車種別・最新情報[2018.06.01 UP]

特選、今イチ推しのコスパ11車

その能力・実力に対して、価格は抑えめ。いわゆる「コストパフォーマンス」に優れたお値打ちモデルを月刊自家用車編集部がピックアップ。

この記事の目次

NISSAN ノート e-POWER
HONDA ヴェゼル
SUZUKI ソリオ
HONDA フィット
DAIHATSU ミライース
TOYOTA カムリ
VOLKSWAGEN ポロ
SUBARU インプレッサスポーツ
NISSAN セレナ
TOYOTA ハリアー
NISSAN エクストレイル

関連情報

買い替え スペック・特徴 新車

NISSAN ノート e-POWER

●価格帯:190万1880~240万840円

手頃な価格で「他のコンパクトとは違う!」を実感できる

 登場時のキャッチコピーは「電気自動車のまったく新しいカタチ」だが、実態はシリーズ式ハイブリッド車である。同システムはエンジンを発電機として用い、発電電力により駆動や駆動用電池の充電を行うのが特徴。外部充電機構がないので電気自動車ではない。
 とは言え、電気自動車の範疇に入れたい気持ちも理解できる。駆動力は純粋に電動モーターから供給される。大まかには先代リーフの駆動系から開発されたハイブリッド車なのである。そのため、ドライブフィールは極めて先代リーフに近い。内燃機に比べると電動モーターはトルク立ち上げ反応が圧倒的に早く、ノートシリーズのノートeパワーの踏み込み加速反応は群を抜いている。内燃機車から乗り換えれば加速反応のよさに感嘆するのは必至だ。
 ならば他のハイブリッド車もそうすればいい、と思うのだが、そうも行かない。パラレル式でもスプリット式でも電動モーターは駆動力を補完するように使われる。主動力源は内燃機だ。どちらのシステムも急加速等の高負荷域はエンジンパワーで賄う。ひとつの理由は電動モーター容量の余裕がないことが挙げられる。電気自動車は全域を電動モーターでカバーするのだから、それと同様の駆動系を用いるシリーズ式は電動モーターの特徴をフルに引き出せる。結果、数あるハイブリッド車ではノートeパワーが最も電気自動車の走りを味わえるわけだ。
 強いエンブレ回生までアクセル操作で制御できる1ペダルドライブも売り物にするが、これは油圧回生協調ブレーキ非採用の苦肉の策とも言え、操作性も馴れが必要。ただ、そういった面も含めて、他のクルマと違っていると実感できるのが同車の大きな個性である。

イチ推しグレード:e-POWER メダリスト

プロパイロットは採用されていないがACCは選択できるので、できればOP設定されているX以上が狙い。内外装のプレミアム感を高めたいならメダリストが魅力的だ。

●全長×全幅×全高(mm):4100×1695×1520●ホイールベース(mm):2600●車両重量(kg):1220●駆動方式:FF●パワートレーン:1198cc直3DOHC(79PS/10.5kg・m)+モーター(80kW/254N・m)●トランスミッション:一段固定式●JC08モード燃費(km/L):34.0●燃料タンク(L):41〔レギュラー〕●最小回転半径(m):5.2●タイヤサイズ:185/65R15

力強い加速、1ペダル運転などが楽しめる走り

モーターならではの力強い踏み込み加速は、他のコンパクトカーではなかなか味わえないもの。アクセルオフ時の強い減速を利用した「1ペダルドライブ」も、慣れればきっと楽しめるはず。独特な「走り」の感覚はノート eパワーの特徴のひとつである。

独自の走りや燃費の良さを生むパワーユニット

上記の通り、モーターならではの力強さなどはシリーズ式ハイブリッドシステムから生まれる。JC08モード燃費値は34.0~37.2km/Lであり、他のグレード(18.2~26.2km/L)を大きく上回っている。リーフ譲りの技術が搭載されている点も魅力なのだ。

インテリジェントクルーズコントロールを用意

ニッサン自慢のプロパイロットが未搭載なのは残念だが、インテリジェントクルーズコントロール(先行車に追従する、いわゆるアダプティブクルーズコントロール)がeパワーには用意されている。Sには設定なし、Xにはメーカーオプションで他は標準装備。

