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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

同クラスのライバル車と徹底比較1L3気筒ターボのA1は大丈夫?A1スポーツバックは?

検証!

A1(3ドア):上級グレードのA1、1.4Lモデルは329万円なので、1.0TFSIの249万円という価格は魅力的。アウディユーザーを増やしそうだ

A1(3ドア):上級グレードのA1、1.4Lモデルは329万円なので、1.0TFSIの249万円という価格は魅力的。アウディユーザーを増やしそうだ

【本記事は2015年7月にベストカーに掲載された記事となります。】250万円を切る価格で手に入るアウディ。A1のマイナーチェンジを機に投入された1.0TFSIはとかく話題の1台だ。が、果たしてその「安さ」に本当の価値があるのか。試乗を通じてライバルたるBセグメントモデルとの比較も交えながらそのあたりを検証してみたい。A1 1.0TFSIが搭載するエンジンは、グループで共有するモジュール戦略「MQB」に沿って新たに構築されたEA211系ユニットで、平たくいえば同門のVWがup!に搭載する1L3気筒がベースだ。それを直噴ターボ化することで、その出力は95psとup!に対して20psの向上。いっぽう、実用面で注目すべきはテンロクNA相当となる16.3kgmのトルクを1500rpmで発揮する点だろう。これをデュアルクラッチ式の7速Sトロニックと組み合わせ、1140kg(スポーツバック)の車重を引っ張っての燃費はJC08基準で22.9km/L。Bセグメントとしては充分胸を張れるものだ。

内装は大きな変更なし

クオリティ、デザイン性の高さがアウディらしい

クオリティ、デザイン性の高さがアウディらしい

マイナーチェンジに伴い意匠的な変更を受けたのは灯火類やバンパー&グリルなどの外観が中心で内装は大きな変更はない。そして1.0TFSIのベーシックグレードは内装も金属調加飾やオートエアコンなどの上級装備が奢られる。タイヤサイズも15インチと本当に素の成り立ちになるわけだが、ダッシュ周りの素材感やはめ込み部品のチリ合いなど、根本的な質感が高いため、廉価版なりの寂しさはさほど気にならない。

1L3気筒ターボの実力は?

95ps/16.3kgmで燃費は22.9km/L!

95ps/16.3kgmで燃費は22.9km/L!

■1L3気筒ターボの実力は?最大の興味であるエンジンのフィーリングは、過度なスポーツ性を望まなければ、アウディとして充分納得できるすばらしいものだった。全域に共通するのは振動の少なさや音量の小ささ、音色の柔らかさなど快適性の項目が非常に洗練されていることだ。特に振動に関してはバランサーレスと知れば驚くほど滑らかで、その音を聞かない限りはとても3気筒とは思えない。このあたりはup!も然りで、同級のユニットに対して基本設計の優位がひしひしと感じられる。動力性能に関して、やはり感心するのはピークパワーよりむしろトルクの太さだ。1000rpm付近を充分実用域として定常走行に活かせる粘り強さ、そこからの加速では2000rpmに満たないところでもグイグイと車体を押し出す力強さを備えつつ、高回転域でもだらしない力落ちを感じさせず6000rpm手前までのパワーの伸びに上手につなげている。しかしそれ以上に驚かされたのがマイナーチェンジによって再チューニングを受けた足回りの出来のよさだ。ベースモデルは15インチ60扁平のコンチネンタル・エココンタクトを履くが、そのエアボリュームの大きさを抜きにしてもバネ下がよく動き、乗り心地は抜群にして凹凸路での接地感も非常に高い。ワインディングでの応答性も気だるさはなく、限界域の挙動も至って自然だ。快適性や上質感も含めて、Bセグメントのデイリーカーとしてはベストな味付けといっていいだろう。プラットフォームを共有しながら、出自の年次的には兄貴分にあたるポロは、このA1に対すれば動きのしなやかさや滑らかさの点で一歩譲る感があった。そのぶん、エンジンの側はさすがに高回転域のスキッとした吹け感に4気筒のメリットが感じられる。そして動力性能もさすがにひと回り上の力強さがある。ほぼ同じ価格帯でACCを含めた先進安全装備も備わるなど、価格競争力までを含めてみれば両車の差は限りなくイーブンだ。

国産ライバル車と比較

■国産ライバル車と比較そんなA1やポロに対して、ことコーナリングにフォーカスすればスイフトRSのフットワークはほとんど遜色のないところにあるといえるだろう。基本的にはロールをしっかり抑えてゲインを強く感じさせる設定ではあるが、街中から高速巡航と常速域での乗り心地にも充分配慮がなされており、無粋な揺すりや突き上げなどの不快感も巧く封じてある。デュアルジェットの1.2Lユニットも実用回転域のトルクが厚く、CVTとの相性も悪くない。国産Bセグメントにおいては間違いなくトップクラスの出来映えだ。ただしノイズレベルが高く、試乗中はエンジンの硬質なサウンドや風切音などが中~高速域ではやや気になるところがあった。デミオXDはごく低回転域でのトルクの薄さにディーゼルらしからぬ弱さはあるが動力性能と燃費のバランスでいえばほかのモデルからは一歩図抜けた存在だ。ただし乗り心地やハンドリングなどの動的質感においては前述の3車にいま一歩届かないところがある。この点、むしろ標準的な1.3Lガソリンモデルのほうがバランスはいい。スイフトRSの出来のよさなどをみるに、純粋にランニングコストも含めたコストマターでいえば輸入車と日本車の間に差がある感は今も否めない。が、A1はその敷居を大きく下げてきたことも確かだ。たとえばアクアやフィットハイブリッドあたりとの比較だと、その優劣は相当難しいものになっただろう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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