新車試乗レポート
更新日:2018.11.06 / 掲載日:2018.10.27
ALPINE A110試乗インプレッション
フレンチスポーツカーとして人気を博したアルピーヌA110が現代に復活。軽量かつコンパクトなボディとミッドシップエンジンの組み合わせが生み出す走りは痛快だ。
●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之
ALPINEA110[ニューモデル]
●発売日:’18年11月
●価格:790万~841万円
●輸入元:アルピーヌ・ジャポン
●問い合わせ先:0800-1238-110
●エコカー減税:なし
主要諸元(A110PURE)
●全長×全幅×全高(mm):4205×1800×1250●ホイールベース(mm):2420●車両重量(kg):1110●駆動方式:FR●パワートレーン:1798cc直4DOHCターボ(252PS/32.6kg・m)●トランスミッション:7AT●JC08モード燃費(km/L):14.1●燃料タンク容量(L):45[プレミアム]●最小回転半径(m):5.8●タイヤサイズ:F=205/40R18R=235/40R18●価格:790万円 ※オプションを含まず
ミッドシップらしい高いトラクションを発揮
本気のライトウェイトスポーツカーでありながら、ビートルやミニのような「懐かしキャラ系」のような印象もある。懐かしさばかりでもないし、口角泡を飛ばしてスポーツカー論を展開するわけでもなく、その按配が妙に魅力的に思えた。
設計面の特徴はアルミ材等による徹底した軽量設計と空力へのこだわり。とくに空力は車体表面に無粋な空力デバイスを負荷しないため、車体下部の設計で高速安定を確保。A110を名乗るに相応なスタイルへのこだわりである。
走らせればミッドシップの長所全開だ。ミッドシップの長所と言えば何よりもトラクション。鼻先軽く回り込む操舵初期反応だが、回頭は穏やかである。旋回に入った時に深く踏み込めば、駆動力と遠心力に耐えきれなくなり、後輪を滑らせ始める。ここからが凄い。滑りながらのトラクションで速度と旋回を維持。オーバーステアで落ちた旋回力を駆動力で補っている感じだ。神経質にカウンターステアを制御しなくても、望むスリップアングルでラインに乗せられる。付け加えるなら高速からの全制動も強力。これもミッドシップならではである。限界走行が楽しい。
しかもDCTの2ペダルで右ハンドル車が充実。さらに前後には二人の小旅行には十分な荷室が備わり、バックレスト裏などキャビン内の身の周り品の置き場もクーペでは良好。ストイックなマニア限定といった類でもない。実質800万円以上の価格が唯一のウイークポイントである。
アルピーヌは1995年に活動を休止し、2016年に復活。今年の6月にA110プルミエール・エディションが50台限定で日本に導入された。今回は11月に発売予定のカタログモデルであるA100ピュアに試乗。アルミ製プラットフォームとアルミボディによって1100kgという軽さを実現している。
機能的にまとめ上げられたインパネデザイン。メーターはフルカラーTFT仕様で、センターには7インチマルチファンクションタッチスクリーンが配置される。
シートはSabelt製軽量モノコックバケットタイプで、素材はレザー&マイクロファイバー。
フロントラゲッジルーム(100L)には機内持ち込みサイズのスーツケースを2つ収納可能。
リヤの容量は96L。
パワートレーンは、1.8L直4ターボエンジンをミッドシップにレイアウト。最高出力は252PS、最大トルクは32.6kg・mを発揮。トランスミッションはゲトラグ製7速AT。
4つの独立したフルLEDヘッドランプが、オリジナルのアルピーヌA110をイメージさせる。
ホイールは軽量なFuchs製の18インチ鍛造アルミ。ブレーキキャリパーはBrembo製。
提供元:月刊自家用車