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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

PART1 日本のスポーツカーは『名門』を超えたか? 日産GT-R vs ポルシェ ボクスターS

GT-R VS ポルシェ

NISSANGT-R VS PORSHEボクスターS

NISSANGT-R VS PORSHEボクスターS

【本記事は2012年9月にベストカーに掲載された記事となります。】GT-Rとポルシェというと、いにしえのS 54 Bvs.904の時代から永遠のライバルだ。この両車、昔は価格的にかけ離れていたけど、最新モデルではGT-Rピュアエディション(869万4000円)と新型ボクスターS(774万円。取材車はオプション込みだと908万1000円)とその差は100万円。ただ、価格的に近くなったがスポーツカーとしてのコンセプトがちょっと異なる。GT-Rはひたすら速さを追求するクルマだから、真のターゲットは911GT2あたり。性能的には、ボクスターではちょっと格下感は否めない。

エンジンフィール

ENGINE-エンジンフィール ボクスターS 90点:315ps/36.7kgmを発生する3.4Lフラット6

ENGINE-エンジンフィール ボクスターS 90点:315ps/36.7kgmを発生する3.4Lフラット6

■エンジンフィール実際に乗り比べてみても、GT-Rはヘビー級のモンスターという威圧感が凄い。なんたって現行モデルのパワーは550ps/64.5kgmだ。車重は1.7トンを超えているけれどターンパイクのきつい登りもなんのその、3速でも4速でも恐ろしい勢いでその巨体を加速させていく。そんなマッチョなGT-Rから乗り換えると、ボクスターはまるでライトウェイトスポーツだ。3.4L/315psのスポーツカーをライトウェイトと表現するのもナンだけど、それを1.3トンにまとめたパッケージングは見事。加速感も運動性能もほんとうに軽快そのもので、ヒラリヒラリとワインディングをスッ飛んでゆく。クルマが「思いのままに動く」という満足感では、どこにもケチのつけようがない完璧な仕上がりなのだ。

ハンドリング

INTERIORの質感 GT-R 80点:まさに男の仕事場といった硬派なGT-Rのインテリア。ここにオシャレさはいらないのかも

INTERIORの質感 GT-R 80点:まさに男の仕事場といった硬派なGT-Rのインテリア。ここにオシャレさはいらないのかも

■ハンドリング同じワインディングをGTRで走ると、そのフィーリングの違いは劇的だ。あんまりゆっくり走ると高性能バイクでバンク角が不足している時みたいに落ち着かないし、攻め込んでゆくとコーナーをつなぐストレートの加速感があまりにも強烈すぎてブレーキングがナーバスになる。もちろん“腕の問題”という要素はあるんだけど、なかなか「今回は上手に走れたゾ」という境地に到達できないのだ。その点、ボクスターSはドライバーに優しいんだなぁ。まずは、たいして飛ばさなくてもワインディングが心地よい。シャープな吹き上がりに定評のあるNAエンジンとキレのいいシフトフィールが売りのPDK、この組み合わせが絶品でコーナー入口でフォン! とシフトダウンするだけでウットリしちゃうし、ブレーキングと同時に舵を入れてゆくときの素直な反応といったらどうよ!「ヤバイ! 俺ってこんなに上手かったっけ?」って、誰でも自信たっぷりな気持ちにさせてくれるのだ。スポーツカーとレーシングカーの重要な違いっていうのはココなのだ。

ファン・トゥ・ドライブ度

官能度はポルシェを凌いでいるか? GT-R:0→100km/h加速=2.8秒ニュルブルクリンクタイム=7分24秒22 ボクスターS:0→100km/h加速=5.0秒ニュルブルクリンクタイム=7分58秒

官能度はポルシェを凌いでいるか? GT-R:0→100km/h加速=2.8秒ニュルブルクリンクタイム=7分24秒22 ボクスターS:0→100km/h加速=5.0秒ニュルブルクリンクタイム=7分58秒

■ファン・トゥ・ドライブ度もちろん、速さでは圧倒的にGT-Rが上で、いい気分になっているボクスターのドライバーを置き去りにしてアッという間にコーナーの彼方へ消えてゆくのだが、その時のGT-Rドライバーの心情というのは、ファン・トゥ・ドライブというよりむしろビジネス。しかも、相当レベルの高いドライバーでないと、リスク感に負けてその領域に踏み込めない。たとえば、ボクスターでPASMのスイッチをオフにすると、2速レンジのコーナーだとおもしろいくらいテールを振り出して遊べるけど、とてもじゃないがGT-Rでタイヤ限界を極めるなんて有り得ない。まして、公道においてはなおさらだ。

乗り心地

ボクスターSの電動ソフトトップはスイッチひとつ、約9秒で開閉する。撮影車のGT-RはFor TRACK PACK(147万円のオプション)付き。性格は違えど、スポーツカーとしての官能度は?

ボクスターSの電動ソフトトップはスイッチひとつ、約9秒で開閉する。撮影車のGT-RはFor TRACK PACK(147万円のオプション)付き。性格は違えど、スポーツカーとしての官能度は?

■乗り心地また、最近は高性能スポーツカーの領域ではロードカーとレーシングカーの境界が曖昧になりつつあるが、ポルシェのすごいところは性能だけじゃなくロードカーとしてのマナーが極上なこと。GT-Rは初期モデルに比べると乗り心地はよくなったものの、絶妙という点ではボクスターSのほうが上。ボクスターSには電子制御可変ダンパーのPASMが付いていたが、スポーツ、スポーツ+にしても固すぎずいい感じ。またボクスターのPDKはシフトの歯切れよさはもちろん、ATとしてのスムーズさも高級サルーン並みだがGT-Rのミッションはスポーツ走行専用と思ったほうが無難。ギアノイズは明確に聞こえるし、市街地走行などでは停止寸前にガコン! とギアを入れ替えるショックも気になる。ロードカーのミッションとしてはマナー違反といわれてもしかたがない水準にある。

インテリアの質感

INTERIORの質感 ボクスターS 85点:新型ボクスターとなり大幅に質感が向上した。センターコンソールのスイッチの配置も991譲り

INTERIORの質感 ボクスターS 85点:新型ボクスターとなり大幅に質感が向上した。センターコンソールのスイッチの配置も991譲り

■インテリアの質感新型ボクスターSは先代に比べ、クォリティが大幅に向上。センターコンソールの形状も991譲りのデザインだから、安っぽさをまったく感じない。GT-Rのインテリアは硬派そのものだがインパネにもカッコよさがほしい。その点、ボクスターSのほうがオシャレな雰囲気が漂う。人によって好みが分かれるけど、991に負けない質感を得たボクスターSのほうが好印象だった。

991カレラSが相手なら?

■991カレラSが相手なら?このGT-Rの“立ち位置”は、相手が911(991)カレラSでも同じ。3.8L/400psでもパフォーマンスでは圧倒的にGT-R優勢だが、ロードカーとしてのクォリティはボクスター以上に911のほうが上。ニュルのラップタイムについては、新型のカレラSが997GT3並みに向上しているから、991のGT2やGT3が登場すれば、GT-Rとの差はかなり詰まるはずだ。

総合評価

■総合評価やっぱりポルシェはタダモノじゃない。GT-Rもニュルのラップだけじゃなく、スポーツカーとしてのクォリティと完成度を高めなくちゃいけませんね。ということでボクスターSを100点とすると、GTRは93点になるんじゃないかな。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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