車種別・最新情報
更新日:2018.11.25 / 掲載日:2018.06.04

今、イチ推しの個性派10車

特定の嗜好や用途でのみ際立つ性能/魅力を発揮するクルマや、ライバルが存在しない独自のポジションを確立しているクルマを選出。

TOYOTA C-HR

●価格帯:229万~292万9200円

悪路は想定外、言わば現代のスペシャリティクーペ

 SUVの本質は、本来ならアウトドアスポーツ&レジャーでの使いやすさにあると思うのだが、C‐HRからはそれがまったく見えてこない。それほどスペシャリティに特化したモデルだ。
 同系ではニッサンのジュークが先駆となったが、同車の場合後席居住性も荷室も2プラス2のクーペに毛が生えた程度。その点、CH‐Rは大人4名乗車に不足ない居住スペースを備える。ただし、後席は視角的圧迫感が強く、ドア開口が狭いため乗降性も悪い。後席の乗員をもてなすような設計ではなく、2名乗車を基本と考えておく方が無難。荷室の床面積はまずまずだが、床面地上高が高く、深さに余裕がない。積み降ろしの作業性もイマイチ。
 走行ハードを見れば、売り物のハイブリッド車に4WDがない。同じパワートレーンを採用するプリウスに4WDがあってC‐HRにないのはちょっと不思議だが、プリウスの後輪駆動系は駆動アシストレベルで、どのみちSUVらしい4WD性能を得られない。単純なSUVとして評価すると極めてアンバランスなクルマなのだ。
 だからというわけではないが、C‐HRが持つ唯一無二の存在感を評価したい。例えばSUVをモチーフにデザインした「現代のセリカ」であり、「プリウス・ダートスポーツ」なのである。そう考えれば、5ドアで後席にも人を乗せられて、まあまあ荷物も積めるし、積載の多用途性もあって便利。その伝で言えば「現代版カリーナED」が一番近いのかもしれない。
 重要なのは5ドアだから、SUVだから、と過剰に期待しないこと。プリウスは見慣れすぎてつまらない、C‐HRのほうが個性的でスポーティだからこっちにしよう、くらいのさばけた考えの方がC‐HRの本質が見えてくる。

icon イチ推しグレード:G-T

走りにもスポーティな味わいを求めるなら上級設定のハイブリッドよりターボ車。ダウンサイジング型ながらターボらしいパワーフィールも楽しめて、フットワークも似合い。

●全長×全幅×全高(mm):4360×1795×1565●ホイールベース(mm):2640●車両重量(kg):1470●駆動方式:4WD●パワートレーン:1.2L直4ターボ(116PS/18.9kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):15.4●燃料タンク(L):50(レギュラー)●最小回転半径(m):5.2●タイヤサイズ:225/50R18

まず見た目! 個性で押し切るデザイン

ホイールアーチを強調したマッシブさやラフロードの走破をイメージさせるハイト感など、クロスオーバーSUVのセオリーに則ったデザイン。と同時に、リヤエンドにかけてなだらかにドロップするルーフラインなどがスペシャリティクーペを思わせる。

4名乗車に不足のないスペース

クーペ的なフォルムでありながら、後席も実用に耐える。さすがに開放感たっぷりというわけにはいかないが、大人が普通に着座できるスペースは確保されている。実用上、2名乗車に限定されないため、子供のいるファミリーのレジャーなどにも対応できる。

外観に相応しいスポーティさのターボ

プリウスベースの成り立ちからしてハイブリッドに目が行くが、実は見逃せないのは1.2L直噴ターボ(写真)。ハイスペックを狙うものではなく、いわゆるダウンサイジングターボなのだが高回転の伸びが良く、スペックの数値以上にスポーティだ。

