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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.03

トヨタのミドルサイズハイブリッドカー『SAI』デビュー! 『彩』りの『才』能あらわれる

SAIはHS250hとコンポーネンツを共用する兄弟車

来年3月までに3万7000台受注目標

来年3月までに3万7000台受注目標

【本記事は2009年11月にベストカーに掲載された記事となります。】「SAI」という車名は“才”、“彩”を意味しているのだという。SAIとアルファベットでの表記だが、「さい」と読む。さぁて、この「SAI」というクルマ、どのように紹介したものだろうか……。ものすごく簡単に表現してしまえば、レクサスHS250hの兄弟車のトヨタバージョン、ということになる。SAIは2.4Lエンジン+モーターのハイブリッド車。ボディエクステリアのデザインやサイズなどはHS250hとは大きく異なっているが、プラットフォームやハイブリッドシステムなどのハード部分は両車共通。インテリアの仕上げは異なっているが、基本的な造形は両車共通となっている。うーん、兄弟車といっても、昔のカローラ/スプリンターよりは両車に大きな差があって、’80年代のFR最後のセリカとカリーナとコロナが実はプラットフォームが共通の兄弟車だった、といった感じの差でしょうかね。エクステリアはちょっとばかりゴテゴテっとした感じのレクサスに対してSAIはスッキリまとめ上げられた印象。シャープで切れ込んだようなデザインのヘッドライトとメッキの横桟グリルが印象的なレクサスに対し、SAIは控えめなグリルでヘッドライトも優しい印象。後ろ姿も縦型のコンビランプを採用していることもあり、遠目にはちょっと大きなプリウス!? といったふうにも見える。ボディサイズは全長4605mm、全幅1770mm、全高1495mmでレクサスHS250hと比べて全長が95mm短く、全幅が15mm狭く、全高が10mm低くなる。ホイールベースは2700mmで両車同じ。ボンネットフードからAピラー、ルーフラインとつながり、Cピラーからトランクリッドへとつながるラインが一連の大きな円で引かれたようなワンモーションラインがSAIの特徴なのだが、HS250hがなんというか、ちょっと寸詰まりのフォルムに見えたのに対し、SAIはワンモーションフォルムがうまくまとまっていて、新時代のミドルサイズセダンのあり方を示唆している感じ。

ハイブリッドシステムHS250hと完全共通

2.4Lエンジン+モーターのハイブリッド搭載 エンジンはアトキンソンサイクル化された2.4L、直4で150ps、19.1kgm。143ps、27.5kgmのモーターが組みあわされる

2.4Lエンジン+モーターのハイブリッド搭載 エンジンはアトキンソンサイクル化された2.4L、直4で150ps、19.1kgm。143ps、27.5kgmのモーターが組みあわされる

パワーユニットはまんまHS250hと同じ。アトキンソンサイクル化された直4、2.4Lエンジン(150ps、19.1kgm)とモーター(143ps、27.5kgm)を組み合わせたハイブリッドシステムを採用。システム出力は190psを発揮、10・15モード燃費は23.0km/Lを発揮する。これらスペックはHS250hと共通なので、ドライブフィールも同じだろう。HS250hに乗ればわかるけど、けっこうパワフルなんだよなぁ。しかも、SAIの車重は1570kgでHS250hよりも70kgも軽いので、より動力性能はパワフルに体感されるはず。ちょっと不思議なのは、70kgも車重の差がありながら、10・15モード燃費は23.0km/Lで変わらないということ。70kgの車重は燃費に影響しないのだろうか!?

インテリアは独自のフィニッシュでちょっと簡素か!?

