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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28

マツダ アクセラスポーツ&アクセラXD公道初試乗 その走りGTの資質アリ! 2.2Lディーゼルターボの走りは予想以上に楽しいぞ!!

プラス200ccのゆとり

アクセラスポーツXDの2.2L直4直噴ディーゼルターボエンジンは最大トルク42.8kgmを2000rpmの低回転から発生し、ワインディングでもひとつ上のギアをチョイスできるのだ

アクセラスポーツXDの2.2L直4直噴ディーゼルターボエンジンは最大トルク42.8kgmを2000rpmの低回転から発生し、ワインディングでもひとつ上のギアをチョイスできるのだ

【本記事は2014年4月にベストカーに掲載された記事となります。】まずはアクセラのハイブリッドSから。セダンにのみ搭載されるハイブリッドユニットは、モーターをはじめとした中枢ユニットをトヨタから受け継いでいるためシステム構成は“ほぼプリウス”。しかし、エンジンやそれにまつわるコントロールユニットはマツダが独自に開発しチューニングを施している。エンジンはプリウスの1.8Lアトキンソンサイクルから2L直噴方式へと改められたが、スペックは99ps/14.5kgmで発生回転数も含め同一。車重も1390kgとプリウス(1310~1380kg)に極めて近い。ただし走りは別物! 発進加速時こそプリウスで慣れ親しんだエンジン停止&EV走行だが、エンジンが始動しハイブリッド走行となるとアクセラの力強さが際立つ。アクセルの踏み込み量に対してエンジンが素直に反応するイメージで、エンジン回転の高まりと加速フィールが一体化する感覚が強いのだ。バッテリーの(※1)SOCに大きく左右されるものの、時としてエンジン回転が加速フィールよりも先行するプリウスに比べ、エンジンの常用回転数を若干落としながら、主役はあくまでエンジンでモーターがそれをアシストする、そんな加速フィールを演出する。このエンジンの存在感を強調した特性は開発陣がこだわった点で、試乗ステージの霧島のワインディング路(3%程度の緩い上り勾配の連続)では、スペックに表れない“+200ccのゆとり”を実感した。

ハイブリッドモデルの要

ハイブリッドモデルの要である(※2)ECBのブレーキ協調制御も優秀だ。マツダはブレーキペダルを踏み込んだ際に減速度がしっかりと立ち上がるメリハリのあるブレーキ特性を好むが、ハイブリッドでは踏力と減速度のバランスを見直した結果、回生ブレーキを多用してきっちりエネルギーを回収するといった繊細なペダルワークも許容する懐の深い特性を手に入れた。

乗り味は上質でマイルド

優れた接地性能でワインディングでの走りもピカイチ!!

優れた接地性能でワインディングでの走りもピカイチ!!

■乗り味は上質でマイルド乗り味もイイ。実は昨年末に横浜で開催された試乗会では、リアサスのつっぱり感が強く粗削りな印象だったが今回はそこが激変。マイルドなステアリング特性にうまくマッチして上質になっている。生産型としてはこれが本来の乗り味なのだろう。気になる燃費数値は上り勾配のワインディング路(標高267m→502m)を28.2km走って18.9km/L(カタログ値の約61%)。大人3人が乗り込み20kg程度の荷物を搭載し「(※3)i-DM」がブルーランプを連発するように遠慮なくアクセルを踏んだ結果得られた数値だ。いっぽう下り勾配のワインディング路(同502m→200m)では、29km走って32.9km/L(同約107%)を記録した。実用燃費数値はプリウスとほぼ互角、走りの気持ちよさでは20%増し。これがアクセラハイブリッドの実力だ。

重厚なトルクで余裕ある走りのXD

キツい登り勾配のワインディングでも息切れしない分厚いトルクに、スタビリティの高い足回りで走りの楽しさはバツグンだ!!

キツい登り勾配のワインディングでも息切れしない分厚いトルクに、スタビリティの高い足回りで走りの楽しさはバツグンだ!!

