらに充実している。
2019年 MINI ジョンクーパーワークス(8速AT) ●全長×全幅×全高:3875×1725×1430mm ●車両重量:1260kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●最高出力:231ps /5200rpm ●最大トルク:32.6kgm/1450-4800rpm ●排気量:1998cc ●新車価格帯:432万円~450万円(16年~19年 JCWのみ)

DS7 クロスバック

 上級グレードにはアナログ式時計がダッシュボードに備わるが、キーに連動して回転して現れるという凝ったギミック。日本の路上でも持て余さないミドルサイズの車体サイズもチャームポイント。
DS 7 クロスバック グランシック(8速AT) ●全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm ●車両重量:1570kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●最高出力:225ps /5500rpm ●最大トルク:30.6kgm/1900rpm ●排気量:1598cc ●新車価格帯:469万円~579万円(全グレード)

アルピーヌ A110

 徹底して軽量化にこだわった設計により、最大出力は252馬力であってもレベルの高い走行性能を発揮する。当然、ブレーキやタイヤにもやさしい。現代に蘇ったライトウエイトスポーツカーだ。
アルピーヌ A110 ピュア(7速AT・DCT) ●全長×全幅×全高:4205×1800×1250mm ●車両重量:1100kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●最高出力:252ps /6000rpm ●最大トルク:32.6kgm/2000rpm ●排気量:1798cc ●新車価格帯:790万円~841万円(全グレード)

メルセデスAMG G 63 AMG

 あえてドアハンドルを流用するなど、従来モデルのイメージを継承した外観に対して、室内は未来的で搭載されるデバイスも先進的。車体構造を刷新したことで、快適性や安全性は大きくレベルアップ。
メルセデスAMG G 63 AMG(9速AT) ●全長×全幅×全高:4665×1985×1975mm ●車両重量:2530kg ●エンジン:V8 DOHCターボ ●最高出力:585ps /6000rpm ●最大トルク:86.7kgm/2500-3500rpm ●排気量:3982cc ●新車価格帯:2076万円

電動化モデルも輸入車におまかせ!

文●石井昌道 写真●内藤敬仁、澤田和久、グーワールド
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


ハイブリッドといえば日本車のお家芸、しかし気がつけば輸入車にも電動化モデルが多数登場。しかも、エコなだけでなく、クルマとしての魅力を備えているというのだからたまらない!

日本車が得意としていたHV分野にも続々参入

 21世紀に入ってからの20年弱の期間、日本はハイブリッドを始めとした電動車、欧州はディーゼルを燃費改善およびCO2排出量削減の核としてきたが、ここにきて状況に変化が起きている。パリ協定遵守に意欲を燃やすEUは、自動車のCO2排出量規制に厳しい態度を示していて、ざっくりと言えば、2030年には半数をEVとPHEV(プラグイン・ハイブリッド)にしなければならないほど。ほかの地域よりも厳しいので欧州市場を重視する地元メーカーは電動車に積極的になったのだ。
 規制によってブームに火がつこうとしているわけだが、自動車メーカーが造れば自然とそれが広がるわけではもちろんない。ユーザーが欲しいと思う魅力がなければ普及は難しいのだが、逆に言えば魅力ある電動車を作らなければ罰金が待ち構えているのだから、欧州メーカーは必死。これはユーザーとして嬉しい現象とも言える。電動車はコストが高くなりがちだが、メーカーは戦略的な値付けをする可能性が高く、頭をひねって魅力を高めてくるからだ。
 EVでユーザーを魅了した先駆けがアメリカのテスラ。異次元なほど大量のバッテリーを搭載することで課題である航続距離をクリアするとともに、ポルシェ・ターボ並みの加速を誇る。巨大なタッチパネル式ディスプレイや自動ドアといった未来感のある仕掛け、初めてスマホを持ったときにも似た幸せ感がテスラにはある。新興メーカーゆえの紆余曲折もあるが、すでに30万台近い販売台数を誇るようになったことは、欧州プレミアム勢にとって脅威だろう。
 ジャガーIペイスは、テスラ・キラーの急先鋒といえる。大容量バッテリーを搭載してハイパフォーマンスな欧州製EVは、メルセデス・ベンツ、アウディ、ポルシェなどが続々とデビューする予定だが、まずはイギリス・ブランドが切り込んだのが興味深い。
 Iペイスに乗って驚くのは、EVでもジャガーはやっぱりジャガーなのだと思わせること。電気モーター特有の低回転・大トルク型の特性を持ちつつも、品があって伸びやかなジャガーらしい加速をするのだ。さらにシャシー性能にも優れていてスポーツカー顔負けのハンドリングを披露する。EVになると何やら味気なくなるのではないかと漠然と心配していたが、それはまったくの杞憂なのだとIペイスは証明してみせた。今後のフォロワーも楽しみだ。
 PHEVは既存のクルマの楽しさとEV走行の未来感の融合がおもしろい。ポルシェパナメーラはまさにそんな仕上がりで、強い加速ではスポーティなエンジンの息吹にしびれ、普段の走りでは電気モーターの存在による静かで洗練された走りが味わえる。ステアリングを切り込んでいったときの骨太な身のこなしもさすがポルシェだ。
 電動化に向かうほど、じつは自動車メーカーごとの個性や味付けが重要になっていくように思えてきた。環境性能を高めたモデルは、ほっとくと薄味で魅力に乏しくなりがちだからだ。おそらく、いま勝ち組の輸入車ブランドは強みを発揮していくことだろう。生き残りをかけた本気の戦いが、これから始まろうとしているのだ。

