徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2018.09.21
【スバル レヴォーグ】100万円台の物件も! 相場分析でわかったこととは?
スバルのステーションワゴン、レヴォーグの販売が好調だ。デビューから4年が経過した今年(2018年)でも、上半期の新車販売台数では39位と、まずまずの順位にランクイン。これは人気モデルのマツダCX-3や同門のスバル フォレスターよりも上だ。街中でもレヴォーグを見かける機会は多く、データを見ずともヒットモデルとしての肌感がある。レヴォーグの人気の秘密は、昔ながらのスバリストに好まれるコンパクトなボディとスポーティな走りにある。また、スバル伝統のレガシィツーリングワゴンが生産終了しているほか、ライバルメーカーは最近ステーションワゴンをラインアップから外すことが多く、手頃なサイズのワゴンといえば、必然的にレヴォーグくらいしか選択肢がないというのも要因かもしれない。いずれにしても新車登場以降根強い人気を誇り、中古車も高値安定が続いている。今回はレヴォーグの中古車を購入する際、どの年式、どのグレードを狙えばよいかを、詳細なデータをもとに解説していく。
スバル レヴォーグってどんなクルマ?
2014年6月に発売されたスバルのステーションワゴンがレヴォーグ。全長4690mm、全幅1780mm、全高1485mmというボディサイズは、2003年に登場した4代目レガシィツーリングワゴンとほぼ同程度。この世代以降、レガシィシリーズは北米をターゲットに見据えてボディがどんどん大きくなっていったため、従来までレガシィが担っていたポジションを埋めるようにレヴォーグが誕生したのだ。エンジンは1.6Lターボと2.0Lターボで展開される。ほぼ同じタイミングで登場したスポーツセダン「WRX」のワゴンバージョンと考えれば、その位置付けがわかりやすいだろう。日本の交通事情でも持て余さないコンパクトなボディと低排気量+ターボの組み合わせは、スポーツマインドを刺激するには十分で、事実その走りっぷりは古典的スポーツワゴンの楽しさがある。また、これはレヴォーグに限ったことではないが、当時から推し進めている衝突被害・軽減ブレーキ「アイサイト」もほとんどのグレードに標準装備。「ぶつからないクルマ」として、新しい客層に対して「安全」というキーワードを痛烈にアピールしたことも忘れてはならない。
スバル レヴォーグの年式別中古車相場は?
スバルは年次改良を明確に行うメーカーで、レヴォーグも毎年改良を受けて進化し続けている。その略歴を振り返ると、2014年6月に発売され、1.6Lターボと2.0Lターボという2つのエンジンでスタートし、装備を抑えた「1.6GT」以外はすべてアイサイトバージョン3を標準装備。こちらは従来の「止まる」機能に加え、車線維持機能「アクティブレーンキープ」などが新たに盛り込まれているのが特徴だ。2015年4月の改良(一般的にB型と呼ばれる)では、アイサイトの安全性能をさらに強化する「アドバンスドセイフティパッケージ」がオプションで選択可能となった。これは車両斜め後方の死角を検知する「スバルリヤビークルディテクション」、サイドビューモニターなどさまざまな装備が含まれている。
2016年6月には、リヤシートのシートベルトプリテンショナー、シート自体の改良など安全性がさらに進化したことに加えて、「1.6GTアイサイト」の17インチホイールデザインが一新された(C型)。同年夏には、STI製パーツで走りの性能を引き上げた「STIスポーツ」を追加。2017年7月には外観デザインがリニューアルされるとともに、全車速域でアクセル、ブレーキ、ステアリング操作をサポートする「アイサイトツーリングアシスト」が搭載され、後退時自動ブレーキシステムの追加など、安全面がさらに強化されている(D型)。これに合わせて足まわりもリファインされ、走りがより洗練されたものとなった。そして2018年6月にはアイサイトの制御が改良され(E型)、衝突回避の精度が高められるなど、毎年のように安全、機能、走りが磨かれている。
3年落ちなら200万円以下の予算でも狙える!
