あの“トッポ”が復活　トールボーイタイプ軽のフロンティアが初代から17年振りに帰ってきた

【本記事は2008年10月にベストカーに掲載された記事となります。】タントやパレットなど全高1700mmを超えるような背の高いクルマの販売好調が続いている軽自動車市場。そのなかでこうしたタイプの軽をラインアップしていなかった三菱から名車「トッポ」（イタリア語でネズミのこと）のネーミングが復活、トールボーイタイプ軽乗用戦線に高らかに名乗りを上げた。

そもそも6代目ミニカの派生車種として’90年に登場した初代ミニカトッポが、こうした軽乗用のトールボーイタイプの草分け的存在。軽商用では’84年5月に初代ミラに追加されたウォークスルーバンが元祖だったが、ミニカトッポはそのコンセプトを軽乗用に持ち込んだ最初のモデルといっていいだろう。これに刺激されたスズキが’93年に初代ワゴンRを送り込むことになる。ワゴンRのデビュー後、各社から初代ムーヴ（’95年）、初代ライフ（’97年）とトールボーイタイプの軽乗用が続々と登場し、’98年にミニカトッポは後継モデルのトッポBJにスイッチし、ミニカから独立したモデルとなった。しかし、初代ミニカトッポほどの人気を得ることはできず、’04年5月に生産を終了し、三菱からは全高1550mm（立体駐車場に入庫できる高さ）を超えるトールボーイタイプの軽乗用車がラインアップからしばらく姿を消すことになった。

そして、満を持して再登場することになったのが今回のニューモデルであるトッポ。で、トッポの特徴のひとつ目はまず広い室内空間だ。フロアを低く抑えることで軽乗用モデルとしてはトップの室内高1430mm（タントで1355mm、パレットで1365mm）を誇り、平均的な小学5年生（男子で139cm、女子で140cm）が車内で立つことができるというのだからオドロキ。開放感のある車内は、前方上方視界を約23度確保されている。ふたつ目は、低重心によるトールボーイタイプ軽乗用ではトップクラスの操縦安定性。eKワゴンに比べ、全高は130mm高いのだが、重心は30mm高いだけにとどめられている。トッポのサスはeKシリーズのサスを改良したもので、車高が高いボディでも旋回中のロール角をeKワゴンとほぼ同じにすることに成功。トールボーイタイプの泣き所であるコーナリングでの操縦安定性を実現している。最後の3つ目は女性にうれしい安心装備が設定されていること。夜間でも安心して乗り込める「運転席ドア限定アンロック機能つきマルチモードキーレスエントリーシステム」のほか、紫外線や赤外線によるジリジリ感を軽減する「UV＆ヒートプロテクトガラス」や消臭天井など、デリカD：5から始まった「cocochi（ここち）インテリア」が採用されている。

エンジンは直3SOHCのNA（50ps／6.3kgm）と同ターボ（64ps／9.5kgm）の2タイプで、NAエンジンは平成17年低排出ガス75％（☆4つ）、ターボは同50％（☆3つ）を達成している。エクステリアでは標準ボディのほか、専用のメッキグリルやサイドエアダム、リアスポイラーなどで武装したスポーティな「ローデスト」の2種類を用意。価格はNAのMが105万円（4WDは117万6000円）、ローデストGが133万8750円。ターボのTが132万3000円（4WDは144万9000円）、ミッションは3ATのSを除き4AT。タント、パレットのライバル2車に比べ価格では割安な設定になっている。

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