HONDA ヴェゼル

●価格帯:207万5000~292万6000円

プレミアム感がありつつタウン&レジャーでも優等生

 登場当時は若々しくスポーティなキャラが濃かったが、MCでは大人っぽい雰囲気にシフト。スペシャリティとプレミアムのバランスをプレミアム寄りにした。ただし、ハードウェアの基本構成に変更はなく、搭載エンジンは高性能型の1・5Lとそれをベースにしたパラレル式ハイブリッド。ガソリン車にはCVT、ハイブリッド車にはDCTを採用しているが、車重に比べるとトルクに余裕がない。ACCや半自動操舵LKAを採用しているだけに、ちょっともったいない。
 しかし、コンパクトSUVでレジャーを考えるならヴェゼルは優等生である。その要点はキャビンの使い勝手である。フリード等の高スペース効率設計をSUVに対応させた車体はコンパクトサイズに広いキャビンを与えた。外観の印象では後席は狭く圧迫感がありそうだが、レッグスペースもヘッドルームも大人4名の長時間乗車に対応できる。
 さらに積載の多様性も見所だ。ラゲッジルームの奥行きはクラス標準レベルだが、SUVとしては床面が低く、高さ方向で容量を稼ぐとともに積み降ろしの作業性に優れる。後席使用時でも4名乗車の小旅行にも対応。日常の買い物でも使い勝手がいい。
 後席格納は座面チップアップとワンタッチダイブダウンの二通り。チップアップでは丈のある荷物も悠々。窮屈ながら着替えも可能なスペースだ。ダイブダウンすれば長尺物も大きな箱物も積める。限られたスペースを便利に使えるように工夫しているのだ。
 タウン&レジャーを高水準で両立したのが同車の特徴だが、タウンユース頻度が高いほど他車よりも優位。スペシャリティ型に見えて意外と生活志向なクロスオーバーなのである。

イチ推しグレード:X ホンダセンシング

長距離レジャーも考えればハイブリッド車がいいが、この価格帯で30万円を大きく超える価格差は燃費での回収が実質不可能。コスパを重視するユーザーにはガソリン車だ。

■主要諸元(X ホンダセンシング)
●全長×全幅×全高(mm):4330×1770×1605●ホイールベース(mm):2610 ●車両重量(kg):1270●駆動方式:4WD●パワートレーン:1496cc直4DOHC(131PS/15.8kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):19.6●燃料タンク(L):40〔レギュラー〕●最小回転半径(m):5.3●タイヤサイズ:215/60R16

スペシャリティな雰囲気が味わえるデザイン

クラス内では広く使い勝手のいいフィットをベースとしつつも、よりプレミアムでスペシャリティな雰囲気を味わえる、現在流行りのクロスオーバーSUVのお手本のようなパッケージング。最近のマイナーチェンジで、よりプレミアム寄りのデザインに進化。

キャビンの広さ、使い勝手はかなりの優等生

大人の長距離・4人乗車でも快適に過ごせる、余裕のあるキャビンスペース。フィット同様に後席座面チップアップができ、背のあるものの積載などにも対応。室内の広さを犠牲にしているスペシャリティなクロスオーバーもある中、対応力の高さはかなり魅力だ。

レジャーにも力を発揮する積載力

外観から想像するよりも、スクエアで広く取られたラゲッジルームの間口。床面も比較的低いので、高さはあるものの積載や積み降ろしの作業性に優れている。ワンタッチダイブダウンの後席で倒しても段差が生まれない点も、評価したいポイントである。

SUZUKI ソリオ

●価格帯:145万4760~206万2800円

圧倒的な室内空間を誇る優れたパッケージング

 軽乗用車市場の主力カテゴリーとなるスーパーハイト系のコンセプトをスモールクラスに展開したモデルである。全長は登録車最小クラスの3.7m。最小回転半径は4.8mでしかない。対して全高は1.7m超であり、全長との比較では1BOX型ミニバンよりも高い全高比となっている。
 キャビンスペースで特徴的なのは室内高である。2.0L級1BOX型の基準器とも言えるノアの1400mmに迫る1360mm。この高さを活かしたキャビン容量がソリオの大きな武器なのだ。
 超ショートボンネットのプロポーションにより室内有効長を確保すると共に高い床面座面高を採用し、前後方向のゆとりを稼ぐ。バックレストを立たせ足を引いた、ベンチに座るような着座姿勢になり、寛いだ雰囲気は今ひとつだが、上半身の拘束感が少ないため、視線移動などの動きが楽。車外風景を楽しみやすい着座姿勢とシート形状。また、レッグスペースやヘッドルームは長身の男性にも十分。1BOX型の前席/セカンドシートに匹敵する余裕がある。
 さらに後席には左右独立式のスライド&リクライニング機構が備わり、後席使用時の荷室容量でも同車格の2BOX車を大幅に上回っている。後席格納は左右独立ワンタッチダイブダウン式。格納時には大きなレジャー用品の積載も可能であり、着替えや軽作業用のフリースペースとしても活用が可能。
 多様な使い勝手のよさは2名乗車のレジャーワゴンとしても魅力的だが、厳しいのは走行性能。柔らかく和みのフットワークのわりに高速走行でも不安感はないが、NA1.2Lでは長距離用途で余裕がない。短中距離用途でこそ見所たっぷりのクルマである。