MITSUBISHI デリカD:5

●価格帯:240万8400~405万5400円

SUV的悪路踏破性を備える唯一のミニバン

 現行車が登場する以前からデリカは独自の地位を築いていた。一般的に1BOX型の4WD車は降雪地域の実用車として開発され、4WDシステムも最低地上高設定も悪路走行を前提としていない。ところがデリカの4WD車はシャシーや駆動系、車体艤装なども含めて悪路向けに開発されていた。それは1BOX型SUVと言えるほどだった。
 現行車の登場当時は標準系と悪路向け4WD車という構成だったが、先日の一部改良では全車ともSUV寄りにシフト。FFの標準系も外観上は4WD車と大差なくなった。ちなみに最低地上高は4WD車の210mmに対してFF車は190mm。FF車でもクロスオーバーSUVの標準よりもクリアランスが大きく、イメージだけでなく、2WD車相対での悪路踏破性を高めた設計となっている。
 もうひとつ、1BOX型あるいはSUVとしても同車のアドバンテージとなるのがディーゼルの設定だ。エンジンフィール面で少々洗練感が不足するものの、低中回転域で3.5L級を超える大トルクを発生するディーゼルは、燃費面のメリットだけでなく、高速道路やラフロードでの扱いを容易にする。アウトドアレジャーではロングドライブも多く、ヘビーユーザーほどディーゼルの設定は魅力的。なお、国産ミニバンでは唯一のディーゼル設定だ。
 SUVと比較すれば圧倒的なキャビンスペースと積載の多用途性を備え、アウトドアレジャーの大本命||とはならない。安全&運転支援機能が遅れているからだ。全車速型ACCとか半自動操舵LKAと言った先進型だけでなく、AEBSや急発進抑制機能といったベーシックな装備も採用されない。安全&運転支援装備では相当割り切らないと選べない。

icon イチ推しグレード:Dパワーパッケージ

2.4Lガソリン車との価格差は約36万円。相当走り込まないと経済的なメリットはないが、オン&ラフロードで発揮されるディーゼルの力強さも含めての投資である。

■主要諸元(Dパワーパッケージ・8人)
●全長×全幅×全高(mm):4790×1795×1870●ホイールベース(mm):2850●車両重量(kg):1890●駆動方式:4WD●パワートレーン:2267cc直4ディーゼルターボ(148PS/36.7kg・m)●トランスミッション:6速AT●JC08モード燃費(km/L):13.0●燃料タンク(L):64(軽油)●最小回転半径(m):5.6●タイヤサイズ:225/55R18

イメージだけではない実用的な悪路踏破性能

前後バンパーや車体底面と地面との干渉に関わるアプローチアングル/デパーチャーアングル/ランプブレークオーバーアングルもしっかり確保。4WDロックモード付きの電子制御式4駆システムと相まって、クロスオーバーSUV以上の踏破性すら期待できる。

それでいて居住性&使い勝手はミニバン

悪路踏破性の高さは居住スペースを圧迫するものではなく、室内スペースや居住性は1BOX型ミニバンそのもの。2列目キャプテンシートの7人乗りとベンチシートの8人乗りが選べ、ミニバンならではのシートアレンジでレジャー用品の積載にも対応力を発揮する。

用途とキャラにドンピシャのディーゼル

遠出のレジャーでも活躍するエンジンに求められるのは、高回転の伸びなどではなく、低回転からの力強さ。D:5のDI-D(ダイレクト・インジェクション・ディーゼル)エンジンは1500~2750rpmで最大トルクを発生。14.9の低圧縮比や軽量化も達成している。