ポルシェ パナメーラ 4 Eハイブリッド スポーツツーリスモ

 2.9LV6ツインターボエンジンにさらにモーターを組み合わせ、システム全体で462馬力を発生させるプラグインハイブリッドモデル。ステアリングのスイッチによりモーターのみでの走行も可能。早朝深夜の住宅街でも安心。
2019年 ポルシェ パナメーラ 4 E ハイブリッド スポーツツーリスモ(8速AT) ●全長×全幅×全高:5049×1937×1428mm ●車両重量:2190kg ●エンジン:V6DOHC+モーター ●排気量:2894cc ●最高出力:462ps /5250-6500rpm ●最大トルク:71.4kgm/1750-5000rpm ●新車価格帯:1436万円~1521万3000円(パナメーラ 4 E ハイブリッド)

ジャガー Iペイス

 2.9LV6ツインターボエンジンにさらにモーターを組み合わせ、システム全体で462馬力を発生させるプラグインハイブリッドモデル。ステアリングのスイッチによりモーターのみでの走行も可能。早朝深夜の住宅街でも安心。
2019年 ポルシェ パナメーラ 4 E ハイブリッド スポーツツーリスモ(8速AT) ●全長×全幅×全高:5049×1937×1428mm ●車両重量:2190kg ●エンジン:V6DOHC+モーター ●排気量:2894cc ●最高出力:462ps /5250-6500rpm ●最大トルク:71.4kgm/1750-5000rpm ●新車価格帯:1436万円~1521万3000円(パナメーラ 4 E ハイブリッド)

テスラ モデルS

 コンセプトカーのようなインテリアはいま見ても印象的。自動運転技術についても積極的に搭載し、それを生かすソフトウェアもアップデートされる。
テスラ モデルS ●全長×全幅×全高:4979×1950×1440mm ●車両重量:2290kg ●バッテリー容量:100kWh ●新車価格帯:897万円~1127万円(全グレード)

MODEL 3が日本でも受注を開始

 話題のニューモデルが日本でもいよいよ注文開始。航続距離はWLTP推定値で415km以上で、大容量バッテリー搭載モデルでは530kmに達する。15インチのタッチスクリーンを搭載し、スマホがキーとなる。2019年下旬の納車を予定。

【ミシュランのクラシックタイヤシリーズ】名車再生に欠かせない相棒

文●グーワールド 写真●ポルシェ、ミシュラン

本格的なクラシックカーだけでなく、身近な実用車を含めたヤングクラシックまで、世界的な流行となっているのはご存じのとおり。そこで問題になるのがタイヤだ。

クルマの生まれた世代に合うタイヤが再登場

 費用と時間をかけレストアレーションを行うことで名車を蘇らせることは可能だ。しかし、多くのオーナーが頭を悩ませるのがタイヤ問題。ゴム製品の「当時モノ」は再生できないからだ。
 現在ミシュランでは、当時の開発コンセプトと外観をそのままに、現在の最新技術を投入したクラシックタイヤを開発、販売している。1930年代といった戦前世代のものから、市場で人気の70年代、80年代向けモデルも続々と製品化。安全性を確保しながらクラシックカーにふさわしいルックスを与えてくれる。サイズ展開も豊富で、高級車、スーパーカーだけでなく、実用車にも装着可能なのが嬉しい。
 なお、いち早くクラシックモデル再生事業に乗り出したポルシェでは、クラシックカー愛好家のために、こうしたクラシックタイヤについても定期的にテストし、認定タイヤとしてそのリストを発表している。
 これはタイヤの重要性を認識しているからこその取り組みであり、「ポルシェクラシック」が単なるファッションやポーズでないことの証と言えるだろう。

1930年代のクルマに対応するモデルまで!