イチ推しグレード:ハイブリッド SX

ベーシック仕様以外は簡易型ハイブリッドを採用するが、選択モデルは電動アシストを強化して余力感を向上。中高速走行での余裕が多少増加するのも見所である。

■主要諸元(ハイブリッド SX)
●全長×全幅×全高(mm):3710×1625×1745●ホイールベース(mm):2480●車両重量(kg):990●駆動方式:FF●パワートレーン:1242cc直4DOHC(91PS/12.0kg・m)+モーター(10kW/30N・m)●トランスミッション:5AMT●JC08モード燃費(km/L):32.0●燃料タンク(L):32〔レギュラー〕●最小回転半径(m):4.8●タイヤサイズ:165/65R15

コンパクトサイズで運転は楽々

標準系であるソリオもカスタム系のソリオバンディットも、最小回転半径は4.8m。1BOXミニバンのようなフォルム、広い室内空間などを確保しつつも、街中での取り回しに優れている。運転に自信のない方などを含め、誰にでも勧められるモデルなのだ。

乗降性、居住空間の広さ、見晴らしも◎

スライドドア採用で乗降性に優れ、長身男性でも余裕のキャビンスペース。周りの風景を十分に楽しめる全席の見晴らしのよさ。まさにコンパクトカークラスの「スーパーハイト系」。室内高も、前後方向のゆとりも、慣れてしまうと普通のコンパクトには戻れない!?

室内同様、クラスを超える荷室の広さ

コンパクトカークラスのライバルたちと比べると、圧倒的な広さのラゲッジスペース。後席は左右独立シートスライド&リクライニング機構を備えているので、積んだ荷物の大きさ・形に合わせてささっと調整することも可能。ダイブダウン式で倒せばさらに荷室を広げられる。

HONDA フィット

●価格帯:142万8840~236万7360円

実用性もしっかり担保された「ザ・コンパクトカー」

 実用系1.3L車の基準器的モデルであり、実践的な設計とバリエーションの多彩さが特徴だ。
 1.3L級2BOX車は経済性と実用性を高水準でバランスさせるのが特徴だが、意外なことに実用性向上に積極的なモデルは少ない。流行りの問題もあるだろうが、今の主流は「スポーティ」も含むプレミアム性。実用性向上の工夫はプレミアム感を低下させやすく、コスト高にもなりやすい。分かりやすいセールスバリューを求めれば当然だろう。
 フィットのプロポーションは同クラスではロングキャビン型。キャビンスペースの拡大を図っているのが外観からも分かる。それでも4m弱の全長では客室も荷室も悠々というわけには行かない。基本シート設定は客室優先で、荷室容量は同クラスの標準レベルである。
 荷室容量の余裕のなさをカバーするのが後席機能である。後席格納は座面チップアップと前倒ダイブダウンの二通り。座面チップアップでは後席を嵩のあるサブトランクとして使え、ダイブダウンでは奥行きたっぷりのスペース。センタータンクレイアウトでもたらされた低い荷室床面も積載性の長所のひとつである。
 パワートレーンには標準仕様の1.3L、プレミアム&スポーティの1.5L、1.5Lのパラレル式で動力性能と燃費を高次元で両立させたハイブリッドの3タイプを用意。1.3Lでは高速の余力が不安だが、1.5Lとハイブリッドは動力性能でもクラストップレベルであり、多用途性に優れたキャビンと相まって適応用途の拡大に大きく貢献。一般的タウンユースでも優等生だが、同クラスで用途の拡張を狙っているユーザーには基本となる一車である。

イチ推しグレード:ハイブリッド L ホンダセンシング

コスパ優先で210万円を超えるのはちょっと気が引けるが、タウンカー以上の用途適合を求めるなら、燃費も動力性能も向上するハイブリッド。沢山使って元を取る選択だ。

■主要諸元(ハイブリッド L ホンダセンシング)
●全長×全幅×全高(mm):3990×1695×1525●ホイールベース(mm):2530 ●車両重量(kg):1150●駆動方式:FF●パワートレーン:1496cc直4DOHC(110PS/13.7kg・m)+モーター(22kW/160N・m) ●トランスミッション:7DCT●JC08モード燃費(km/L):34.0●燃料タンク(L):40〔レギュラー〕●最小回転半径(m):4.9●タイヤサイズ:185/60R15