MITSUBISHI アウトランダーPHEV

●価格帯:365万9472~478万9260円

急速充電にも対応する、モーター駆動のSUV

 ハイブリッドシステムはニッサンのe‐パワーと同様に、エンジンを発電機として用い、その電力でバッテリー充電と前後輪に備えた電動モーターの駆動を行うシリーズ式を採用する。ただし、ニッサンとは違って純粋なシリーズ式ではなく、高速巡航中はエンジンの駆動力を直接駆動輪に伝える直動機構を備えているのが特徴。これはシリーズ式の欠点となる高速燃費の低下を補うためである。
 こうしたシステムに外部充電機構を加えたのがプラグインハイブリッド=PHEVだが、アウトランダーPHEVが登場した当時としては珍しく急速充電にも対応していた。JC08モードにおける電動航続距離は約60kmだが、急速充電対応により、電気自動車に発電機を搭載したレンジエクステンダー的な運用も可能にしている。
 バッテリーに十分な蓄電量が確保されている時の走行は電気自動車そのもの。一般走行での走り出しのスムーズさやコントロール性に優れるだけでなく、雪路やダート路での扱いも容易である。
 また、ガソリン車よりも300kg以上重くなった車重もあり、乗り心地に重質でゆったりとした味わいが加わり、ハイブリッドならではの静粛性と相まって走りの質感や快適性が向上している。
 ベーシックグレード以外にはACCや車線逸脱警報を標準装着し、後側方車両検知システムなどがOP設定される。車格を考慮するならもう1ランク上の機能が望まれるが、ミツビシ車としては安全&運転支援機能も充実している。
 同車の魅力は電気自動車的運用や走りが中心になるが、そこにSUV性能を上手に融合させているのも見所。先進のハイブリッドシステムを味わいながら、SUVらしいアウトドアレジャーも存分に楽しめるクルマなのだ。

icon イチ推しグレード:Gナビパッケージ

ベーシック仕様はOP選択がほとんどできないので、セーフティパッケージ以上が狙い。車両情報表示も含むスマホ連動仕様もあるが、ナビパッケージがウェルバランスだ。

■主要諸元(G ナビパッケージ)
●全長×全幅×全高(mm):4695×1800×1710●ホイールベース(mm):2670●車両重量(kg):1860●駆動方式:4WD●パワートレーン:1998cc直4(118PS/19.0kg・m)+モーター(前:60kW/137N・m、後:60kW/195N・m)●トランスミッション:固定式・エンジン直動●JC08モード燃費(km/L):19.2 ※ハイブリッド燃料消費率●燃料タンク(L):64(軽油)●最小回転半径(m):5.3●タイヤサイズ:225/55R18

EVならではの走行フィールやトラクションコントロール

ガソリンやディーゼルなどの内燃機とは違う、滑らかで力強いパワーフィールはEV(電気自動車)ならでは。電池搭載による重量増もあって、車体の挙動も穏やか。モーターはトルクの制御を正確に行いやすいため、条件の悪い路面でのトラクション性能も高まる。

プラグインSUVならではのアウトドア適性

国産PHEVにはプリウスPHVもあるが、荷物を積んでアウトドアレジャーに出掛けるなら、事実上アウトランダーが唯一の選択肢になる。積載性だけでなく、前述の悪路走破性に加え、大容量電池を搭載するため電源車的に使うことができるといった利点もある。

TOYOTA ハイラックス

●価格帯:326万7000~374万2200円

わくわくさせてくれる、ガチの「働くクルマ」

 オフローダーマニアには堪らない魅力があるが、素人は手を出さないほうが無難。例えばランクルは不慣れなドライバーでも安心して走れるように悪路走行での運転支援機能が充実している。しかしハイラックスの4WDシステムはパートタイム方式で2WD/4WDの切り換えはダイヤル操作。リヤデフロックがスイッチ操作で済むのは有り難いが、路面状況に応じた判断はドライバーが行う。悪路走行向けの支援システムといえばブレーキを用いたトルク配分くらい。プリミティブなオフローダーを操るのはハードコアなスポーツモデルを操るのと同じくらい楽しいのだが、そう思うのは好事家くらいだ。
 キャビンは4ドア。外から見ると実用的に見える後席だが、スペースに余裕がない。バックレストはほぼ垂直で着座姿勢も窮屈。短時間の移動用である。キャビン内に気の利いた収納スペースは設定されず、荷物は荷室に積むのが基本。つまり、トラックである。
 車軸回りがばたつくような乗り心地に、加速時にはぐわっ、ごわっ、と存在感をアピールするディーゼルエンジン。走りもトラック的なのだ。
 さらに、安全&運転支援はABSや横滑り防止装置といった必要最低限のレベル。
 それでは不快で不安で嫌になるかというとそうでもない。働く自動車的な面白さというか、本気度にワクワクしてしまう。恵まれた生活と対極をなした非日常がそこにあるのだ。
 ちなみにトヨタにしてもSUVとして展開する気はないようで、特徴に「ワークスタイル」を挙げるくらい。有能な”働き手”を求めるユーザーが相手で、趣味で楽しむのは超少数派で十分ということなのか、年間販売予定は2000台である。