年式 | 中古車平均価格 |
2014年式 | 211万円 |
2015年式 | 227万円 |
2016年式 | 265万円 |
2017年式 | 310万円 |
2018年式 | 331万円 |
上の表からわかるとおり、レヴォーグの中古車平均価格は4年落ちのA型モデルでも200万円オーバー。デビュー時の新車価格帯は266万7600円~356万4000円だから、正直あまり値崩れしていないのがわかる。中古車が豊富なのは初期のA型から2016年のC型までで、いわゆる後期型に当たるD型以降の物件はかなり少ない状況だ。となると、注目したいのは3年落ちのB型(2015年式)あたりになりそう。中古車平均価格は227万円となっているが、200万円を切る物件も目立つから手が出しやすい。平均価格からのバラつきが少なく、極端に安い物件が少ないのが厳しいところだが、3万km程度の良コンディション車は探しやすいはず。しかし、ある程度の対価を払っても後期型を狙うという手もある。というのも、レヴォーグは年次改良を重ねるごとに良くなっているクルマのひとつ。とくに後期型は走りの荒削り感が払拭され、価格以上に洗練されたクルマとなっている。リセールバリューが高いので、あえてこちらを探すという選択も念頭に置いておこう。
スバル レヴォーグのグレード別中古車相場は?
レヴォーグは、エンジンタイプ別に2つ、足まわり別に2つのグレードに大別できる。1.6Lターボ車は「1.6GTアイサイト」と「1.6GT-Sアイサイト」、2.0Lターボ車は「2.0GTアイサイト」、「2.0GT-Sアイサイト」というラインアップ。「GT」と「GT-S」の大きな違いは、後者にはフロント倒立式ビルシュタイン社製ダンパーが与えられること。なお「1.6GTアイサイト」は17インチホイール、それ以外は18インチホイールが装着される。このほか、2016年に追加されたスポーツ仕様「STIスポーツ」が存在し、こちらにはSTIがチューニングしたサスペンション、フロントロアアームなどが与えられ、内装もかなりリッチなのが特徴。また1.6Lターボと2.0Lターボはどちらも水平対向4気筒だが、最高出力は前者が170馬、後者が300馬力とかなり差があることも留意したい。レヴォーグには2WD車の設定はなく、すべて4WDとなり、トランスミッションは全グレードにCVTが与えられる。それを踏まえて中古車平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
1.6GTアイサイト | 221万円 |
1.6GT-Sアイサイト | 235万円 |
1.6STIスポーツ アイサイト | 317万円 |
2.0GTアイサイト | 227万円 |
2.0GT-Sアイサイト | 245万円 |
2.0STIスポーツ アイサイト | 343万円 |
オススメは「1.6GT-Sアイサイト」
レヴォーグのバリエーションは多いが、中古車市場に流通するグレードには偏りがある。もっとも多いのは「1.6GT-Sアイサイト」で、全体の4割以上を占めている。一方、非ビルシュタイン社製サスペンションの2.0Lターボ車「2.0GTアイサイト」は、途中でカタログから外れたこともあり、流通量は極めて少ない。またデビューからあまり時間の経っていないSTIスポーツ系も全体の1割程度と控えめだ。実用ワゴンとして購入するなら数が豊富な「1.6GT-Sアイサイト」がオススメ。最高出力は170馬力だが、トルクは十分だからどんなシーンでも使い勝手がよく、燃費も2.0Lターボ車にリッター当たり3~4km/Lほど差を付けている。しなやかな走りを生むビルシュタイン社製サスペンションはぜひとも欲しいアイテムだから、GT-S系を積極的に探したいところだ。一方、レガシィを彷彿とさせる高性能ワゴンとして期待するなら、「2.0GT-Sアイサイト」一択となるだろう。こちらも3年落ち以前の物件なら、200 万円台前半の予算から探せるはず。両者とも走りのキャラが違うから、好みや用途を購入前に明確にしておくとよい。
スバル レヴォーグ中古車相場のまとめ
中古車のデータからも分かるとおり、レヴォーグの相場はその高い人気ぶりを反映したものとなっている。相場が大きく下がるのはモデル末期、もしくは次期型登場以降になりそうだ。スバルはインプレッサ、XV、フォレスターと続々新世代プラットフォームを採用した新型車を送り出しているが、レヴォーグは旧世代シャシーのままだから、新型の登場が待ちどおしいと思う人は多いはず。そんななか、2018年3月のジュネーブショーでは「VIZIV TOURER CONCEPT(ヴィジヴ・ツアラー・コンセプト)」が発表された。おそらく次期レヴォーグは、そのデザインコンセプトを色濃く受け継ぐものになるだろう。しかし、現行型はもうしばらく続きそうだから、買い控えをする必要はない。まだまだリセールバリューが高いこともあり、いま買って新型登場のタイミングで乗り換えるというプランも悪くない。