(左)SUPERCONFORT STOP S、(右)DOUBLE RIVET

 「DOUBLE RIVET」(1925年~)は乗用車用で初めてビードワイヤーを搭載。「SUPERCONFORT」(1932年~)は当時では唯一のジグザグサイプにより、濡れた路面でもグリップを発揮した。

  • Xシリーズ
     ミシュラン初のラジアルタイヤとして1949年に登場。2CVやビートルといった実用車から190SLまで幅広いモデルにマッチする。

  • XASシリーズ
     1965年に登場。トレッド部のデザインがイン側とアウト側で異なる非対称デザインを初採用。最高時速210km/hを実現させた。

  • XWXシリーズ
     ミウラやデイトナ、911カレラRSといった70年代スパーカーの足元を支えた。優れたグリップとロードホールディング性能を誇る。

  • TRXシリーズ
     1975年に登場。初の「扁平タイヤ」であり、リムとビードの工夫により高いコントロール性を実現。モータースポーツでも活躍した。

クルマを買う前にCheck!必要コストを総ざらい

文●グーワールド
諸費用、税金、保険…結局いくら掛かるの?そんな疑問を抱いている人は決して少なくない。ここでは、事前に知っておきたい「お金」をチェック

事前に知っておくことでトラブルを回避できる

 クルマの購入を検討しているとき、つい車両本体価格ばかりに目がいきがちだ。そしていざ見積もりを取ったら、諸費用などのプラスアルファ分が想像以上に高額で、泣く泣く諦めた……なんて話もよく耳にする。 今回は、クルマを購入前に最低限知っておきたい項目を整理してみた。購入前は、車両本体価格のほか、諸費用がある。こちらは主に、税金、保険、手数料などがあり、とくに排気量で決まる自動車税は車種によってはかなり高額になることもある。
 購入後は、2年に一度(初回は3年に一度)の車検で自動車税や重量税をまとめて支払う。その負担は少なくない。また、都市部では月々の駐車場代も非常に大きな金額となる。購入時、購入後のお金を知っておけば、クルマを手放すなんて事態も避けられるだろう。

Before/購入前

 購入時に一括払いというケースもあるが、多くの場合はローンを組むはず。まずは頭金を含めた月々の支払い額を算出しよう。たとえば本体価格230万円のメルセデス・ベンツGLAの場合、36回払い(年率3.99%)/頭金50万円/ボーナス月10万円加算だと、月々3万6400円となる。このほかに諸費用も加わる。

車両本体価格

 支払額の大部分を占めるのが車両本体価格。中古車雑誌やウェブサイトに大きく記載されているから、わかりやすい。ただし支払い総額も併せて掲載している媒体も多いから混同しないように。

諸費用

 乗り出すまでに、車両本体価格以外に要する費用のこと。そのうち、法定費用としては自動車税、取得税、消費税などの税金や自賠責保険が必要。それ以外は、手続きの代行手数料などが存在する。

手数料
法定費用以外の、販売店が独自に設定する手数料。登録代行、車庫証明代行、納車費用、陸送費用などその内訳はさまざま。交渉で節約することも可能。

リサイクル料
新車または中古車購入時、車検時などに支払う。支払い額は車両タイプで異なり、具体的な金額は自動車メーカーが公開している。概ね1~2万円が目安。

自動車取得税
消費税10%になった際に撤廃が予定されているが、現段階では自動車取得時に納付義務がある地方税。取得価格に税率をかけて算出。中古車は残価率を適用。

自賠責保険
クルマの所有者に義務付けられる損害保険。新車登録時、車検のタイミングで支払う。たとえば新車登録時の36カ月分で3万5950円となっている。

自動車税
排気量別に課税される都道府県税で、年度頭に1年分支払う。中古車購入時はすでに支払われている場合もある。たとえば2L車は3万9500円となっている。

重量税
新車登録時、または車検時に支払う国税。重量別区分で金額が変わる。車検付き中古車の場合は不要。たとえば1~1.5トン(3年分)の金額は3万6900円。

正規ディーラーと専売店どちらがいいの?