icon イチ推しグレード:X

上級グレードにはオートエアコンやオプティトロンメーター、スマートキー等が装備されているが、プレーンな働く自動車を楽しむならベーシック仕様でもいいだろう。

■主要諸元(X)
●全長×全幅×全高(mm):5335×1855×1800●ホイールベース(mm):3085●車両重量(kg):2060●駆動方式:4WD●パワートレーン:2393cc直4ディーゼルターボ(150PS/40.8kg・m)●トランスミッション:6速AT●JC08モード燃費(km/L):11.8●燃料タンク(L):80(軽油)●最小回転半径(m):6.4●タイヤサイズ:265/65R17

本気で作られた道具を操る面白さ

現代の4WD車の多くが電子制御式駆動システムの賢さを競うのに対し、こちらはダイヤル式トランスファー切替スイッチ(写真)を使用。切り替えの判断は自分の脳で行う。

トラックそのもの、使い倒せる積載性

荷台はサビや腐食に強い亜鉛メッキ鋼板を採用。最大積載量こそ500kgと小型バン並みだが、クルマに気を遣うことなくラフにどさっと積めるのが最大の美点だ。

SUZUKI アルトワークス

●価格帯:150万9840~161万7840円

本能を刺激する、ピュアでミニマムなホットハッチ

 スポーツドライビングの楽しさはスペックではないことを見事に証明したモデルだ。軽乗用には最高出力の自主規制があり、スポーツモデルもパワースペックは大差ない。ならば高負荷連続走行向けにと、冷却性の向上など最高出力に影響しない部分を改良。とくにミッションは注目。専用のクロスレシオを採用し、トップギヤ(5速)も加速向けギヤ比を採用。まさにパワーを使い切る設計である。
 足回りは、KYB製の専用開発ダンパーの採用や中立付近の手応えを高めたパワステ設計などを採用。内外装の専用ドレスアップが施され、前席にはレカロシートが奢られている。
 比較的フラットなトルク特性のため、日常用途でも扱いやすいエンジンだが、俊敏な加速を引き出すためにはレブリミットから逆算したシフトワークが必須。ハンドリングはFFのスポーツモデルの癖を残し、コーナリング限界付近の急激なスロットルオフでははっきりとタックイン。スロットルオフのコントロールでタックインの按配を付けたり、狙ったところに収めたり補正を入れたり、ドライビングは中々忙しい。
 そんなに頑張って限界性能を引き出したとしても絶対的には遅い。頑張らなければもっと遅くなるのだが、ごまかしの利かない「生っぽさ」は間違いなく本物の操る楽しさである。
 さすがにそこまではのめり込めないという向きには自動変速機能も備えたAGS仕様も用意されている。ギヤリングが多少異なり、巡航時の回転数も抑え気味。しかもMT車には設定のないレーダーブレーキサポートを装備する。
 上級スポーツから乗り換えると、いかに普段楽をしているか分かる。ドライバーの本能を刺激してくれるクルマである。

icon イチ推しグレード:アルトワークス(5速MT)

自分の能力を正直に知るなら5速MT車がいい。逆にちょっとやんちゃ過ぎるし、AGS仕様を狙うなら、ツーリングとのバランスを取ったRSと比較検討するといいだろう。

■主要諸元(アルトワークス)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1500●ホイールベース(mm):2460●車両重量(kg):670●駆動方式:FF●パワートレーン:658cc直3ターボ(64PS/10.2kg・m)●トランスミッション:5速MT●JC08モード燃費(km/L):23.0●燃料タンク(L):27(レギュラー)●最小回転半径(m):4.6●タイヤサイズ:165/55R15