シンプルにまとめられたインテリア。インパネの基本的な造形はHS250hと共通のものだが、スピードメーターを主体にしたメーターのデザインや、センターパネルの表面などはSAI独自

シンプルにまとめられたインテリア。インパネの基本的な造形はHS250hと共通のものだが、スピードメーターを主体にしたメーターのデザインや、センターパネルの表面などはSAI独自

室内は、これはもう、簡略化されたHS250hという表現に尽きる。特徴的な手前にせり出したような形状のセンターパネルはHS250hとまったく同じ形状で、インパネセンター部に可倒式のカーナビ画面がレイアウトされる形状も同じ。カーナビ操作部はせり出したセンターパネル部に配置され、HS250hではマウスのような「リモートタッチ」と呼ばれる機構となっていたが、SAIではちょっと簡略化されたリモートタッチが採用されている。操作感はHS250hのほうがスムーズな印象だが、SAIのものでも使い勝手に大幅に劣るということはない。このセンターパネルだが、正直、HS250hが豪華すぎだということもあり、SAIはちょっと質素すぎるように感じてしまった。HS250hのセンターパネルはレクサス車に共通するツヤ消しのグレーで、両サイドをシートやドアトリム地と同じ本革で覆っており、見た目にも手触り面でも高級感あふれている。対するSAIだが、センタパーネルの両サイドはシルバーの加飾パネルが覆われており、ワンポイントとなるのだが、表面のパネルがいかにもプラスチックの質感で、ちょっと残念。オーディオ部はパネル中央部の開閉するふたの内側で、スッキリしているのだが、少々物足りなさを感じるのもまた事実。特に、豪華な印象のHS250hを知ってしまっているだけに、物足りなく感じてしまうのかもしれない。メーターは2眼タイプのHS250hに対してSAIは大型の速度計がメーターパネルに鎮座するデザイン。豪華さはHSが上だが、見やすさという点ではSAIが上だな。シートの形状はHS250hと同じで、ややヒップポイントが高く(地上高590mm)、アップライトなドライビングポジションとなるのも同じ。乗降性に優れていて、腰を大きくかがめることなく乗り降りできるのが、腰痛持ちにはうれしいのだ。ただ、シート表皮についてはHS250hとは異なり、一般的なモケット地となっている。レクサスの光沢感のあるクロス地は、高級感があって好きだったんですけどね……。室内空間は、全体的にゆったりした、余裕のある空間となっている。天井が高く、リアシートに座っても、頭上にはコブシひとつ分以上の余裕があるし、ヒザスペースもコブシひとつ分以上の余裕がある。ヒザスペースは、前席シートバック裏側を大きくえぐり取ったような形状としているのが大きく効いている。これら以外にも、エアコン吹き出し口のルーバーの形状が違っているなど、細かい部分の差異がある。全体的にスッキリとした仕上がりとなっているのがSAIの特徴といえるだろう。SAIは来年3月までに3万7000台の受注を目指すという。トヨタは本気だ!!

SAIのグレード研究 どれがベストバイ!?

SAIのグレードは廉価バージョンの「S」(338万円)と装備充実バージョンの「G」(380万円)の2タイプに、それぞれ安全装備を充実させた「ASパッケージ」が用意されている。ASパッケージではプリクラッシュセーフティ、レーンキープアシスト、レーダークルーズコントロールなどが標準装備となる。S・ASパッケージが385万円、G・ASパッケージが426万円となっている。SAIは安い「S」でも装備は充実しており、充実したエアバッグシステム(運転席&助手席、運転席・助手席サイドエアバッグ、運転席ニーエアバッグ、前後席カーテンシールドエアバッグ)にエアコンやクルーズコントロール、S-VSC&TRCなどは標準装備。HDDカーナビも標準装備で6スピーカーのオーディオシステム(DVD、CD、MD、ラジオ)も標準装備。レクサスHS250hの価格は395万円だが、この価格差57万円はこうした機能面での装備差ではなく、センターパネルの本革トリムだとか、シート生地の違いだとか、そういった「レクサスクォリティ」との差額。機能的には何ら見劣りすることはない。上級の「G」はオーディオが10スピーカーになったり、タイヤが215/45R18になったり、ヘッドライトがLEDタイプとなったりするなどの装備の充実によるもので、パワートレインなどの違いはない。42万円の価格差を考えれば「S」が圧倒的にお買い得だと思う。

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