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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05

クルマの王道はセダンだ!! マイナーチェンジしたマークXを再チェック 熟成きわまるFRセダンの魅力

250Gには従来からあったが、300Gに新設定されたSパッケージは18インチタイヤ(他グレードは16インチ)や特別にスポーティにチューニングされたAVSサスや優れた安全性を実現するVSC&TRC、さらには16インチブレーキを採用してストッピングパワーを高めたスポーツブレーキを標準装備してさらにファン・トウ・ドライブなマークXとしている

250Gには従来からあったが、300Gに新設定されたSパッケージは18インチタイヤ(他グレードは16インチ)や特別にスポーティにチューニングされたAVSサスや優れた安全性を実現するVSC&TRC、さらには16インチブレーキを採用してストッピングパワーを高めたスポーツブレーキを標準装備してさらにファン・トウ・ドライブなマークXとしている

【本記事は2007年4月にベストカーに掲載された記事となります。】ベストカー編集部、およびその関係者総出演の撮影になった。みんなスポーツセダンが好きな男たちだ。商売柄、RVにもスポーツカーにも乗ることが多いが、『やっぱり運転して楽しくて、落ち着くのはスポーツセダンだね』という結論になる。本誌でも年に数回読者アンケートをやる。Q「あなたの好きなクルマのタイプは?」という質問で、決まって1位、2位になるのはスポーツセダンである。ベストカー愛読者の皆さんも大好きなクルマなのだ。その理由はといえば、走りの機能と優れた居住性を最も巧みにバランスさせたクルマの形態にあると思う。そういう意味でトヨタのマークXはスポーツセダンを象徴するようなクルマだ。まず大きな意味があるのは、マークXがFRレイアウトを死守していること。世界標準ではこのセグメントのセダンはFFが多数派だが、マークXはセダンが持つ走りの魅力をアピールする重要な手段として、あえて手間のかかるFRレイアウトを採用している。そう、走るのが好きな人にとって「FRセダンこそクルマの王道!」なのだ。FRであるマークXの存在価値は、それゆえ高いのである。スポーツセダンの王道を行くマークXのポイントを見ていこう。

大人のスポーツセダンとしての間口の広さがいい DRIVING IMPRESSION

リアリップスポイラーや排気管を組み込んだバンパーはスポーティでかっこいい

リアリップスポイラーや排気管を組み込んだバンパーはスポーティでかっこいい

昨年10月のマイチェンで熟成されたマークX。その走りをさっそくチェックしたい。まず、四隅にタイヤを配した低重心ボディを生かして運動性の高さはベーシックモデルでもかなりの水準だが、今回試乗した300G・Sパッケージになると、225/45R18タイヤや電子制御可変ダンパー“AVS”によって、しなやかななかにも骨太でスポーティなハンドリングが表現されている。このクラスのスポーツセダンというと、どうしてもスカイラインと比較したくなる。絶対的なパフォーマンスでみると、排気量が500cc大きいスカイライン350GTには動力性能面で一歩譲るし、過激なほどに操舵レスポンスを高めた4輪アクティブステアみたいな“飛び道具”もない。マークXのハンドリングは、スポーツセダンとしてはややおとなしいといってもいいかもしれない。ところが、表面上はマイルドなマークXだが、相当に早い転舵レベルでも応答遅れなく素直に回頭し、コーナリング中にギャップを越えたり加減速Gを与えたりしても、ヨー軸に変な乱れをきたさないところなど、攻め込めば攻め込むほどに本来の底力が見えてくる。スポーツ派から見るとちょっとおくゆかしく感じる味つけなのだが、ふだんは爪を隠しておくのが、“大人のセダン”としてのマークXのコンセプト。キャラクターをスポーツ一色に塗りつぶさないところが、むしろこのクルマの“間口の広い”イメージに繋がっているともいえるわけだ。そういう間口の広さというか、誰にでもお薦めできる普遍性に関してはマークXは強力で、実質的に最多量販車種となる2.5L版が充実している。スカイラインとの比較でも、対250GTだと動力性能面ではほぼ互角。ATが1段多い6速である点で、実質的なドライバビリティはマークX優勢。