限られたパワーを使い切る設計

この個性の源は「潔さ」で、ギヤ比の設定がその好例。オーバードライブ領域を使用せず、燃費や居住性に色目を使わず、64PSを余さず加速に使う決断がそこにある。

ドライバー主導の操る楽しさがある

軽である以上、パワーやコーナリング性能には限界がある。先進的な電子制御も介入しない。だからこそ、車に乗せられるのではなく、自分が走らせる実感を得られるのだ。

スポーツセダン&ワゴン

今や国産ラインナップではレアものと言っていいハイパフォーマンスなセダン&ワゴン。この分野では固定ファンの多いスバルが気を吐いている。

日常使いも可能なスポーティなターボ車

 今や、ターボと言えば小排気量化。低負荷域での高過給により低中回転域のトルクを持ち上げ、燃費を稼ぎながら大排気量以上のゆとりを持たせるダウンサイジング型が一般的だ。低回転・小アクセル開度でのトルクを重視するほど高回転の伸びは低下。特別な高性能車を除けば回転の高まりとともに盛り上がるターボの加速は過去のものになりつつある。
 WRXはその車名のとおりハードなスポーツモデルとして開発されたインプレッサWRXから発展、独立した本格スポーツセダンとして開発されている。レヴォーグはそのワゴンバリエーションであり、この2車はスバル4WDスポーツを象徴する存在。そして、どちらもターボ専用車である。
 WRXにはSTIとS4の2タイプがあり、ともに2Lターボを採用するがエンジンはまったくの別物である。STIはひと昔前の最高出力狙いの設計、S4は燃費向上を図った新世代水平対向4気筒をベースに開発されたもの。レヴォーグが採用するエンジンもS4と同様の新世代型である。
 S4とレヴォーグのターボはダウンサイジング型と高性能型の中間でまとまっているのが特徴。ややターボの癖を感じるものの、低中回転域のトルクが太く、巡航時の余力感がある。それでいて高回転でも伸びがよく、レブリミットまで使い切る心地よさがある。中途半端という見方もあるが、タウン&レジャーの実用用途を中心に、たまにはターボらしい加速を楽しむ、くらいのバランスでまとまっている。
 フットワークも同様に割り切り過ぎないバランス感覚であり、日常用途で乗員をいじめない程度の硬さとしている。現実的な使いやすさを損ねずにスポーツ趣味が楽しめるまとまりである。

日常性を捨てずとも手に入るスポーティな走り

ターボらしい加速感や手応えのあるハンドリングが楽しめる。とはいえ昔ながらのドッカンターボではなく、足回りからの衝撃に悩まされるわけでもない。両車ともにアイサイトが標準装着されることでもわかるように、日常を切り捨てた末のスパルタンではなく、日常に足し算する形でスポーツ志向を楽しむ。そうした方向性が両車に共通している。

【セダンタイプ】SUBARU WRX S4

●価格帯:336万9600~373万6800円

icon イチ推しグレード:GT-Sアイサイト

WRX S4の中では最もスポーティな仕様。少々スポーツ趣味がきつい感じもするが、外観の印象も含めて濃い味の“スバルスポーツ”を好むなら程よいグレードだ。

■主要諸元(GT-S アイサイト)
●全長×全幅×全高(mm):4595×1795×1475●ホイールベース(mm):2650●車両重量(kg):1540●駆動方式:4WD●パワートレーン:1998cc水平対向4ターボ(300PS/40.8kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):12.4●燃料タンク(L):60(プレミアム)●最小回転半径(m):5.6●タイヤサイズ:245/40R18