 クルマを購入する際、どこで買うのがベストかという疑問を持つひとは多い。安心なのは、やはり正規ディーラーで買うこと。そのブランドの車種は充実しているほか、認定中古車なども選択肢に入りやすい。しかし、希少車種や古めのモデルは、ノウハウが蓄積した専売店を尋ねるのがいいだろう。

After/購入後

 クルマを購入した後も、継続的な支出がある。まずは月々のローン。さらに、車検ごとに支払う重量税や自賠責保険、そして車検整備にもお金が必要だ。また毎年の年度頭には自動車税、月々の駐車場代など、クルマにまつわる支出は意外にも多い。ここでは一般的な項目をピックアップして解説していこう。

買った後のランニングコストも要確認

税 金
 クルマを購入後も毎年払わなければならないのが自動車税で、排気量ごとに金額が決まっている。また、車検時に支払う重量税も定期的に支払う必要がある税金だ。さらに燃料を入れた際にはガソリン税などもかかる。

保 険
 自賠責保険だけでは保障が不十分なので、法的義務はないがクルマ所有者のほとんどは任意保険に加入する。保険会社、プラン、年齢、車種などで価格が異なっている。各社インターネットから見積もりができるので活用したい。

駐車場
 一軒家に住んでいるユーザーは敷地に駐車するケースが多いが、賃貸物件ならば別に駐車場を確保する必要がある。とくに都市部では非常に高額なところもあり、住居から離れた駐車場を借りるというユーザーも多いだろう。

燃 料
 国際情勢によって変動しがちなのが燃料代。ひと昔前はガソリンが主流だったが、最近はそれよりも安価な軽油(ディーゼル車)を利用する機会が増えてきた。電気自動車やPHVの場合は電気代が掛かることもお忘れなく。

整備・車検
 初回3年、以降2年に一度行う法定点検が車検。ユーザー車検の場合は大幅に費用を低減できるが、多くの場合はディーラーなどにお任せすることが多い。そのほかタイヤ、水まわりなどの消耗品にもコストがかかる。

その他
 クルマにまつわるお金として、無視できないのが有料道路などの交通費。頻繁に遠出をする場合は、あらかじめ調べておくとよい。そのほか、クルマのアクセサリー、洗車用品のような雑多なものにもお金が掛かる。

認定中古車を賢く利用してコストを抑えよう

 ほとんどの輸入車ブランドに用意されている認定中古車。その最大のメリットは、充実した保証と入念に整備された車両。ただし相場が高めというデメリットも存在する。
メリット
・1年以上の長期保証
・メーカー基準の品質保証
・新車同等のロードサービス
デメリット
・相場よりも価格が高め
・物件数が少ない車種もある
・対象年式外の車種は選べない

月々の負担が軽い「残価設定ローン」

 数年後の車両の価値をあらかじめ決めて、残りの金額を分割払いにするのが残価設定ローンの仕組み。それによって、分割支払い額を通常のローンに比べて圧縮できるのが魅力だ。決められた期日まで据え置いた金額は、その後再ローンを組んだり、経年による差額を支払って車両を返却できる。高額車両を乗る際は便利なプランと言えよう。

[1]ローン対象は一部!?
車両全体の価格から、数年後の下取り価格(予想)を差し引いた額のみを対象にしたローンなので、通常のローンと比べて安く感じる。
[2]据置価格は任意設定
据え置き金額の車両価格に対する割合は、販売店によって異なってくる。月々の支払いに余裕があれば、もちろん少なめに設定することもできる。

最終回の支払い方法を選ぶことができる

車両の返却
車両を返却することによる精算方法。精算時の査定でコンディションがあまりにも悪い場合や、改造がなされている場合は追い金の請求も。
現金一括払い
現金一括払いにて精算する方法。たとえばその時点の中古車の買い取り相場が残価設定より高い場合は、それを差し引いた金額で購入できる。
再ローン
ローンを終了しても乗り続けたい場合は、現金一括払いのほかに再びローンを新たに組むことも可能になっている。

外さず安い!編集部が本気でCheck! オススメする中古車 8選

文●グーワールド
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

中古車は購入するタイミングによって価格が大きく異なる。今回は、主力モデルを調査し、この夏、本当に買うべき輸入中古車をピックアップ。本気でオススメする8台はこれだ!

