徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2018.02.23

【レクサス LS】あのレクサスLSが、なんと100万円台前半から購入可能!?

レクサスLSってどんなクルマ?

 レクサスブランドの日本導入から、今年(2018年)で13年が経つ。当初のラインアップはLS、GS、SCの3モデルだったが、現在は12モデル(Fモデルは別車種扱い)という大所帯となった。そして、一時販売されていたスーパースポーツのLFAなどを除けば、ブランドの頂点に立つのはなんと言ってもLS。先日フルモデルチェンジを受け、数ある高級セダンのなかで、いまホットな1台でもある。そんなわけで今回は、レクサスLSに注目してみた。

 レクサスLSが日本で発売されたのは、2006年のこと。ちなみにそれ以前にも、海外市場でレクサス LS(日本のトヨタ セルシオ)は存在していたが、レクサスブランドの国内展開にあたり、国内外ともに「レクサス LS」という名称に統一されることになった。先代にあたるセルシオも、当時トップクラスの静粛性を誇る高級セダンだったが、新世代のLSはプラットフォームを一新し、セルシオを上まわる快適な走りを手に入れている。内外装は「L-finesse」と呼ばれる精緻なディテールをウリとし、高級車デザインの在り方を再定義。ちなみにデビュー当初、現行レクサスの顔であるスピンドルグリルはなかったので、新型LSよりも先代初期LSの顔が好みという声も少なくない。

 いずれにせよ、従来の国産車にはなかった真のプレミアムカーとして、登場以降人気の高いクルマとして認知されている。

欧州ブランドのライバルと相場を比較してみた

 レクサスLSは、世界のプレミアムブランドをライバルに見据えた初の国産車と言っていい。なかでも、メルセデス、BMWアウディのドイツ系フラッグシップと比較しても、見劣りしない質感を備えているのが特徴。ここでは、欧州ブランドのライバルたちと、中古車平均価格を比較してみたい。

モデル別中古車平均価格
 グレード  中古車平均価格 
 レクサス LS(先代)  316万円 
 メルセデス・ベンツ Sクラス(先代)  256万円 
 BMW 7シリーズ(先代)  297万円 
 アウディ A8(先代)  124万円 
※中古車平均価格はグーネット2018年2月15日現在のデータによる。

 まず、このクラスはどれも新車時価格は1000万円超の高額なクルマばかり。しかし新型が登場すると、中古車相場は大きく下落する傾向にある。そんななか、レクサスLSは登場から12年近くが経ってもライバルより高値をキープしているのは興味深い。ドイツ御三家のなかでは、アウディA8がもっとも激しく値崩れしているのに対し、BMW 7シリーズは価格をキープしているようだ。もっとも、アウディはもっとも登場年が古いから、単純な比較はできない。でも、レクサスの市場価値は欧州プレミアムと比べても遜色ないどころか、上まわっているのがわかるはず。

 物件数に注目すると、レクサスが圧倒的に豊富。続いて、メルセデス、BWW、アウディと続く。アウディA8はこのなかでもっとも物件が少なく、2018年2月15日時点において、グーネットにて26台しか登録されていなかった。結論を言えば、レクサスLSはライバルと比べて相場は高めだが、豊富な物件数で買いやすいのが大きな魅力だろう。またディーラーも多く、国産車という安心感もある。さらにレクサス認定中古車なら、保証も充実していてアフターサービスも受けられるから、今回初めてレクサスデビューするというユーザーは、積極的に探したい。

年式別の相場を比較してみると?

 ここで、簡単にレクサスLSの変遷をたどってみたい。レクサスブランドの国内展開から遅れること1年、2006年9月に発売がスタート。当初は4.6L V8を搭載した「LS460」のみのラインアップだった。2007年5月には5.0L V8ハイブリッド仕様の「LS600h」とそのロングホイールベース仕様「LS600hL」が登場。このクラスのライバルは、トップモデルに12気筒搭載車を据えていることが多いが、レクサスはV8+モーターでこれらに対抗したわけだ。排気量やシリンダー数を少なくしながら燃費とパワーを両立するやり方は、ハイブリッドカー普及の先駆者であるトヨタらしい。2008年8月、LS460にもロングホイールベース仕様が選べるようになったほか、AWDも設定された。

 最初のマイナーチェンジが行われたのは2009年10月のこと。内外装デザインが改良されたほか、スポーティな「バージョンSZ」、リヤシートリラクゼーションを導入した「バージョンUZ」が選べるようになった。そして、2012年10月にはビッグマイナーチェンジが行われ、すでにGSなどに導入されていたスピンドルグリルが採用された。また見た目のイメージチェンジだけでなく、ボディ剛性の強化、サスペンション制御の改良、さらに自動ブレーキ機能を伴うプリクラッシュセーフティが導入され、中身も大きく変わっている。