ロングキャビンのプロポーションでキャビンを拡大

「広大!」とまでは言えないが、いわゆるコンパクトカーの中では室内空間を広くとるよう設計されており、スポーティなデザインながら座席周りの空間には余裕がある。質感アップに注力された現行型でも、アクアデミオスイフトなどより広く感じるはずだ。

タウンユース以外でも活躍する余裕の動力性能

5速/6速MT車をラインナップするなど、パワートレーンの選択肢が多いこともフィットの特徴だ。タウンユース主体ならば1.3Lでも十分、1.5Lや1.5L+モーターのハイブリッドならば高速長距離でも余裕のある動力性能で、ケースを選ばず活躍してくれる。

後席機能が豊富で積載性向上

もちろんラゲッジスペースが狭いわけではないのだが、座面チップアップ機構を後席に備え、高さのあるものなどへの対応力を向上。ダイブダウンで倒せば広々とした空間が出現。センタータンクレイアウトで床面が低いことも、積載性のよさに寄与している。

DAIHATSU ミライース

●価格帯:84万2400~133万9200円

安全装備も十分に備えるタウンカーのスペシャリスト

 費用対効果を量るのはけっこう面倒な作業である。必要とされる機能や趣味嗜好に関わる要素の個人差が大きいためである。もし、価格と必要最低限の機能と性能を基準にするなら、4名が過不足なく乗れて、100km/h巡航できる最安価なクルマを選べばいい。という視点のコスパ優等生が軽乗用車の標準型2BOX車だ。
 ミライースはその代表的なモデルである。ただし、ギリで必要最低限に割り切っているわけではない。状況や用途の多少の変動や時代の変化による「必要最低」の動きに対応できるゆとりを持たせた実践的ミニマム志向である。
 例えば安全装備である。ステレオカメラ式で車両と歩行者に対応したAEBSを採用。全車速型ではないが、対車両では80km/hまでカバーしている。車線逸脱警報や自動ハイビームも設定されている。今後普及が見込まれるACCや半自動操舵LKAはないが、軽乗用車ではトップレベルであり、またタウンユースのスペシャリストというコンセプトからも十分な安全装備と言える。
 パワートレーンはクールドEGRやアトキンソンサイクル等の省燃費設計を採用。さらにボディ一部に樹脂外板を用いるなどの積極的な軽量化対策など、高価なシステムを用いずに経済性を高めているのも見所だ。
 いかに軽量とはいえ、NA仕様だけの設定では高速走行が厳しいが、それも含めてタウンカーのスペシャリストなのだ。
 シートの造作や後席機能はシンプルであり、軽乗用では多用途性に劣るが、レッグスペースやヘッドルームは1.3L級にも匹敵。タウンユースに限定すれば余裕。これらすべては生活のアシとしてのコスパの高さであり、「過不足なし」の字面どおりである。

イチ推しグレード:X SA I I I

使い勝手や見栄えを考えると最上級仕様が魅力的だが、価格の安さが評価理由でもあり、安全性と日常用途向けの装備が充実と価格のバランスで中間設定グレードが無難。

■主要諸元(X SA I I I)
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1500●ホイールベース(mm):2455●車両重量(kg):670●駆動方式:FF●パワートレーン:658cc直3DOHC(49PS/5.8kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):34.2●燃料タンク(L):28〔レギュラー〕●最小回転半径(m):4.4●タイヤサイズ:155/65R14

ハイブリッドなどの高価な機構を用いず省燃費

クールドi‐EGR、デュアルインジェクター、CVTサーモコントローラーなどを搭載。車体面でも樹脂パーツを積極的に用いるなどして軽量化、燃費性能を向上。車両価格を押し上げるハイブリッドなどを搭載せず、省燃費な本車もまた「日本らしい」クルマかも。

スマアシ I I Iの採用で安全性も◎

スマートアシストは第三世代のもの。ソナーに加え、世界最小のステレオカメラを用いることで歩行者の認識・自動ブレーキも可能に。基本は標準装備とし、BとLにレス仕様がある、というようなグレード構成は、一部のコンパクトカーも見習ってほしいところ。