【ワゴンタイプ】SUBARU レヴォーグ

●価格帯:286万2000~405万円

icon イチ推しグレード:1.6GTアイサイトSスタイル

快適性とのバランスを考えた選択。Sスタイルは内外装をGT-S的にドレスアップした仕様なので、スポーティなルックスにこだわりがなければベーシック仕様でもいい。

快適性とのバランスを考えた選択。Sスタイルは内外装をGT-S的にドレスアップした仕様なので、スポーティなルックスにこだわりがなければベーシック仕様でもいい。

オープンスポーツ

開放感や軽快感といったファン・トゥ・ドライブを狙ったモデルたち。FR、ミッドシップ、FFと駆動方式は様々で、いずれもMTが選べる。

締め切った車内から解放される、得がたい快感がある

 オープン2シーターのライトウエイトスポーツを3車まとめたが、駆動方式はFR、MR、FFと3車3様である。スポーツカーはこだわりの世界なので、何をして良しとするかは人それぞれだろうが、癖のなさで言えばS660がベスト。駆動方式では最も癖が出やすいタイプのはずだが、サスチューンとアジャイルハンドリングアシストのコンビでタイトターンから高速コーナーまで変わらぬ扱いやすさがある。コペンは程よいパワーと引き締まった脚でFFらしく安定している。一番、ドライビングに反応するのはロードスターで、FR車の特徴をよく表している。ただし、乗りこなす楽しみと言えば聞こえはいいが、細かな破綻が起きるとも言え、洗練とか理想とは別問題となる。
 本題は走り云々ではなく、多様なタイプが存在する国産車の中で超少数派となるオープンカーの楽しさ。風が吹き込んだり陽射しにあぶられたりと、快不快で言えば「不快」なのだが、青天井の爽快さや季節を感じる楽しさは他では味わい難い。
 リゾート等々の風光明媚な場所でこそ楽しい、と考えるのも早計である。街中を走らせればクルマで散歩しているような感覚で、特に軽乗用の2車はその楽しみが濃い。自転車代わりの街乗り用に1台欲しくなるくらいである。
 もっとも、軽乗用の2車は性能面で長距離走行にはちょっと厳しく、リゾートや観光地ドライブまで含めるなら、ロードスターがいいまとまりである。
 なお、最近のメーカーはいずれも安全&運転支援機能の採用に積極的だが、この3車はシンプル仕様が基本。構造的に厳しいのが最大の理由だ。安心とストレスフリーな運転特性を第一にするユーザーにはお勧めしない。

タイプは違えどオープンエアの爽快感は共通

3台とも、セレブが乗るような見せつけ型のオープンカーではなく、身近なクルマの楽しみとしてのオープンドライビングを提案する方向性だ。軽自動車と登録車、FFとMRとFR、排気量もメカニズムも異なるが、オープンカーか否かという区分の前では、そうした違いなど小さなもの。ただし、上位車の方が汎用性に勝るのはセダンやSUVと同じだ。

【FR】MAZDA ロードスター

●価格帯:264万6000~374万7600円

icon イチ推しグレード:Sスペシャルパッケージ

追い込んだスポーツドライビングでの手応えを求めるならRSを勧める、爽快なオープン走行なら程よくソフトなサスチューンの標準系で、装備中心に選択するのがいい。

■主要諸元(S スペシャルパッケージ)
●全長×全幅×全高(mm):3915×1735×1235●ホイールベース(mm):2310●車両重量(kg):1050●駆動方式:FR●パワートレーン:1496cc直4(131PS/15.3kg・m)●トランスミッション:6AT●JC08モード燃費(km/L):18.6●燃料タンク(L):40(プレミアム)●最小回転半径(m):4.7●タイヤサイズ:195/50R16

【MR】HONDA S660

●価格帯:198万~218万円

icon イチ推しグレード:β

2グレード用意されているが、走行メカは共通であり、主な差異は内装。スポーツカーらしいプレミアム感を求めるならα、そうでなければコスパに優れたβだ。

■主要諸元(β)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1180●ホイールベース(mm):2285●車両重量(kg):850●駆動方式:MR●パワートレーン:658cc直3ターボ(64PS/10.6kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):24.2●燃料タンク(L):25(レギュラー)●最小回転半径(m):4.8●タイヤサイズ:165/55R15

【FF】DAIHATSU コペン

●価格帯:187万3800~212万7600円

icon イチ推しグレード:セロ

気軽な街乗り感のあるスタイルとしてセロを選んだが、3タイプのテイストの異なるデザインのボディが用意されている。好みを活かして選べるのもコペンの特徴である。

■主要諸元(セロ)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1280●ホイールベース(mm):2230●車両重量(kg):870●駆動方式:FF●パワートレーン:658cc直3ターボ(64PS/9.4kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):25.2●燃料タンク(L):30(レギュラー)●最小回転半径(m):4.6●タイヤサイズ:165/50R16

提供元:月刊自家用車

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