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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.11.29

現在最強のオールマイティーカー三菱アウトランダーPHEVの魅力

電気自動車(EV)は販売面で苦戦続き

笛吹けど踊らず? EVは販売面で苦戦が続いている

笛吹けど踊らず? EVは販売面で苦戦が続いている

【本記事は2013年3月にベストカーに掲載された記事となります。】販売好調で新車販売の20%ほどにまで拡大し、勢力を増大させているハイブリッドに対し、CO2排出量がゼロで、燃料コストが安い、環境にも懐にも優しい、という触れ込みの電気自動車(EV)は販売面で苦戦続き。値下げをしても状況は大きく変わっていないのが現状。

アウトランダーPHEVは、フロントに82ps/14.0kgm、リアに82ps/19.9kgmのモーターをそれぞれ搭載する2モーター4WDで、JC08モード燃費(複合)は67.0km/L

アウトランダーPHEVは、フロントに82ps/14.0kgm、リアに82ps/19.9kgmのモーターをそれぞれ搭載する2モーター4WDで、JC08モード燃費(複合)は67.0km/L

そんななか、ハイブリッドとEVのよさを兼ね備えた最強のハイブリッドと呼ばれているプラグインハイブリッドカーは、プリウスPHVが販売されているが、トヨタが想定したほど販売は芳しくないが、そのプラグインに一石を投じるモデル、三菱アウトランダーPHEVが晴れてデビューし販売開始。本企画ではアウトランダーPHEVの魅力についていろいろな角度から検証していく。

PHEVの魅力は、自分でバッテリーに充電することができること

PHEVはシフトレバーの下側のスイッチで電池のチャージモードとセーブモードを切り替え可能

PHEVはシフトレバーの下側のスイッチで電池のチャージモードとセーブモードを切り替え可能

石川真禧照アウトランダーのプラグインハイブリッド、PHEVの魅力は、自分でバッテリーに充電することができることにある。バッテリーの力でモーターを動かし、EV走行するが、その時に電力が減っても、エンジンが始動し、充電をする。それどころか、停車中にバッテリーに充電をしたいと思ったら、「チャージモード」スイッチを押せばいい。そうするとエンジンがかかり、バッテリーへの充電を開始する。80%充電ならエンジンからの充電でOKなのだ。つまり、屋外の駐車場やマンションの共同駐車場などを借りている人、自分専用のコンセントがない人でも、アウトランダーPHEVなら所有することができるのだ。もちろん外部充電機も利用することもできる。急速充電機での充電ならば、100%充電ができる。ドライブ中のサービスエリアやショッピングセンターのEVステーションでも充電ができる。こうすると、充電用にエンジンを始動させなくてすむので、ガソリンが節約できるわけだ。これも魅力のひとつといえる

電気自動車をベースにしたプラグインハイブリッドであること

2L、直4MIVECは118ps/19.0kgmで発電用、駆動用の両方に使われる。EV走行からの切り替わりポイントはほとんどわからないレベルの緻密な制御がされている

2L、直4MIVECは118ps/19.0kgmで発電用、駆動用の両方に使われる。EV走行からの切り替わりポイントはほとんどわからないレベルの緻密な制御がされている

片岡英明アウトランダーPHEVのすばらしいところは、電気自動車をベースにしたプラグインハイブリッドであること。通常はモーターだけで走行を行なうからクリーンだし、静粛性も高い。驚かされたのは、モーター走行の割合が予想以上に多く、走行フィールが上質だったこと。滑らかに回り、不快な金属ノイズも振動もほとんど感じ取れない。しかもモーター走行を続けようという、健気な姿勢も見せてくれる。バッテリー残量が少なくなってくるとエンジンを始動させて発電を行なう。この場面でも切り替わったのがまったくわからないくらい自然な感覚だからビックリだ。電力消費を抑えるバッテリーの「セーブモード」も役に立つ。が、それ以上に感心したのがエンジンを積極的に使って発電を行ない、駆動用バッテリーに充電していく「チャージモード」だ。充電設備がないところでもバッテリー切れの心配がないのがいい。また、回生ブレーキのレベルを6段に切り換えられるのもEVを知り尽くした三菱らしいアイデアだ、と感心した。