大人でも余裕のある後席空間

ただ軽量化し、空力性能を追求したのではなく、前席/後席ともしっかりと居住空間を確保しているところも、評価したい。価格よし、燃費よし、安全装備よし、広さよし、とまさにタウンカーのスペシャリストと言えるモデルがミライースなのである。

TOYOTA カムリ

●価格帯:329万4000~419万5800円

価格と内容で十分納得。大型セダン選びの最有力

 国産高級セダンの主力価格帯は400万円以上である。ところがカムリはハイブリッドを採用しているにもかかわらず約330万円からの設定だ。しかも、セーフティセンスPを標準装着しての話である。ちなみにプリウスでセーフティセンスPを標準装着するAは約280万円となる。
 高級セダンの高級たる由縁はボディサイズやパワートレーンだけでなく、走りや内外装の質感の高さにあり、カムリが相応かと言えば多少の不満もある。車体サイズは北米市場の実用的セダンに対応したものであり、加飾や造作も含めて頂点クラスを狙ったモデルではない。もちろん、売れセンのプレミアム志向に応じたデザインや加飾を採用しているが、本格的プレミアムを求めるユーザーにはちょっと勧めにくい。だからこそコスパ優先の選択なのだ。
 搭載されるハイブリッドシステムは、定評のあるTHS I Iに新たに開発された「ダイナミックフォースエンジン2.5」を組み合わせる。JC08モード燃費は28.4~33.4km/Lで、言うまでもなく同サイズのセダンでは圧倒的な省燃費性能だ。負荷変動やバッテリーの蓄電量の影響を受けやすいエンジン制御のため余力感は今ひとつだが、低中速域の静粛性やドライバビリティは車格相応。先進感溢れる純電動走行も楽しめる。
 キャビンスペースはカムリの長所のひとつ。レッグスペースだけでなく後席のヘッドルームにも配慮がされている。現行車でクーペ的なルックスとなったが、実用セダンの要点を押さえた設計は好感が持てる。
 価格を考えれば内外装の質感も良好。上質や高級を追い求めると中途半端だが、価格と内容を考えれば大型セダンの最優良選択と言ってもいいだろう。

イチ推しグレード:G

ベーシックのXはOPの制約が厳しく、BSM等の安全装備やナビがOP選択できるGが実質的なエントリーモデルと言える。フルOP志向ならば革張りの最上級仕様も悪くない。

■主要諸元(G)
●全長×全幅×全高(mm):4885×1840×1445●ホイールベース(mm):2825●車両重量(kg):1570●駆動方式:FF●パワートレーン:2487cc直4(178PS/22.5kg・m)+モーター(120PS/20.6kg・m)●トランスミッション:電気的CVT●JC08モード燃費(km/L):28.4●燃料タンク(L):50(レギュラー)●最小回転半径(m):5.7●タイヤサイズ:215/55R17

派手さはないが十分上質な“食パン的魅力”

プレミアムというほどではないが、質の良さが十分に感じられるゆったりしたキャビン。木目調パネルやシルバー加飾、各部のソフトパッドなどで上級感を演出している。

最新パワーユニットでクラスダントツの低燃費を実現

新型エンジン「ダイナミックフォース2.5」は最大熱効率41%と高出力を両立しているのがポイント。THS I Iと組み合わせることでJC08モード燃費33.4km/Lを達成している。

VOLKSWAGEN ポロ

●価格帯:209万8000~265万円

走行性能、居住性、価格とすべてが揃った優等生

 Cセグメントの基準器と言えばゴルフだが、スモールクラスに当たるBセグメントの基準器となるのがポロである。こう振ってしまうと、当然オチは「ウェルバランスの極致」となる。そのとおりのクルマなのだが、小さな車体寸法のクルマになるほどウェルバランスは難しい。スモールクラスが苦手とするのはキャビンスペースと高速長距離適性。キャビン容量の拡大を図るため全高を高めれば高速操安のハンデになる、というのが最も分かりやすい背反要素だろう。高速性能を高めて、快適性や経済性が犠牲になるのも本末転倒である。
 同クラスにおけるポロの一番のアドバンテージは高速長距離適性の高さだ。搭載エンジンは3気筒1Lだが、ダウンサイジングターボで1.8L級のトルクを発生。トランスミッションはVW得意のDCTを採用。ダウンシフト頻度は少なく回転を抑えた変速制御もあって、高速巡航時も悠々としたパワー感だ。フットワークは街乗りでも快適な深いストロークを使う方向性だが、山岳路や高速道路でも不安定な挙動が少なく、穏やかにして的確なハンドリングにより、慣れないドライバーでも安心して走れる。クラスを限定しなくても高速ツアラーの優等生だ。
 キャビンスペースは必要十分レベル。大人の4名乗車にも不足ない居住性と小旅行に適した荷室を備える。4名乗車を基準にすると余裕がないが、ポストファミリーの日常とレジャーには程よい。
 気になるのは価格。グレードにより安全&運転支援装備の設定が異なり、全車速型ACCを選択できるのはコンフォートラインからで、価格は約230万円から。コンパクトクラスの上級仕様と大差ない予算建てで手が届くのも大きな魅力である。

