新車値引き情報
更新日:2019.06.26 / 掲載日:2019.06.26
【新車購入】X氏の値引きにチャレンジ大作戦

無風地帯・鹿児島で大苦戦。まさかの完敗……と思いきやムチャぶり作戦で大噴火!!!
【プロローグ】 のっけから申しわけありませんが、ちょっとショッキングな話をさせてもらいます。
平成23年11月24日 午後10時過ぎ、突然、激しい頭痛に襲われた。しばらくすると左半身がぱったり動かなくなる。すぐさま救急病院へ搬送……病名は、脳出血。
これで仕事や大好きなクルマともおさらばか……と思っていたが、捨てる神あれば拾う神あり……地元の救急病院と大学病院の優秀なスタッフが助けてくれました。最新の医療と必死のリハビリの結果、9か月後には日常生活に支障がないレベルまで回復! 運転免許もAT限定で復活!
心機一転「クルマを買い替えよう!」ということになって、フリードハイブリッド(在庫車・30万円引き)を購入。
光陰矢の如し。そのフリードもすでに6年が経過。長男が免許を取ったこともあって「車検が残っているうちに買い替えよう!」となったわけです。
狙いはミニバン。私の本命はアルファード/ヴェルファイア。ただし、妻と息子X1号(長男)はデカすぎるとアレルギー反応を起こしている(笑)。ちなみに、息子の本命はオデッセイ、妻はステップワゴンとのこと。
下取り車のフリードは平成25年3月登録で、グレードはハイブリッドジャストセレクション。買って早々、ガードレールにぶつけて「修復歴あり」となってしまった(事故った犯人は……我が家の機密事項です)。ともあれ値引き条件だけでなく、このクルマの下取り額も決め手となりそう。
【交渉1日目(土)】 3日前、松本さんが鹿児島にやってきた。ファミレスにて作戦会議。3時間たっぷり、目からウロコの話を聞かせていただく。会議が終わったときには、すっかり気分はX氏(笑)。
夕方、職場から徒歩30秒のカローラ店に行く。昼休みにアポを取っておいたので、スムーズに商談がスタートする。対象はノア・ハイブリッドSi W×B2。
セ「下取り車は今日お乗りになっているフリードですね。まず査定をさせてください」
紅茶を飲みながら待つ。店内を見回すと、けっこうお客さんが入っている。週末の夕方だから当たり前か。そうこうしているうちにセールス氏が戻ってきた。
提示してきた見積もりを見ると、付属品がたっぷり計上されていた。大物・ナビから小物・ナンバーフレームまで約52万円分!
X「あれ、いらない付属品がたくさん入っていますね。必要なのはフロアマットと……」
セ「大丈夫です。不要なオプションは後で削ることができますよ」
X「わかりました。下取りはどのくらい付きましたか?」
セ「いますぐ契約していただければ、80万円で取ります。ノアの値引きは15万円です」
おっ、値引き額は平凡だが、下取り額は思ったより高い!
実は、数週間前、下取り車のフリードを購入したホンダA店で、試しに査定してもらったところ「50万円」という金額が出ていたのだ。走行距離が6万5000kmを超えているし、修復歴があるので「まあ、こんなものだろう」と思っていたので、80万円という数字を聞いて、正直、びっくり! もしかしたら修復歴には目をつむってくれたのかも? 高額査定にすっかり気をよくしたが、平静を装って商談を続ける。
X「ほかにも有力な候補車があるので迷っています」
セ「なるほど」
X「でも、長引かせるつもりはありません。近々、最終的な返事をしますよ」
セ「よろしくお願いします!」
X「ところで、カローラ店でもアルファード/ヴェルファイアを取り扱うことになるそうですね」(松本さんから仕入れたネタをぶつけてみました)
セ「はい、よくご存じですね。うちはヴェルファイアを近々、販売することになります。でも、ヴェルファイアは大きいので取り回しに気を使いますよ。ノアのほうが気軽に乗れますよ」
本日はこれにて終了。
【交渉2日目(日)】 妻は現時点でも「え~、ほんとに買い替えるの?」と、乗り気ではない。さて、どうやってディーラーに連れ出そうか? と考えていたら、我が息子たちがやってくれました。
息子X1号「友達が『下取り車は車検を1年くらい残して売ったほうが高くなる』って言っていたよ」
息子X2号「秋に消費税が増税されるんでその前に買い替えたほうが利口だよ」
妻「そうなんだ。じゃ、クルマ、見に行こうか」
ナイスアシスト!
