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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02

more SWIFT スイフト進化論

スズキのスイフトが6年ぶりのフルモデルチェンジ

右のブルーがニューモデル 決して間違い探しではありません! 新旧スイフトのデザインを徹底比較

右のブルーがニューモデル 決して間違い探しではありません! 新旧スイフトのデザインを徹底比較

【本記事は2010年9月にベストカーに掲載された記事となります。】スズキのスイフトが6年ぶりのフルモデルチェンジを迎えた。6月にヨーロッパで先行して発表されているが、なんといったって話題は新旧モデルのデザインがそっくりな点に集まっている。確かに、一見すると、驚くほど似ている。先代スイフトは、スズキが世界戦略車と位置づけ、気合いを入れて開発し世界中で好調な販売をマークしたクルマ。デビューから5年目、モデル末期に近い昨年1年間の国内販売が、堂々の4万6000台強である。売れていないクルマは大胆に変更できるが、一般に売れているクルマのモデルチェンジは難しい。今回はスズキ首脳陣の頭を相当悩ませたに違いない。そしてスズキが下した選択はキープコンセプトだった。竹内尚之チーフエンジニアは、「ひと目でスイフトとわかってもらえることがコンセプトですが、ボディの面構成からサスペンション、何から何まですべて新設計です。クルマとしては進化しています」と胸を張る。なに、似ていると話題集中はスズキの思惑どおりなの!?そこまでいうなら、やってやろうじゃない、間違い探し。いやいや進化の確認を。ということで、新型スイフトを細かくチェックしよう。

ボディサイズ

後席の居住性が格段に向上。前席下の足入れスペースが広い!

後席の居住性が格段に向上。前席下の足入れスペースが広い!

次ページの表で新旧スイフトの主要スペックを比較しているように、新型のボディサイズは旧型に比べ全長で95mm、全幅で5mm拡大、ちょっとだけ大きくなった。ホイールベースも40mm延びており、前後方向のサイズアップがはかられている。いうまでもなく、衝突安全性の強化や居住性向上が狙いだ。全長が95mm延びたうち10mmがエンジンルームの延長。わずか10mmだが、これが意外と効果を発揮する。エンジンルーム内でボディとパーツ、あるいはパーツとパーツの間隔をほんの少しずつ広げたことにより、まず整備性が向上する。さらに万一の事故でもパーツ同士の干渉が軽減し、クルマ全体のダメージも低下させる狙い。たった10mmとバカにできないほど効果が大きいサイズアップだ。コンパクトカーのなかで、全長3850mmは少し大きくなる(それでもわずかだ)が、取り回しに苦労するほどでもなく、むしろパッケージングが向上し、前後のシートの間隔が広がるなど、特に後部座席の居住性が大幅によくなった。ボディサイズは大きくなったのに軽くなったのも新型スイフトの特徴のひとつ。FFのCVT車は、前モデルから10kg軽量化され990kgと、1tを切っている。やはり1tあるかないかは、ユーザーが受ける印象も違ってくる。軽量化に大きく貢献しているのが新開発のプラットフォーム。ボディ骨格に高張力鋼板を積極的に使用して軽量化した。同時にねじり剛性も15%向上、走りのレベルアップにつながっている。

エクステリア

新旧X-トレイル以上に似ている。写真より実物を見たほうが「違い」がわかるし、細部をよーく見ると新旧の差は感じるのだが、「ひと目でスイフトとわかる」デザインコンセプトとはいえ、ここまで似せる必要があったのか。今回のモデルチェンジは6年ぶり。次も同じように6年先だとしたら、都合12年もほとんど同じスタイルで飽きないか疑問だ。例えばフロント回り。グリル形状はよく見ると変わっている。バンパーもライトの下のスリットの本数が違う。ライトのデザインだって変わっているのに、全体の印象は「似ている」になってしまう。相当の個人的感想では史上最高のキープコンセプトだ。

サスペンション

サスペンションもレベルアップしている。基本構造はフロントにマクファーソンストラット、リアがトーションビームと前モデルからの継承だが、セッティングには徹底的にこだわった。開発陣は、ドイツで連続高速性能をチェック、イギリスでハイスピードワインディングを走り込んでセッティングの基本的な方向性を決め、日本では北海道でのテストで寒冷地性能などを煮詰めたそうだ。さらに、トーションビーム断面を二重構造にしたり、ベアリングとハブを一体化させるなど細部の改良を積み重ねて、サスペンションで2kgの軽量化を実現するとともに、ロール剛性を25%高めている。前述のプラットフォームといい、サスペンションといい、見えないところでは大きく進化している。走りのレベルは相当アップしたようで、試乗会が楽しみである。

エンジン

前モデルでは、4WD車とMT車に1.3LのM13A型を、FFのCVT車には1.2LのK12B型の2本立てだったが、今回のモデルチェンジで全車K12B型に統一された。基本的には、旧型からのエンジン踏襲だが、中身はかなり熟成が進んでいる。吸排気VVTが与えられ、よりリニアなトルクカーブが実現できている。最高出力、最大トルクの数字自体は以前と変更ないが、最大トルクの発生回転数を4400回転から4800回転へと変更した。これにより、低回転域から高回転域まで全域で扱いやすいトルク特性になっている。また、副変速機構付きの新開発CVTも採用された。副変速機構は最近の流れで、燃費向上に結びついている。スズキの発表によると、VVT採用のエンジン、副変速機構付きCVT、新開発の軽量ボディ、サスペンションのセッティング変更などにより加速性能が向上。前モデル比で、0~100km/h発進加速タイムが約7%、40~80km/h追い越し加速タイムは約16%アップした。いっぽう、静粛性は60km/h走行時で3dB、100km/h走行時では2dB減少し、さらに燃費は2km/Lアップの23.0km/Lだ。この数字を見ると、フルモデルチェンジで進化したことがはっきり実感できる。

インテリア

全体に黒を基調に落ち着いた雰囲気でまとめられたインテリア。メーター付近に効率的に情報を集約し視認性のよさが光る。大型化されたドアミラーも見やすく、運転しやすさも向上している。上級グレードのXSにはパドルシフト、クルーズコントロールも採用され使いやすさがアップ

全体に黒を基調に落ち着いた雰囲気でまとめられたインテリア。メーター付近に効率的に情報を集約し視認性のよさが光る。大型化されたドアミラーも見やすく、運転しやすさも向上している。上級グレードのXSにはパドルシフト、クルーズコントロールも採用され使いやすさがアップ

エクステリアデザインに比べ、インテリアには前モデルからの変化が見て取れる。インパネでは、メーター周辺に各種の情報を集約したマルチインフォメーションディスプレイを採用、運転中に視線を大きく動かさずに状況判断ができる。運転に不慣れな人や女性ドライバーには嬉しい装備だ。また、収納スペースや小物にも気を配られている。ボディの拡大とともに、居住性の向上にひと役買っているのがシート形状の変更。シートバックの背面を工夫して、後席の膝回りがスペースが20mm広がった。インテリアも旧型からの進化を実感!

価格とおススメグレード

新型スイフトは3グレード展開で、ベーシックなXG、中間のXL、上級となるXSがラインナップされる。全グレードに4WDモデルも用意され、XLとXGには5MTが加わる。前モデルでの4WD車に設定されていた4ATは廃止となり、CVTとの組み合わせだ。価格は、FFが120万~140万円台で、4WDは17万8500円高となる。ベーシックなXGは、CDプレーヤーもオプションである点を考慮すると、16インチの魅力からもXLが売れ筋となりそうだ。注目のスポーツは遅れて登場となる。新型は人気だった先代を超えるか楽しみである。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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