イチ推しグレード:ハイライン

コンフォートラインとの仕様差の多くは安全&運転支援装備と機能装備の標準化。価格差は約35万円だが、OP装備を含めると価格差があまりなくなってしまう。

■主要諸元(ハイライン)
●全長×全幅×全高(mm):4060×1750×1450●ホイールベース(mm):2550●車両重量(kg):1160●駆動方式:FF●パワートレーン:999cc直3ターボ(95PS/17.9kg・m)●トランスミッション:7速DSG●JC08モード燃費(km/L):19.1●燃料タンク(L):40(プレミアム)●最小回転半径(m):5.1●タイヤサイズ:195/55R16

シンプルながら快適な居住性で長距離も◎

VWらしい合理的なデザインは優れた操作性が魅力だ。ダッシュボード下のエアコン吹き出し口が視界の拡大に貢献。ロングドライブ時に疲れにくい硬めのシートはホールド性も優秀。

1L直噴ターボ+7速DSGで切れのいい走り

3気筒の1Lターボだが回転フィールはとても滑らか。低回転から太いトルクを発揮するためパワーフィールはクラス上の感。小気味いい変速のDSGも一役買っている。

SUBARU インプレッサスポーツ

●価格帯:194万4000~261万3600円

充実の先進安全装備と高速長距離適性の高さ

 1.6~2Lクラスの上級コンパクトに属するモデルであり、スポーティな雰囲気のあるショートワゴン型のボディを採用。基本コンセプトやジャンルを書き出すと突出した特徴がないようにも思えるが、スバル車であることが多くの特徴を生み出している。
 ひとつは水平対向エンジンと4WDである。スバルファン以外には「なに?」と思われそうだが、これがスバル車の基本なのだ。4WD中心の考え方というか、FFは経済性優先の普及仕様的設定。同社の4WD相対で考えればFFはお買い得というわけだ。
 もちろん、高回転まで軽快なエンジンフィールやスバル車らしいハンドリングの味わいもある。しかも、インプレッサは扱いやすさや快適性とのバランスも特徴で、それも見所である。
 もうひとつの見所にアイサイトがある。200万円を切った1.6LのFF車にもアイサイト・バージョン3を標準装備。同装備は全車速型AEBS、全車速型ACC、半自動操舵型LKAなどの機能を備える。さらにOPではアイサイトセイフティプラスとして後側方警戒支援システムやサイドビューモニターも用意されている。車格と価格ベースで先進的安全&運転支援装備の充実を量れば間違いなく世界最高水準である。
 ただし改善されたとは言え、実用燃費は分が悪い。またユーティリティ面で特筆するような点もない。それだけ適応ユーザータイプは狭まるが、高速長距離をストレスなく過ごせるクルマを探しているユーザーには見所が多い。燃費についても、同様の特性と機能を持つクルマとの価格差を考慮すると経済面のハンデにはなりにくい。安心と心地よさを求めるツーリング派の最有力候補と言える。

イチ推しグレード:2.0i-Lアイサイト

機能と価格では1.6L車が買い得だが、動力性能に余裕がない。また、内外装の仕様もグレードアップされている。予算がギリギリでなければ2L車がバランスの取れた選択だ。

■主要諸元(2.0i-Lアイサイト)
●全長×全幅×全高(mm):4460×1775×1480●ホイールベース(mm):2670●車両重量(kg):1320●駆動方式:FF●パワートレーン:1995cc水平対向4(154PS/20.0kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):17.0●燃料タンク(L):50(レギュラー)●最小回転半径(m):5.3●タイヤサイズ:205/50R17

スバルのアイデンティティが生む「安心感」

水平対向エンジンとシンメトリカルAWDが生み出す、スタビリティの高い走りはあらゆる路面でドライバーに気持ちの余裕を与えてくれる。FF車も同じ考え方を軸に開発されている。

コスパを考えれば世界最高水準! 充実の先進安全装備

全車に標準装備のアイサイト・バージョン3。プリクラッシュブレーキ、後退時自動ブレーキ、AT誤発進&誤後退抑制、全車速型ACC、アクティブレーンキープなどを統合制御する。

