中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

日本のスポーツカーは『名門』を超えたか? PART4 スズキ スイフトスポーツ VS VWポロGTI

スイフトスポーツ VS ポロGTI

SUZUKI スイフトスポーツ VS VWポロGTI

SUZUKI スイフトスポーツ VS VWポロGTI

【本記事は2012年9月にベストカーに掲載された記事となります。】ホットハッチといえば欧州のコンパクトスポーツ、なかでもVWのGTIは日本製コンパクトカーの前に立ちはだかる牙城。欧州で鍛え上げたスイフトスポーツは、その牙城に肉薄できたか?

エクステリアの雰囲気

DESIGN-デザインのインパクト スイフトスポーツ 83点:スイフトに比べると大型フォグランプベゼルやサイドアンダースポイラーでスポーツテイストを強調。タイヤは195/45R17だ

DESIGN-デザインのインパクト スイフトスポーツ 83点:スイフトに比べると大型フォグランプベゼルやサイドアンダースポイラーでスポーツテイストを強調。タイヤは195/45R17だ

■エクステリアの雰囲気ポロGTIはアイデンティティであるフロントグリルに赤いアクセントラインをあしらって、GTIであることを主張し、アンダーグリルをブラックアウトして横長に見せるなど、低くワイドに構えた精悍なムードを作り出している。ただ全体の印象としては控えめ。スイフトスポーツは、フロントマスクの上下グリルとバンパーをブラックアウトして、グリルの大きさを強調↑冷却性能アップ↑高性能エンジンのスポーティなムードを醸し出している。あえて言うなら控えめに主張するポロGTIに対して、遠目からも主張が分かりやすいスイフトスポーツといったところか。個人的な好みでは、ホットハッチというキーワードに合致しているスイフトスポーツがいい。

エンジンのスポーツ度

ENGINE-エンジンフィール VWポロGTI 88点:ポロGT(I 7AT) 直4DOHC1389ccターボスーパーチャージャー 179ps/6200rpm 25.5kgm/2000~4500rpm 10・15モード燃費16.6km/L

ENGINE-エンジンフィール VWポロGTI 88点:ポロGT(I 7AT) 直4DOHC1389ccターボスーパーチャージャー 179ps/6200rpm 25.5kgm/2000~4500rpm 10・15モード燃費16.6km/L

■エンジンのスポーツ度ポロGTIは1.4L直噴エンジンにスーパーチャージャーとターボを組み合わせたツインンチャージャーで、179ps/25.5kgmのパワー&トルクを発揮する。このエンジンに組み合わされるのは7速DSG(2ペダルMT)。一方のスイフトスポーツは1.6LDOHCで、136ps/16.3kgmを発揮。組み合わされるミッションは6速MTと、7速マニュアルモードを持つCVT。加速性能やエンジンの力感は圧倒的にポロGTIだ。特に低回転から分厚いトルクでクルマをぐいぐい加速させるツインチャージャーの威力は強力。ただし、エンジンの味付けは多少強調しているものの、パワーフィールはやや平板な印象がある。ピーキーさがなく扱いやすいともいえるのだが……。スイフトスポーツのエンジンフィールはナチュラルで刺激的だ。自然吸気エンジンならではのリニアなパワーフィールと、エンジンを回すほど充実してくるパワー感。それとともに変化する表情豊かなフィーリングもいい。

トランスミッションの出来

TRANSMISSION-シフトフィール スイフトスポーツ 88点:

TRANSMISSION-シフトフィール スイフトスポーツ 88点:

■トランスミッションの出来しかし、トランスミッションを含めた印象は変わってくる。スイフトスポーツに組み合わされる6速MTは、6速が完全なオーバードライブとなっており、2速~3速間のギア比もやや離れたものとなっている。1~5速のギア比は、ギア比と最終減速比をかけ合わせたステップ比で比べると先代スイフトスポーツよりわずかにハイギアードな設定。そのためかパワーアップしたほどには加速感はよくなっていない。ちなみにCVTは、出来はいいがスポーツカー用のミッションとしては「?」がつく。一方のポロGTIは、トルクの切れ目のない素早いシフトアップと正確無比なシフトダウンを身上とするDSGを搭載。エンジンはこのミッションに合わせてセッティングしたのかと思えるほどマッチングがよく、エンジンの性能をよく引き出している。

ハンドリングの優劣

CHASSIS-足回り性能 スイフトスポーツ 95点:スイフトは前がストラット、後ろがトーションビームながら、優れたチューニングでダンピングのきいた走りをみせる

CHASSIS-足回り性能 スイフトスポーツ 95点:スイフトは前がストラット、後ろがトーションビームながら、優れたチューニングでダンピングのきいた走りをみせる

■ハンドリングの優劣ひと言でいってしまえばドシッとした安定感のあるポロGTIに対し、応答性のいいシャープな操縦性を持ったスイフトといったもので甲乙つけがたい。ポロの動きが鈍いかというと決してそんなことはなく、カーブでは、ロールスピードを抑え4つのタイヤがしっかり路面をとらえたままボディ全体で曲がっていくような印象。オン・ザ・レールの旋回感がある。またハンドルを切りだしたときのステアリングの正確度の高い操舵感も大きな魅力だ。スイフトは、ハンドル操作とクルマの動きがピタリと合った旋回性のよさを持っており、同時にクルマの曲がりやすさをイメージさせるようなセッティングになっている。しかし、リアのスタビリティは抜群で、本質的に高い安定性を備えている。両車に共通していえるのは、ボディの剛性感がすばらしく高いことだ。それが操縦性のよさに生きているのだろう。印象としては、クルマの本質的な性能ではスイフトスポーツはポロGTIに限りなく迫っていると思う。

操縦安定性

CHASSIS-足回り性能 VWポロGTI 97点:フロントはストラット、リアはトレーリングアーム。高速コーナリング時に内輪の空転を抑えるXDSを装備

CHASSIS-足回り性能 VWポロGTI 97点:フロントはストラット、リアはトレーリングアーム。高速コーナリング時に内輪の空転を抑えるXDSを装備

■操縦安定性操縦性についても、カチッとした乗り味や安定感はポロGTIがいいが、旋回性や機敏な操縦感覚ではスイフトスポーツが勝る。優劣というよりは想定する速度域の違いなのだろう。ポロGTIは200km/hまで見据えた走安性を想定しており、スイフトスポーツは150km/hくらいまでのハンドリングのよさに比重を置いたセッティングになのだ。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