重厚なトルクで余裕ある走りのXD続いてディーゼルモデルXD(6MT)に乗り替えて、高速道路で鹿児島を南下する。運転した誰もが認めるストレスフリーな高速巡航性能は、コンパクトなボディサイズとアテンザから60kg軽くなった車重が相まって魅力は倍増。アテンザとは各ギヤ比、最終減速比を含めて同じだから単純に軽くなったぶんだけ走りがよくなったかと思えば、「アクセラは走りに振った特性にしています」(開発陣)とのこと。“チューニング違い”といえばそれまでだが、例えば80km/h、6速からの加速力はアテンザよりも一枚上手で、上り勾配路で車速を維持する際も明らかにアクセルの踏み込み量は少ない。こうした余力ある走りに加えて精神的な余裕を与えてくれるのがアクティブ・ドライビング・ディスプレイと名付けられたヘッドアップディスプレイだ。メーターのタコメーター上部に配置されるディスプレイには、車速やACCの車間距離情報など運転中に知りたい情報が表示されるので、視線を落とす回数が激減する。表示部は投影式といってパネルから約1.5m先に像を映すため、被写界深度の調節回数を減らす効果もある。遠視を患っている西村には心底ありがたい装備だ。箱根や芦ノ湖などのワインディング路よりも部分的に勾配がきつく、そして路面がところどころ荒れている指宿スカイラインではディーゼルモデルの新たな一面を発見した。215/45R18のハイグレードタイヤを履きこなす足回りは路面からの突き上げに若干ハードな印象があったものの、比較的曲率の緩い高速コーナーではこの足回りが路面情報を的確に伝えてくれる武器となり安心して走り込むことができた。具体的には、コーナーの手前で減速すると車体には前のめりになる力が発生し、それがステアリング操作によって遠心力とともに横方向へ引っ張られる力へと変化していくが、アクセラはその前から横への“Gつながり”が非常に滑らか。車重1430kgのディーゼルモデル(6MT)は前軸重が920kg(約64%)と重いため、一般的には前のめりになりやすく、それだけに横方向へのG移行は急激に発生しやすいが、マツダが“ため”と表現した独自のサスセッティングによりそれを克服。

アクセルの設定は絶妙

こちらはアクセラスポーツXDのインパネ。ストロークの短いシフトレバーは軽快な変速動作を実現する。またヘッドアップディスプレイの採用やナビの位置などドライバーの視線移動を最小限に抑える工夫が盛り込まれる

こちらはアクセラスポーツXDのインパネ。ストロークの短いシフトレバーは軽快な変速動作を実現する。またヘッドアップディスプレイの採用やナビの位置などドライバーの視線移動を最小限に抑える工夫が盛り込まれる

■アクセルの設定は絶妙こうした特性をアシストするのがアクセルワークを忠実に再現した加速度の変化量だ。アクセラでは、どんなアクセルの踏み方でも踏んでから約0.3秒後に加速度を発生させる設定で、ジワッと踏んでも、グッと踏み込んでも、その後の速度の変化量が手に取るようにわかるため走りのリズムを刻みやすい。いっぽう下りタイトターンでは前軸重の重さを逆算して、物理的な限界点が一気に訪れる前に早めのブレーキングとステアリング操作で対処すると気持ちよく走れた。また、いつもより1速上のギヤ段を使うと重厚なトルクを調教しやすく、これにオルガン式のアクセルペダルの高い操作性が加わるため、路面コンディションが悪くなる雨天時であっても気疲れすることなく走りに集中できるはずだ。試乗の締めくくりはガソリンエンジンの上位モデル20Sツーリング(6AT)。ワインディング路では1310kgの軽量ボディと専用チューニングされたサス設定により、XDが不得手な下りのタイトコーナーでもグイグイと鼻先が入り込み後輪もがっちりと路面を捉えて離さない。エンジンは2000回転中盤からさらなる盛り上がりをみせるトルク特性で、すばやい変速と90%に迫る伝達率を誇示する6ATにより人馬一体感はシリーズ随一!! ただ、市街地走行では路面の衝撃を素直に伝えるサス特性のためゆったり志向のドライバーには不満が残るかもしれない。また、4速ギヤ以上では巡航時に高周波のギヤノイズがキャビンに入り込む。このあたりは熟成を待ちたいところだ。

充実したシリーズ展開

充実したシリーズ展開だが、アクセラが購入候補にあるのであれば最初にディーゼルの試乗を! マツダがSKYACTIVテクノロジーで目指した走りが手に取るように伝わるからだ。また、6MTが選べる1.5Lも高い実力の持ち主。CVTにはないダイレクト感とアクセルを積極的に踏み込める楽しみは今や貴重な存在だ。これに衝突被害軽減ブレーキやアダプティブ・クルーズ・コントロールなどの先進装備がハイブリッドモデルでも選べるようになれば、好敵手ゴルフにはない強みを持つことになる。※1充電状態のこと※2電子制御ブレーキシステム※3運転操作の状態がメータに設けられたランプの色などで分かるシステム。ブルーランプはグリーンに比べ、燃費が悪化する運転状態

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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