まずは、ヴェルファイアを扱うネッツA店へ。例のごとく事前にアポを取っていたので、スムーズに通される。
まず、妻と息子X1号にヴェルを試乗してもらった。妻はおっかなびっくりだったが、息子X1号はけっこう気に入ったようだ。さすが、男の子である。
試乗から戻って商談開始。ノア/ヴォクシーなら迷わずハイブリッドを選ぶが、ヴェルファイアとなると予算的に悩ましい。こちらが迷っていると、
セ「1か月にどのくらいの距離、走りますか?」
X「1000kmくらいですね」
セ「その感じでしたら、ガソリン車がいいですよ」
やはりそうだよね。ガソリン車でいこう。提示してきた条件は車両本体と付属品から22万円引き。フリードの下取り額は78万円。カローラ店より2万円ほど低い。ただし、ノアは1か月程度で納車となるが、ヴェルファイアは3~4か月待ち。下取り車の引き渡し時期を考えると78万円は割高だ。
ともあれ、まだ初回なのであまり突っ込まず「検討します」と言って店を出た。ちなみに、セールス氏はとても感じが良く、妻のハートをしっかりつかんだようだ。
次はホンダB店。下取り車を買ったホンダA店とは別経営の店だ。担当となったセールス氏は、口調は穏やかで弁舌も爽やか。でも、なんだかすましていて熱意が感じられない。こういう気持ちの入っていない対応に妻と息子たちは敏感で、はたで見ていてもテンションが下がっていくのがわかる。ともあれ、ステップワゴンの見積もりを出してもらったが、値引き額も下取り額も空欄のまま。おまけに「クルマは取りに来る」と言ったのに納車費用が計上されている。
家族揃って、この店での購入意欲は、ダダ下がり。オデッセイの見積もりを忘れて引き上げる。
いったん帰宅。夕方、自宅から徒歩30秒のトヨペット店へ。狙いはもちろんアルファード。
提示してきた値引きは18万円。下取り査定額は後日となった。
ちなみにノア/ヴォクの姉妹車、エスクァイアの見積もりも試しに出してもらったが、値引きは12万円と低調だった。
無風地帯・鹿児島で大苦戦。まさかの完敗……と思いきやムチャぶり作戦で大噴火!!!