[BMW 3シリーズ(先代)]モデルチェンジで相場ダウン優良物件が豊富に揃う

 新型3シリーズが登場したことで、先代(F30)が大幅に安くなっている。セダンの平均価格はおよそ250万円で、物件が豊富に存在する。とくに2012年~2013年式は150万円~180万円あたりの物件が中心となり、買いやすくなっている。3シリーズの大きな魅力として、幅広いエンジンバリエーションが揃うことが挙げられる。物件が多く価格が安い「320i」がオススメだが、それよりもやや相場が高いディーゼルモデル「320d」も物件が充実し、探しやすいグレードとなっている。
中古車参考価格帯:110万円~450万円(※12年~19年 M3は除く、セダンのみ)

大きすぎず、扱いやすいサイズのボディ。ほどよいタイト感は、ドライバーズカーの雰囲気が強い。質感も十分なレベル。

[プジョー308]100万円台前半で買えるハッチバックの隠れた名車

 このクラスのハッチバックはVWゴルフが人気だが、プジョー308も負けず劣らず高い実力の持ち主。剛性感のある走りと広い室内は、クラスのなかでも指折りの完成度を誇る。中古車相場も下がり、現在は230万円が平均価格。しかし5年落ち(2014年式)だと、低走行な物件でも100万円台前半で購入可能だ。
中古車参考価格帯:100万円~340万円(※14年~19年 全グレード)

[フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン]輸入車ミニバンの鉄板チョイスがそろそろ買い

 2004年に登場した7人乗りのロングセラーミニバン。初代も非常にお買い得なのだが、2016年に導入された2代目もそろそろ買い時。低燃費の1.4L4気筒ターボを主軸とするが、ディーゼルを後に設定するなど商品力が高い。3年落ちで200万円以下の予算で購入可能となっており、いよいよ買い時に突入。
中古車参考価格帯:190万円~350万円(※16年~19年 全グレード)

[ボルボ V60(先代)]後期型も安くなった人気のステーションワゴン

 2011年に登場したミドルサイズのステーションワゴン。前期型は以前から相場が下がっていたが、昨年のフルモデルチェンジの影響で2014年モデル以降の後期型も相場が下がった。前期型は100万円以下、後期型は150万円前後の予算でも十分ねらえる。グレードは「T4」系が多く、価格もこなれている。
中古車参考価格帯:70万円~360万円(※11年~18年 全グレード)

[フィアット 500]色褪せないデザインのイタリアンスモールカー

 現行型フィアット500は、2008年から販売されているロングセラーモデル。気になっていたけど、買うチャンスを逃していたひともいるだろう。2013年式以前の低年式物件なら、50万円~100万円の予算で買えるし、物件豊富なのでオススメの1台。グレードは、ベーシックな「1.2ポップ」が探しやすい。
中古車参考価格帯:40万円~220万円(※08年~19年 アバルトは除く)

[アウディ TT(先代)]普段使いも苦にならないスポーツクーペ

 スポーツカーらしいタイトな室内を持ちながら、走りはジェントル。休日のドライブから通勤まで幅広く使えるアウディTTは、ほどよいバランスのクーペ。現行型はまだまだ高額だが、2006年に登場した先代は物件が多く、価格も安い。2010年式以前の個体であれば、100万円を下まわるものが目立つ。
中古車参考価格帯:90万円~280万円(※06年~15年 クーペのみ、S/RSは除く)

[ポルシェ ボクスター(タイプ981)]あこがれのポルシェが500万円から探せる!

 ビッグマイナーチェンジの際、718ボクスターという名に変更されたが、2012年に登場した現行型(タイプ981)がそろそろ買い時。2012年~2016年式までの平均価格は590万円で、400万円台の物件も存在する。標準グレードのほか、「S」、「GTS」などが存在するが、標準グレードが数が多くて探しやすい。
中古車参考価格帯:420万円~870万円(※12年~16年 全グレード)

[ルノー カングー]荷物をたくさん積んでも室内広々のコンパクトワゴン

 観音式リヤドアを採用し、使い勝手にこだわったコンパクトワゴンがカングー。現行型は2009年に登場した2代目だが、すでに10年が経過していることもあり、全体的に相場が下がっている。低年式から高年式まで偏りなく物件が流通しており、予算に応じたコンディションのクルマを探すことが可能だ。
中古車参考価格帯:80万円~250万円(※09年~19年 全グレード)

輸入車の魅力が凝縮 時を超える名車たち

文●グーワールド
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

輸入車の魅力は、まさに多種多様な価値観から生まれたエキゾチックさ。そして、中古車のおもしろさは、時間を超越して名車を自分のものにできること。ここでは、いまだからこそ乗りたい、とっておきのクルマたちを紹介します。

