新車試乗レポート[2018.04.26 UP]

【XC40試乗】落ち着きのある走りを ベースに軽快感をプラス

 フロントマスクは先に登場したXC90や60とかなり印象が異なる。コンパクトな新開発プラットフォームを用い、ハードウェア面でも90/60と別シリーズであることを主張するデザインでもある。
 試乗車は高出力型の2Lダウンサイジングターボを搭載するT5AWD・R‐デザインをベースとした特別仕様。245/45R20を履くことからも分かるようにスポーティ仕様である。もっとも、他ボルボ車も含めて従来のR‐デザインがそうであるように、マニアックなデコレーションやこれ見よがしの味付けはなされていない。
 90/60系の高性能がグランドツアラー志向でまとまるのに対してXC40は軽快さも持ち味に加えていた。操舵初期反応のよさやフロントの逃げを意識させない運転感覚は、90/60系よりひと回り以上コンパクトかつ軽量な印象を受ける。もちろん、ボルボの持ち味であるどっしりとした接地感や方向安定の高さは継承されている。
 20インチの扁平タイヤ仕様にしては段差等からの神経質な突き上げも少なく、短いストロークを滑らかに使うため、スポーティSUVにしては乗り心地もこなれている。同クラスのSUVでは比較的落ち着きのある乗り味だ。
 パワートレーンの特性もフットワークに似合いだ。ターボの大トルクに任せて回転を抑えるのではなく、加速時はやや引っ張り気味の設定。最新のターボなのでエコモードなら多くの状況で2500回転以下を保持するが、同じパワーユニットの90/60系よりも伸びやかであり、車重を考慮すればXC40の走りのキャラを立てる設定と言える。付け加えるならスポーティを演出するために無駄回ししている感もなく、軽快さと伸びやかさと力感のバランスが妙味。
 ユーティリティ関連はパーティションで多様な使い勝手を生み出すラゲッジボード、ティッシュボックス収納や脱着式ゴミ箱等々と、ユーティリティ志向の国産車並みの気配り設計。そうした利便装備の生活感に抵抗のあるユーザーもいるかも知れないが、そうではない新しい世代のユーザーを見据えたのも大きな特徴である。
 大柄な男性が4名乗車で長時間過ごすに十分なキャビンで、後席サイズも余裕がある。フェルト張りのようなドアトリムやインパネ周りの加飾など、既存のプレミアムとは違った方向性が一瞬で理解できる。街中から長距離まで網羅的にカバーする安全&運転支援システムなど、ボルボ車共通の美点を継承しながら、新型XC40は新しい価値感の新しいユーザーに向けて開発されたモデルなのだ。

VOLVO XC40 【ニューモデル】

●日本発売日:'18年3月28日
●価格:389万~549万円
●輸入元:ボルボ・カー・ジャパン
●問い合わせ先:0120-922-662

主要諸元(試乗車:T5 AWD R-Design 1st Edition) ●全長×全幅×全高(mm):4425×1875×1660●ホイールベース(mm):2700●車両重量(kg):1710●駆動方式:4WD●パワートレーン:1968cc直4DOHC直噴ターボ(252PS/35.7kg・m)●トランスミッション:8速AT●JC08モード燃費(km/L):12.4●燃料タンク(L):53(プレミアム)●最小回転半径(m):5.7●タイヤサイズ:245/45R20

ボルボ初のプレミアムコンパクトSUV

 XC40のコンセプトは、明確なSUVアイデンティティ/若々しく力強いデザイン/縮小版XC90/60でないこと/従来型ファミリーカーでないこと。新開発プラットフォームに2種類の直4ターボを搭載し、ベース仕様のほか、おしゃれなモメンタム、スポーティなR-デザイン、上級装備のインスクリプションを設定。1st エディション以外の常設グレードについては、デリバリー開始が6月となる見込みだ。

【エクステリア】新世代XCシリーズとしての統一感を持ちながら、若々しくダイナミックなキャラクターを強調している。

単なる“縮小版”にはせず独自のキャラクターで勝負
 デザインの評価も高いXC90/XC60をなぞる手法をよしとせず、敢えて異なるデザインモチーフを採用している。エレガントさや風格を醸し出すXC90/XC60が家族のSUVであるのに対し、こちらは都市に暮らす個人のSUV。後端を跳ね上げたウインドウラインやホイールアーチを強調するキャラクターラインなどにより、斬新さと力強さを強調した独自のテイストに仕上げている。

エクストレイルのガソリン車と比べると、全長は265mm短い一方、ホイールベースは5mm短いのみ。また、都市型でカジュアルなモデルながら、対地角や最低地上高など、SUVとして必要とされる寸法を確保。

