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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

クラウン リッター200円時代も近い!! ハイブリッドの真価

ファイナルギアをハイギアードとすることでGS450hよりもマイルドな動力性能とし、実用燃費性能の向上を実現。が、走りはなかなかのハイパフォーマンスだ!!

ファイナルギアをハイギアードとすることでGS450hよりもマイルドな動力性能とし、実用燃費性能の向上を実現。が、走りはなかなかのハイパフォーマンスだ!!

【本記事は2008年7月にベストカーに掲載された記事となります。】シリーズ全体のモデルチェンジに遅れること4カ月、クラウンハイブリッドが5月6日より発売を開始した。クラウンには2代前のモデルにマイルドハイブリッドがラインアップされていたが、本格的なハイブリッドは今回が初めてとなる。ハイブリッドシステムは最高出力296馬力、最大トルク37.5kgmを発揮する3.5LのV6エンジンに最高出力200馬力、最大トルク28.0kgmを発揮する交流同期モーターを、動力分割機構を介して接続したFR用THSII。システム自体は先に登場しているレクサスGS450hのものとまったく同一でシステム出力は345馬力。モーターに組み合わされる2段変速リダクションギアもGS450h同様採用されている。

あくまでもクラウンらしさを追求したハイブリッド

3.5L、V6エンジンにモーターを組み合わせ、システム出力は345馬力を発揮!! アスリート3.5よりもパンチのある動力性能だ

3.5L、V6エンジンにモーターを組み合わせ、システム出力は345馬力を発揮!! アスリート3.5よりもパンチのある動力性能だ

エクステリアはフロントグリルがロイヤル風(だが専用デザイン)の横桟グリルにアスリートと同じ大きな開口部を持ったフロントバンパーで、ハイブリッドならではの「顔」を作り上げている。リアビューは、クリアレンズのコンビネーションランプがハイブリッドの証。見た目にもクラウンシリーズとの明確な差別化を図っているのだ。走り出してすぐに感じたのは、「おや、GS450hほど過激な加速ではないな」ということ。ハイブリッドシステムが同じで車重はクラウンのほうが50kg軽い1840kg。GS450hよりも動力性能が高くてもいいはずだが……。「レクサスはパフォーマンスを重視したハイブリッドという位置づけですが、クラウンはちょっと違います。もちろんパフォーマンスも無視はできませんが、燃費も一定レベルはキープしなくてはなりません。扱いやすいパフォーマンスという点に気をつけました」と寺師茂樹チーフエンジニア。具体的にはファイナルギア比をGS450hよりも15%程度ハイギアードにしているのだという。GS450hの3.769に対してクラウンハイブリッドは3.266となっている。これによって加速性能を若干犠牲にしつつも燃費を向上させているというわけだ。10・15モード燃費はGS450hの14.2km/Lに対して15.8km/L。実に11%燃費が向上している。加速性能が若干マイルドに感じたのはこのためであった。が、モチロン動力性能的に不足があるということではない。クラウン3.5Lアスリートと比べても、ハイブリッドのほうがダンゼン発進加速は鋭いし、追い越し加速のレスポンスもいい。また、クラウンハイブリッドに装着しているタイヤのほうが転がり抵抗が小さいものとなっていて、実用燃費でのメリットもあるという。

250km走って実用燃費を徹底チェック!!

アクセルオフでただちにエンジンは停止する

アクセルオフでただちにエンジンは停止する

やっぱり、ハイブリッド。気になるのは実用燃費である。さっそく徹底チェックをしよう。軽井沢の試乗会場から上信越道を下り一気に長野市内まで往復。高速道路上は周囲のクルマの流れに乗ることを心がけ、なるべく「実用的」な燃費データを記録できるように気をつけた。軽井沢から長野までの区間は、下り坂が多く、往路は燃費計の数字がどんどん伸びていく。アクセルをオフにしている時間が長く、その状態ではすぐにエンジンがストップ。ガソリンをまったく消費しないことがメーターパネル内のエネルギーモニターで視覚的に確認できてなんか気持ちがいい。長野インター到着時の走行距離は約80kmで車載の燃費計の数字は14.2km/L。お見事です。せっかく長野市内まできたので善光寺に行こうと思ったのだが、時間がないので直ちに引き返す。長野インターから上信越道を碓井軽井沢インターに向けて走らせた。今度は基本的に上り坂なので燃費計の数字は徐々に小さくなっていく。アクセルを踏んでいる時間が長く、エンジンが停止している時間は短い。小諸のあたりから佐久、そして碓井軽井沢インターにかけては上り坂がきつくなり、車速を維持するため一段とアクセル開度が深くなり、燃費計の数字が一気に落ち込む。走行車線を走る速度の遅い先行車をパスするためにアクセルをグイと踏み込むと、瞬時にモーターがアシストを開始し、胸のすくような加速で一気に先行車を抜き去ることができる。明らかに3.5Lアスリートよりもキビキビした走りで気持ちいい。

ハイブリッドの真価が発揮される場面も

さて、気になるトータル燃費だが、試乗会場に戻った時点での走行距離は約165km。燃費計の数字は11.2km/Lだった。アップダウンの激しい上信越道、しかも走行抵抗が増加するウエットコンディションということを考えると充分納得できる燃費。引き続き一般道での燃費チェックに出撃。国道18号線を軽井沢から小諸方面に走り、JR小海線沿いに佐久方面に戻るように走り、佐久ICから上信越道に乗り軽井沢に戻るルート。トータルで約85kmの道程である。約15km程度が高速道路だが、それ以外は一般道。郊外の1車線国道のイメージだ。平日の日中ということもあり、交通量はけっこう多く、ストップ&ゴーも頻繁。ハイブリッドの真価が発揮される場面である。結果、燃費計の示した数字は10.5km/L。345馬力を発揮する車重1840kgの3.5L車が街中でコンスタントに10.0km/Lを超えるのなら、これは充分に「燃費がいい」と断言できる。クラウンハイブリッドの価格は619万円。本革シートがファブリックとなるスタンダードパッケージでも595万円。アスリート3.5Gパッケージの567万円と比べれば28万円プラスでハイブリッドが手に入るのなら、これは案外狙い目ではなかろうか!?雨のなか、高速道路も含めて相当距離を走ったのだが、試乗を終えたあと、思いのほか疲労を感じなかった。軽く240km走れてしまう。これこそがクラウンの真骨頂だ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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