【交渉3日目(火)】 ディーラーまわりを体験した息子たちがクルマに興味を持ち出したようだ。仕事中にやれエスクァイアに試乗したいだの、アルファードのオプションはどうだのと連絡してくる。こっちは忙しいのに、今しなきゃならんことか。
そんなこんなで、勤め帰りに息子たちと待ち合わせて、昨日のトヨペット店へ。まずは息子X1号がエスクァイアに試乗する。念願かなったせいか、ちょっと顔が上気している。
セ「Xさん、ご予算はいくらぐらいですか?」
X「息子の教育費や私の治療費にいくらかかるかわからないので安ければ安いほどいいですね」
すると、いったん奥に引っ込み、しばらくして戻ってきた。
セ「これでどうでしょうか? 上の決裁をもらってきました」
アルファードの値引きは車両本体とメーカーオプション/付属品から合計25万2260円。下取り額は55万円。
セ「ここまで出してしまうと、あとは1万円以下の端数を削るくらいです」
う~ん……とてもじゃないけど、値引きも下取りも納得できる数字じゃない。作戦会議の際、松本さんが「鹿児島は大都市部と比べると値引きが厳しくなります。とくにトヨタはガードが固いので苦戦を覚悟してください」と言っていたけれど、トヨペット店は渋すぎる。こうなったら、ヴェルファイアに頑張ってもらわないと……。
【交渉4日目(水)】 先日、商談したカローラ店に電話してみる。あいにく担当セールス氏は不在。かわりに店長さんが応対してくれた。前回のノアの条件(値引き15万円/下取り80万円)を伝えて、
X「店長さん、もう少しなんとかなりませんか?」
店長「買っていただけるとなれば頑張りますよ」
セ「ところで、ヴェルファイアはいつから取り扱うのですか? 担当セールスさんはもうすぐ販売するみたいな口ぶりでしたが……」
店長「いやいや、それは「年単位」で先の話です。今すぐということはありません」
もしかしたらと思ったが、今回は間に合わないようだ……残念。
自宅に戻って、先日商談したネッツA店に「アルファードがけっこう頑張ってきています。ヴェルファイアもなんとかなりそうですか?」というメールを送った。
この店のセールス氏はとても感じがいいので、心情的にはここから買いたいと思っている。妻もセールス氏の人柄を気に入っているので、「デカすぎ」アレルギーを消せる可能性がある(笑)。
すぐに返信があった。
「本部に掛け合いますので、週末にいらしてください」
おおっ、期待できそうだ。
ところで、新車って訪問販売をしなくなったんですね。以前はバンバン売り込みに来て煩わしさを感じたけれど、来なければ来ないで、ちょっと寂しい(笑)。
これまでの経過を松本さんに報告すると、
松本「下取り80万円ですか……かなり高いですね。買い取り専門店は修復歴を重視して大きくマイナスしますが、新車のセールスマンは『買ってもらいたい!』という意識が強いため、査定の際、修復歴を過小評価する傾向があります。このケースでは買い取りに売却するより下取りに出したほうがいいかもしれません。でも、値引きは思ったより厳しいですね。アルファードのノリがよくないので、経営の違うネッツ同士の対決に持ち込みましょう」
おおっ、そうだった。ネッツB店の存在をすっかり忘れてた。早速、明日、行こう!
【交渉5日目(土)】 下取り車を購入したホンダA店へ。担当セールス氏は誠実でアフターサービスもしっかりやってくれている。
X「やっと妻からお許しが出て、新車選びをしているところです」
セ「えっ、奥様をどうやって説得したんですか?」
X「6年落ちのフリードに乗るより最新型の新車にしたほうが安全性は高く、メンテ費用も安くなるとか説明したら納得してくれました。息子たちも『10月から消費税があがるし、車検が残っているうちに買い替えたほうが有利』とか言ってサポートしてくれました」
セ「なるほど。で、候補は?」
X「アル/ヴェルとノア/ヴォク、ホンダはオデッセイとステップワゴンですね」
セ「わかりました。見積もりを作ってきます」
しばらくして戻ってきた。オデッセイは装備・付属品と諸費用を含めた総額が約488万円、ステップワゴンは約478万円となっている。値引き額は空欄のまま。
X「実際に買うとなったら、どのくらいになりますか?」
セ「オデッセイが450万円、ステップワゴンが460万円です」
逆算すると、オデッセイが38万円引き、ステップワゴンが18万円引きとなる。なんか渋いなぁ。
フリードの下取り額は数週間前と同じ50万円。
セ「1か月近く経っていますが、査定額は下げません。来年の車検切れ直前になると30万円くらいになってしまうので、いま買い替えたほうがお得ですよ」
本来なら、ここでトヨタの査定額を伝えて「ホンダ車なのに下取り額がトヨタより30万円も低いのはどういうことだ」などと攻め込むところなのだが、このセールス氏にはこれまでいろいろと親身になって世話をしてもらっているので、正直、厳しいことを言えない。チキンハートだなぁ アル/ヴェルに気持ちが傾いていたこともあって、ホンダとはここで終了することにした。
自宅に戻って妻と息子たちと合流、トヨペット店へ。担当氏がにこやかに迎えてくれた。アルファードの前回の条件は値引き25万2260円、下取り55万円。
X「現時点ではヴェルファイアが一歩も二歩もリードしています。はっきり言ってアルファードはこのままでは負けてしまいますよ。もう少しなんとかなりませんか?」
セ「う~ん……少しお待ちください」
しばらくして戻ってきた。
セ「店長に相談したら本部の決裁をとってくれました。値引きの上乗せはできませんが、下取り額を55万円から72万円にします。アルファードは納期が3~4か月かかりますが、下取り車の引き渡しは納車時で大丈夫です。もちろん72万円もそのままキープしますよ。これでお願いします!」
X「頑張ってくださったのはわかりますが、高い買い物ですので即答できません。せめて来週まで待ってもらえますか?」
セ「わかりました」
ついに退路を断って、来週もしくは今週末には決めることにした。
妻の気が変わらないうちに勝負をつけるぞ!