 その後、2013年、2014年、2015年にそれぞれ一部改良が行われ、主に装備面がリファインされた。そして2017年10月、プラットフォーム、エンジンなどすべてが一新された2代目LSが登場し、発売からわずか1カ月で約9500台を受注するという好調な立ち上がりを見せている。

 それを踏まえ、年式別の中古車平均価格を見てみよう。

年式別中古車平均価格
 年式  中古車平均価格 
 2006年式  157万円 
 2007年式  185万円 
 2008年式  205万円 
 2009年式  241万円 
 2010年式  285万円 
 2011年式  285万円 
 2012年式  472万円 
 2013年式  525万円 
 2014年式  575万円 
 2015年式  682万円 
 2016年式  837万円 
※中古車平均価格はグーネット2018年2月15日現在のデータによる。

 スピンドルグリルの有無で前期型、後期型を区別するとしたら、2012年以降の後期型から相場が跳ね上がっている。前期型、なかでも2009年以前の初期型は100万円台後半の物件もかなり目立つから、価格を重視するならこの辺りの年式がターゲットになりそうだ。ちなみに物件数がもっとも多いのは2007年式。でもおよそ10年落ち物件となると、コンディションが気になるところ。2007年式の走行距離割合は、5万km未満が13%、5万km~8万kmが26%、そして8万km以上が61%と、多走行車がかなりの割合を占めている。

レクサス LS(先代)の価格と年式の分布表はこちら

先代LSのベストバイグレードはどれ?

 先代LSのグレード構成は大きく分けて2つ。前述の変遷でも述べたが、4.6L V8の「LS460」、5.0L V8+モーターの「LS600h」を設定。また、どちらにもロングホイールベース仕様が設定されている。これらに加え、各モデルにはそれぞれ特徴的なキャラクターを持つサブグレードが存在することも忘れてはならない。専用チューニングサスや強化ブレーキを採用した「バージョンS」、4席独立して温度設定可能な4ゾーンエアコンや後席アームレストを備えた「バージョンU」、本木目・本革ステアリングやシフトノブを採用した豪華仕様「バージョンC」、さらに後期型には「バージョンS」の進化系とも言える「Fスポーツ」などなど、先代LSのバリエーションはかなり豊富だ。

 まずはエンジン別の中古車平均価格から見ていこう。

エンジン別中古車平均価格
 グレード  中古車平均価格 
 LS460  247万円 
 LS600h  423万円 
※中古車平均価格はグーネット2018年2月16日現在のデータによる。

 LS460とLS600hのあいだで、相場に大きな差がある。前者は200万円台の物件がかなり充実しており、手が出しやすい。ハイブリッドのLS600hもそれなりに数が充実しているが、あまり大きな値崩れはしてないようだ。

バージョン別中古車平均価格
 グレード  中古車平均価格 
 標準仕様  247万円 
 バージョンS  190万円 
 バージョンSZ  258万円 
 バージョンU  206万円 
 バージョンUZ  332万円 
 バージョンC  411万円 
 バージョンL  551万円 
 Fスポーツ  559万円 
※中古車平均価格はグーネット2018年2月16日現在のデータによる。

 上のデータは、「LS460」と「LS600h」を合算したもの。これを見ると、相場が低くなっているのは「バージョンU」や「バージョンS」。これは前期型のみに設定されていたモデルだから、このような結果になったと考えられる。逆に、「バージョンL」や「Fスポーツ」は、後期型以降に設定されているため、相場は550万円超となっている。

 物件数は「バージョンS」と「バージョンC」が多いから、前期型のこれらのモデルが購入しやすいはずである。同じLSという車種でも、これらのバージョン違いで乗り味や内装の設えが異なるから、あらかじめ詳しく下調べしておくことは大切。

 最後に、中古車購入にあたって注意点を述べておこう。トヨタ製ということもあり、基本的に大きなトラブルを心配する必要はない。ただし、全車エアサスペンションを採用しており、多走行な個体は、将来的にエアサスが抜けてしまうリスクがあるかもしれない。不安なら記録簿で交換の有無などを確認するか、可能なかぎり試乗をして、路面の継ぎ目などでバタつかないかチェックしておこう。

 それを踏まえれば、基本的に先代LSは出費以上の満足感を得られるクルマ。とくに、国産ミディアムクラスのセダンやSUVからの乗り換えに最適な1台だ。新型の中古車が流通すれば、今後さらに相場が下がることも期待できるから、次期愛車候補のウィッシュリストに入れてみてはいかがだろう?

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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