前後ビューはロー&ワイド。全幅はエクストレイル比で+55mm、全高は-80mm。

R-デザインはフロントグリルやリヤスキッドプレートがグロッシーブラック仕上げとなる。

ボルボを象徴する、T字を横にしたような“トールハンマー”形状のヘッドランプを採用。

リヤランプは縦基調のXC90/XC60とは異なり、肩を張らせた力強い造形だ。

遊び心溢れるスウェーデン国旗のタグは初期生産車のみ台数限定で装着されている。

ドアがサイドシルを覆う形状のため、悪路走行後にも足下を汚さずに乗降できる。

スポーティな装備のR‐デザインは専用のエンブレムやロゴを各所にあしらう。

1st エディションはR-デザイン専用アクセサリーの20インチホイールを標準装着。

【インテリア】すっきり整理されたデザインと考え抜かれた機能性の両立が、北欧デザインらしさを感じさせる。

シンプルなデザインだからこそ美しさと機能性が際立つ
 世界的に評価の高いスカンジナビアンデザインがボルボの真骨頂。ボタンやスイッチが整理され、視界はすっきり。センターと両端のエアコン送風口の垂直ラインがリズミカルな印象を与え、グレードごとにコーディネートされるトリムやシートの素材や色がシンプルな空間に映える。さらに、フレームレスのルームミラーや加飾パネルを照らすLEDライトなど、こだわりは細部にまでおよぶ。

先進装備満載だが見た目はすっきり。オレンジ内装はR-デザイン専用オプションだ。

メーターパネルは12.3インチの液晶ディスプレイで、

テーマやカラーを選択可能。

グレードのキャラクターに合わせたトリムやシート表皮を用意。

モメンタム以上は運転席パワーシートを備えるなど装備が充実。

後席の座り心地は、どっぷり身を委ねるようなくつろぎでは上位クラスに劣るが、その分拘束感は少なく、気負いなく風景や会話を楽しめる。

座面地上高は高めだが、脚さばきしやすいドア開口やサイドシルの汚れ防止設計もあり、同タイプでは乗降性も良好だ。

【メカニズム&装備】ボルボ初のプレミアムコンパクトSUV、XC40。シャシーやエンジン、先進装備などを見ていこう。

最新のCMA+ドライブ-Eに先進安全&運転支援装備を満載
 電動化を前提とするCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)を初採用。基本的な安全性や機能性は90/60のSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)と共用で、車体寸法や搭載パワートレーンの自由度が高く、最新の先進技術を搭載可能。パワートレーンは2種類の2L直噴ターボ(T4/T5)+8速AT。なお、'19年モデルからアクティブダンパーの搭載も予定している。

燃費効率とパフォーマンスを両立する、ボルボの新世代パワートレーン戦略「Drive-E」に基づくT5(写真/252PS)またはT4(190PS)。将来的には3気筒1.5LやPHEV、EVを追加予定。

ミッションはT5/T4ともにアイシン製8速ATで、7~8速のギヤ比はオーバードライブ設定。パーキングブレーキは電子制御式だ。

ボディは高強度鋼材を要所に配し、高い衝突安全性を確保。緑がアルミ、グレーが軟鋼、その他はすべて高強度鋼材だ。

60シリーズ以上に採用されるSPAと同じ方向性で開発された小型車専用の新型プラットフォームがCMAだ。

モジュラー設計により、ホイールベースを含む車体寸法を自由に設定可能だ。

16種類以上のセーフティ機能を備える「インテリセーフ」を標準装備。自動ブレーキを核とする「シティセーフティ」は、右折時の対向車を含む他車はもちろん、歩行者や自転車、大型動物を夜間でも検知可能だ。

全車速追従機能付クルコンで走行時にハンドル操作をアシストして車線維持をサポートする「パイロット・アシスト」を搭載。

駐車スペースからの後退時などに接近する車両や歩行者を検知。警告音に加え、新たに自動ブレーキ機能が加えられている。

非接触式スマホ充電機能が標準またはオプションで用意される。

イモビライザー付きリモコンキーは

フタ付きポケットに収まる。

中央の大型液晶には全周モニターや

オーナーズマニュアルなども表示できる。

ステアリングスイッチで

各種の操作が可能だ。

【ユーティリティ】日本車のお株を奪うような濃やかな気配りが隅々まで感じられる。

車に持ち込むものを調査してそのすべてに収納を用意
 ユーザーが普段車内に持ち込む品々を徹底調査し、手の届く範囲内にそれらの収納スペースを配置。ティッシュ入れやゴミ箱まで備え、室内はすっきり居心地のいい空間に。こうした気配りは荷室も同様で、様々な荷物に対応したアレンジが可能となっている。

後席はセンタートランクスルー付きの6:4分割可倒式。

後席を倒すと開口部から前席シートバックまでフラットな床面となる。

OPの電動リヤゲートはハンズフリー開閉機能も備えている。

モメンタム以上は荷室に電源や電動バックレストのボタンを設置。

分割式フロアボードで

荷室を簡単にアレンジできる。

トノカバーは床下に収まる。

スピーカーをダッシュボード奥へ移設し、

ドアポケットの面積&容量を拡大。

【バリエーション】パワートレーンは3種。4つのグレードに合わせた内外装カラーが用意されている。

現時点のおすすめグレードはコレだ!! by 川島茂夫

「190PSのT4でも性能に不足はないはずだ」
 同じパワートレーンの他車やスペックを見ても、ベーシックとなるT4で性能面の不足はないだろう。一般用途ならベーシック仕様でもいいが、優れたユーティリティを活かすならレジャー用途の懐深さでAWDだ。

【オススメ】

XC40 T4 AWD モメンタム(459万円)

一般的に必要な装備を備え、さらに上級な装備もオプションで追加することが可能。




提供元:月刊自家用車



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