[アウディ TT(初代)]デザインがタイムレスいま見ても魅力十分の初代

この個体は左ハンドル仕様だが、一般的な右ハンドルのATも輸入されていた。外装だけでなくインテリアもデザインが徹底されていた。

 シンプルかつ細部まで美意識を注ぎ込んだ美しいデザインにより、瞬く間にアウディのデザインアイコンとなったTT。1998年にデビューした初代モデルは、日本での登場当初、左ハンドルのマニュアルのみだったにも関わらずヒット作に。エアコンリングやオーディオパネルなどに本物のアルミ素材を用いるなど質感にもこだわっていた。この車両はアウディジャパンがレストア中の個体で、ライトやグリルなどを新品に交換したというだけあって、まるで新車のような雰囲気だった。
中古車参考価格帯:25万円~285万円(※99年~06年 全モデル)

2000年にロードスターを追加。屋根を開けたスタイルも魅力だ。まるで野球のグローブのような仕上げのシートも存在。

[フェラーリ モンディアル T カブリオレ]手の届くセミクラシックフェラーリとしても注目

 V8エンジンをミッドシップに搭載しながらも2+2の室内空間を提供するラグジュアリースポーツ。現役時代は328の影に隠れてしまったが、美しくゆとりを感じさせるスタイルとパッケージングにより根強い人気を誇っている。オープン版であるカブリオレの存在はまさしく洒脱のひとこと。
中古車参考価格帯:455万円~700万円(※80年~93年 全モデル)

[BMW Z3 Mクーペ]乗りこなすことに喜びが生まれる熱い走り

 Z3をベースにM社が手がけたスポーツモデル。オープンカーに強引に屋根を追加したようなスタイルが特徴。軽量コンパクトなボディに最高出力321馬力の3.2L直6エンジンを搭載したことにより、操縦特性はじゃじゃ馬といっていい過激なものに。ディープなBMWファンからはいまでも語り草になっている。
中古車参考価格帯:300万円~380万円(※98年~03年 全モデル)

[メルセデス・ベンツ GLKクラス]左ハンドルさえ許容できればクルマとしての完成度は高い

 Gクラスの現代的解釈として開発されたGLクラスのコンパクトバージョンがGLK。スクエアなキャビンは視界に優れ、高いヒップポイントも相まって見とおしは抜群。日本では左ハンドル仕様のみの輸入ということもあって販売台数はかぎられましたが、ポテンシャルの高さは多くのプロが認めていました。
中古車参考価格帯:150万円~370万円(※08年~16年 全グレード)

[ジャガー XJ-S]外界とは違う時間が流れる贅沢なパーソナルクーペ

 1970年代から20年あまりにわたって紳士淑女のきらびやかな日常を支えた贅沢なクーペ。搭載されたエンジンもV12または直6と、いずれも理論上完全バランスによる低振動が美点で、まさに滑るようにスムーズな走りを披露する。主治医となるショップといっしょに、愛犬をいたわるように生活したい。
中古車参考価格帯:110万円~480万円(※75年~96年 全モデル)

[ランチア デルタ HF インテグラーレ エボルツィオーネII]WRCのヒーローはいまやコレクターズアイテム

 世界ラリー選手権に参戦するためのホモロゲーションモデルとして誕生したデルタHFの最終進化モデルがこちら。巨大化したフェンダーや大型ウイングが大迫力。クラシックカー人気のあおりを受け中古車市場は高騰中。しかし、海外への流出も多く、待っているうちに手に入らなくなる可能性は高い。
中古車参考価格帯:360万円~800万円(※89年~93年 全グレード)

[キャデラック エルドラド]贅沢という言葉がぴったりのアメリカンドリームカー

 アメリカを代表する高級車ブランドであるキャデラックの2ドアクーペで、その名は1960年代から受け継がれる伝統あるもの。写真は1992年から販売されたモデルで、クリーンで伸びやかなサイドビューはこのクルマの贅沢さをよく表している。エンジン排気量は4.6Lで最高出力は300馬力、もちろんV8だ。
中古車参考価格帯:55万円~150万円(※92年~98年 全グレード)

[プジョー 106ラリー]走らせている実感にあふれる小粒でぴり辛なマシン

 なにもないことがこんなに楽しいなんて!そんな気持ちにさせてくれるのが、モータースポーツ向けに仕立てられた106ラリー。軽自動車サイズ車体は900kgにも満たない軽量設計で、そこに搭載される1.3L直4エンジン(のちに1.6L化)は高回転を使わせるセッティング。ミッションはもちろんMTです。
中古車参考価格帯:85万円~200万円(※93年~03年 ラリーのみ)

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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