店長「台数が足りません!」(泣)鬼攻撃で18万円を奪取!(笑)
【交渉6日目(日)】 昼食後、家族揃って別経営のネッツB店に向かった。この時点で私の気持ちはヴェルファイアにほぼかたまってきた。これまでの経緯を伝えると、
セ「わかりました。では、下取り車の査定をしましょう」
しばらくして戻ってきた。
セ「下取り車ですが、修復歴は見なかったことにします」(笑)
X「ありがとうございます」
セ「査定額は75万円です」
見積もりを見ると、値引きは空欄となっている。
セ「値引きですが、決めていただけるなら頑張ります」
はっきりした数字を提示してこない。どうやら他店の条件が出てから後出しジャンケンをしたいということらしい。結局、これ以上商談は進まなかった。
こんどはネッツA店へ。メールで「本部と掛け合うので週末に来店を!」と知らせてきたので大いに期待していたが、あいにく担当氏は不在。かわりに出てきたのは……なんと店長さん! ここでピンときた。相手は本気だ! ならば、こちらもそれなりにいく。ダメもとでむちゃな数字をぶつけて、妥協案を引き出そう。
店長「イベントの最終日なんですが、台数が足りないんです。ぜひ、お願いします!」
X「では、こちらも単刀直入にいきます。前回のヴェルファイアの条件は値引き22万円/下取り78万円の合計100万円でしたがこれを150万円にしてください」
店長「えっ、50万円の上乗せですか……う~ん……」(みるみる顔色が変わってきた)
X「OKなら契約します!」
店長「そこまでの数字となると、私の判断では無理です。本部にお伺いをたてるので、しばらくお待ちください」
いよいよクライマックス! 緊張が走る。家族全員が無口になってしまった(笑)
店長「Xさん、150万円はむちゃです。とても出せません。でも、ここまで頑張りました!」
車両本体とメーカーオプション6万480円から21万5176円引き、付属品63万9252円から15万円引きの合計36万5176円引き、下取り額は81万2090円となっている。
店長「これが最終条件です。これ以上はできません」
さすがに店長さんにここまできっぱり言われると、さらなる上乗せが迫りにくい。妻に目で合図すると、うなずいた。
X「わかりました。これでよろしくお願いします!」
店長「ありがとうございます」
注文書にサインする直前、ペンを止めて、
X「新車を引き取って、最初の行き先がガソリンスタンドって、ちょっと嫌なんですよねぇ」
店長「わかりました。ガソリン満タンにしておきます」
成約記念プレゼントは有名せんべい店の詰め合わせセットでした。
購入データ
From鹿児島県
TOYOTA ヴェルファイア
Z Gエディション
トータル値引き 36.5万円
値引き採点 4
車両本体とメーカーオプション/付属品から合計36万5176円引き。値引き率は7.2%。全国レベルからすると採点は3だが、地域性と高取り分を考慮して4とした。ちなみに納期は約3か月。