NISSAN セレナ

●価格帯:231万6600~340万4160円

比較的安価に最新安全装備の充実を図れる

 e‐パワーを追加して調子がいいセレナだが、同車を推す理由はそれではない。ヴォクシー/ノアやステップワゴンにもストロングハイブリッド車は存在するし、電気自動車に一番近いドライブフィールということを除けばさして大きなアドバンテージもない。  同車を選択した理由はプロパイロット、つまり安全&運転支援装備の充実である。ヴォクシー/ノアはACCもLKAもないトヨタセーフティセンスC。ステップワゴンは全グレードにACCと半自動操舵型LKAを採用しているが、ACCが停車までサポートする全車速(渋滞追従)型になるのはハイブリッド車のみ。しかも、ハイブリッド車はドレスアップ仕様のスパーダに限定されてしまう。  セレナは全車速型ACCとLKAを備えるプロパイロットを標準系にも展開。X・Vセレクション以上で、しかもOP設定というのが残念だが、安全&運転支援装備を優先して充実させたいユーザーにとっては価格面のハードルが低い設定だ。  ただし、プロパイロットは単独選択ができず、カーテン&サイドエアバッグ、インテリジェントパーキングアシスト、AVMなどの装備とセットになる。いずれも安全&運転支援機能を向上させるものであり、セット装着するのが好ましいのだが、X・Vセレクションを例にすれば24万円強のOP価格となり、諸費用等まで含めたトータル価格は約313万円。この価格でコスパに優れていると言ってもピンとこないかもしれないが、ステップワゴンで全車速ACC装着車を選択すると、シンプル装備のスパーダ・ハイブリッドBホンダセンシングとなり、こちらの価格は車両本体だけで約330万円。やはり安全&運転支援のコスパではセレナだ。

イチ推しグレード:X・Vセレクション

安全&運転支援狙い撃ちの選択なので、性能や装備、内外装のドレスアップで価格が上昇しては意味がなくなる。ただ、実用装備も充実したモデルのため実践力は高い。

■主要諸元(X・Vセレクション)
●全長×全幅×全高(mm):4690×1695×1865●ホイールベース(mm):2860●車両重量(kg):1680●駆動方式:FF●パワートレーン:1997cc直4(150PS/20.4kg・m)+モーター(1.9kW/48N・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):16.6●燃料タンク(L):55(レギュラー)●最小回転半径(m):5.5●タイヤサイズ:195/65R15

ルーミーなキャビンはファミリーユースにぴったり

Mサイズミニバンを選ぶ際、やはり気になるのがキャビンの居住性。セレナは見晴らしがよく収納類なども豊富でシートアレンジも多彩。ユーザーフレンドリィな点も見逃せない。

プロパイロットの操作はとてもカンタン!

ステアリング右側のプロパイロットボタンを押したら、あとは左横のセットボタンを押すだけ。高速道路単一車線内で使うことができ、長時間巡航や渋滞時の疲労を低減してくれる。

TOYOTA ハリアー

●価格帯:294万9480~495万3960円

上級SUVとしては驚きのコスパの良さ!

 上級ワゴンのキャビンと悪路対応のシャシーを採用したクロスオーバー系プレミアムSUVとして誕生し、この基本コンセプトは現行車にも受け継がれている。大人がゆったりと過ごすことができる各所の上質な設えはまさにハリアーならではの魅力だ。現行車は新たに加わったもうひとつのキャラも見逃せない。悪路対応面から長いフロントオーバーハングを嫌うSUVにしてロングノーズデザインを採用。このスタイルによりスペシャリティ感覚を強化している。この内外装の雰囲気こそハリアーの真骨頂である。
 周知の通り、基本設計面ではレクサスNXと姉妹車の関係になるが、スペック揃えで両車を比較すると50万円以上の差がある。内外装だけでなく車体骨格にまで改良を加えて質感の向上を図ったNXと乗り比べれば格下の感は否めないのだが、プレミアムの雰囲気や動力性能は近似。得てしてプレミアムは費用対効果の低いものだが、それにしても金額差が大きい。
 さらにハリアーのコスパの良さはラインナップの影響も大きい。パワートレーンのベーシック仕様はFFのNA2L/CVT。1.6t級の車体に2Lでは車格に見合う動力性能は得られない。しかし、内外装も高級装備の付いた最上級グレード、プログレスでも378万円からでOK。装備の贅は得られないがベーシックのエレガンスならトヨタセーフティセンスPを装着して約295万円である。上級SUVとしては異例と言っていいほど下側に広い価格帯なのだ。
 内外装と装備を楽しむのが一番の目的。予算の余裕でパワートレーンをアップグレード。という選択を考るなら、単なるコスパの優劣だけでなく、予算に合わせて無駄のない車種を選べるのも長所である。