SUVとは思えない気持ちのいいハンドリング

アウトランダーはプリウスPHVに比べて3倍近い12kWhのリチウムイオン電池を搭載

アウトランダーはプリウスPHVに比べて3倍近い12kWhのリチウムイオン電池を搭載

松田秀士プリウスPHVに比べても大容量のリチウムイオン電池、こいつがリアラゲッジルーム下ではなくキャビンの中央真下に搭載されている。重量物は中央に低く搭載する。これレーシングカーの設計と同じ論理。200kgを超える電池がこの位置に搭載されているから運動性能がいい。SUVとは思えない気持ちのいいハンドリングなんですよ。これは一度体験してみて欲しい。そして、急速充電に対応している。今のところどういうわけか日産ディーラーの設備ではNGらしいけど、出先で買い物とか食事の合間に充電できる。また、マンション住まいの人でも近くに急速充電設備があれば購入する意味があるわけです。さらにもうひとつ。バッテリーセーブモードというボタンがあります。これを押すと、その時のバッテリーの充電量を維持してハイブリット走行をします。これは今電池を使いたくないけど、目的地ではEVで静かに走りたいとか、1500Wの家庭用電源を利用してアウトドアでエンジンをかけずにクッキングをしたいとか、つまりこの先での目的に応じて電池を温存できるシステム。電池の使い方を選べるところにアウトランダーPHEVの魅力を感じます。

現在売っている&今後登場するプラグインHV

BYD 3DM:世界初の量産プラグインでEV航続距離は60km。価格は中国本国で16万9800元(約246万円)

BYD 3DM:世界初の量産プラグインでEV航続距離は60km。価格は中国本国で16万9800元(約246万円)

現在売っている&今後登場するプラグインHV世界初の量産プラグインHVは’08年に中国で販売が開始されたBYDの小型セダン、F3DMで、1Lのガソリンエンジンに2個のモーターを組み合わせたもの。それを進化させ、2モーター4WDというアウトランダーと同じようなシステムを搭載したS6DMもラインアップし、北米でも販売を開始。

GM再生の象徴のボルト

シボレーボルト:16.5kWhのリチウム電池を搭載。EV航続距離は61km。価格は3万1645ドル(約288万円)から

シボレーボルト:16.5kWhのリチウム電池を搭載。EV航続距離は61km。価格は3万1645ドル(約288万円)から

いっぽうGM再生の象徴として登場したのがボルト(オペルブランドのアンペラは兄弟車)。昨年ボルトはバッテリーの不具合、生産の一時停止などあったが、生産を再開してからは販売好調で、年間販売目標の1万台を7カ月でクリア(前年は年間7000台強)。同様に昨年夏にはアンペラが欧州のEVシェアナンバーワンに輝いている。ボルトはアメリカで2年連続顧客満足度1位に輝いているが、日本での販売はないもよう。

日本のメーカーは

ホンダアコードPHEV:2モーターHVのシステム出力は196ps、EV航続距離は24km。北米でプリウスPHVの燃費を凌駕

ホンダアコードPHEV:2モーターHVのシステム出力は196ps、EV航続距離は24km。北米でプリウスPHVの燃費を凌駕

現在はプラグイン=ボルトというイメージが強いが、三菱から強力なアウトランダーPHEVが登場したし、日本メーカーではホンダが秋から日本でアコードPHEVをフリート販売、スズキスイフトシリーズのスイフトレンジエクステンダーを販売開始予定。普通のハイブリッドでは後れをとった欧州メーカーもプラグインの開発は積極的で、アウディはA3eトロンの今春の日本導入を皮切りに、A4、Q7などに拡大採用していくし、BMWもi8、メルセデスもBクラスのプラグインを設定予定で、今後プラグインがかなり販売を伸ばしてくることは確実。今後の最大の注目点は価格。アウトランダーはかなり挑戦的な価格戦略を展開しているが、さらなる低価格化は必須。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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