イチ推しグレード:プログレス

性能面で贅沢をした選択になるが、ターボ車なら車格相応の動力性能で、山岳路も高速も余裕。また、プログレスはOPでは高価なナビが標準装着されている。

■主要諸元(プログレス)
●全長×全幅×全高(mm):4725×1835×1690●ホイールベース(mm):2660●車両重量(kg):1730●駆動方式:4WD●パワートレーン:1998cc直4ターボ(231PS/35.7kg・m)●トランスミッション:6AT●JC08モード燃費(km/L):12.8●燃料タンク(L):60(プレミアム)●最小回転半径(m):5.6●タイヤサイズ:235/55R18

高級感たっぷりのインテリアの作り込み

インパネからドアトリムまで、室内を取り囲むように配されたソフトパッド内装。ステッチの仕上げも美しい。シートもエレガンス以外はOPでプレミアムナッパ本革を選択可能。

好みや予算で選べる3種のパワーユニット

車格からすると2LNAは151PS/19.7kg・mと少しアンダーパワー気味。しかし、予算を抑えたいなら一考の余地ありだ。逆に予算があるならターボやハイブリッドを検討したい。

NISSAN エクストレイル

●価格帯:219万7800~327万7800円

レジャーに好適! プロパイロットで長距離適性も向上

 プレミアム&スペシャリティ志向が強まるSUV市場で存在感が薄くなってきたが、エクストレイルはファミリー&レジャー向けのまとまりのよさが特徴。全幅は1.8mを超えるが、4.7m弱の全長と比較的広い周辺視野により都市部での取り回しも良好。SUVの中では乗降性などの日常用途にも使いやすい。標準的な車体サイズだが、ガソリン車には3列シートも設定するロングキャビン設計。サードシートの実用性はチャイルドシート並みだが、それだけのキャビン長は居住性でも積載性でも大きなアドバンテージである。なお、ガソリン車の2列シート仕様には後席スライド機構を装備している。
 パワートレーンはNA2Lとハイブリッドの2タイプ。ハイブリッドは1モーター2クラッチのパラレル方式を採用。車重や用途を考えるとあまりゆとりのある設定ではないが、性能面のプレミアムを求めるわけではなく、実用的なレジャーワゴンとして用いるなら標準的なパワートレーンである。
 そしてプロパイロットだ。全車速型ACCと半自動操舵LKAが装備されていれば、高速巡航での多少のパワー不足もさして気にならないもの。エクストレイルのツーリング適性を大きく向上せせる。
 しかし、プロパイロットなどの先進安全&運転支援装備は上級グレードに限定。ハイブリッド車も含む2列シート車は最上級グレードに標準装着されるだけ。OP設定も20Xの3列シート車のみ。安全装備の設定により選択範囲が大きく絞り込まれてしまうのは難点。ベーシックグレードからファミリー&レジャー適性は高いが、今後一般化する安全&運転支援装備も含めたコスパ比較ではガソリンの20Xiがベストチョイスだろう。

イチ推しグレード:20Xi

プロパイロット装着で最も安価な仕様。安全装備の大半を標準装着したガソリン車の最上級グレードであり、他グレードとの価格差を見ても投資効果の高い装備内容である。

■主要諸元(20Xi)
●全長×全幅×全高(mm):4690×1820×1740●ホイールベース(mm):2705●車両重量(kg):1540●駆動方式:4WD●パワートレーン:1997cc直4(147PS/21.1kg・m)●トランスミッション:CVT●JC08モード燃費(km/L):15.6●燃料タンク(L):60(レギュラー)●最小回転半径(m):5.6●タイヤサイズ:225/60R18

道具としてガンガン使える! 防水加工が◎

キャンプなどのレジャーやマリンスポーツなどに好適な防水加工のシートやフロアを採用しているのが特徴。ガソリン車ならラゲッジも防水仕様のためハードに使えるのが嬉しい。

ガソリン車なら3列シートの7人乗りも選択できる

FF、4WDともにガソリン車の20Xには3列シートの設定がある。大人が長時間座るのはキツいが、子供の送り迎えなどで多人数が乗る機会があるなら十分有用だ。

提供元:月刊自家用車

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