エンジンは2.5Lと3LのV6

エンジンは2.5Lと3LのV6

スポーツセダンとはいっても、実質的な販売の主戦場はこのあたり。そのためにあまり過激なスポーツ色を打ち出すのは控える。それがマークXの戦略といえるのかもしれない。そんなスポーツセダンとしての爪を隠したマークXだが、もちろんドライバーがその気になれば256ps/32.0kgmのパワーを自由に後輪に与えられるFRならではの楽しさがある。パワフルなエンジンは、とりわけFRでは走りのクォリティを左右する重要な要素だが、マークXが搭載するGR系V型6気筒はその点、実に強力な武器。最新ユニットだけに燃費や環境性能とパフォーマンスが高度に両立しているのはお見事で、3L、256psの3GR-FSE型はもちろん、2.5L、215psの4GR-FSE型も、フラットなトルクカーブを描いてトップエンドまでストレスなしにスムーズに吹け上がる。6速ATにすべて任せるもよし、またシーケンシャルモードで各ギアをマニュアルシフトでつないでゆくもよし。エンジンが気持ちいいと加減速がストレスにならないという見本みたいな吹け上がりで、加速フィールそのものをエンジョイすることができるエンジンに仕上がっている。そのエンジンに鞭をいれ、前輪で舵を切って後輪で地面を蹴る……。リアを滑らせるといった領域まで踏み込まなくとも、ステアリングにもアクセルワークにも血が通っているのがFRの気持ちよさ。ドライビングの経験を積んだベテランになればなるほど、その自然な動きに「クルマってやっぱりこうあるべきだよなぁ」と再認識する心地よさがある。そのファン・トゥ・ドライブな走りの楽しさは、FRスポーツセダンとして第一級のものといって間違いない。また、とっても気になる燃費も3LのSパッケージで11.8km/L(スカイラインの3.5Lは9.2km/L)と、他を圧倒しているのも嬉しいことだ。走りのクォリティでセダンの新時代を切り拓く。走ってみると、まさにこれがマークXの魅力の真髄であることを実感することだろう。

マイチェンでよりスポーティになったエクステリア EXTERIOR

ナイトドライブをさりげなく演出するLED照明の天井大型イルミネーション。300G Sパッケージには標準装備されている

ナイトドライブをさりげなく演出するLED照明の天井大型イルミネーション。300G Sパッケージには標準装備されている

昨年10月のマイナーチェンジで、フロントグリルのデザイン変更と、フロントバンパーホールカバーをメッシュタイプに変更し、セダンらしいフォルムにスポーティさを加えた走りのよさを予感させている。ちなみにSパッケージのフロントグリルはスモーク調塗装とし、フロントバンパースポイラーとリアのリップスポイラーが標準装備されていて、よりいっそうスポーティ感を前面に押し出している。マークXの注目ポイントはその見える部分だけではない。アンダーボディのフラット化や各種の整流パーツにより、床下の空気の流れをコントロール。4ドアセダンとしては驚異的なCD値0.28を実現。また、全車に標準でドアミラーにLED式のウインカーランプを内蔵し、デザイン性の向上と視認性の確保を両立している。リアのコンビネーションランプのストップ&テールランプ部に赤色インナーレンズを追加し、点灯時にインナーレンズ全体が光り視認性を高めている。

充実した装備、コストパフォーマンスの高いインテリア INTERIOR

インテリアは、もともとスポーティなスタイルを前面に押し出していて、若々しいイメージだったが、シート表皮と柄、木目調パネル部分の拡大やセンターコンソールパネルなどの変更で、質感がグレードアップしている。全車に高級感のあるプッシュオープン式フロントコンソールボックスを標準装備し、ワンランクアップの上質感を演出している。また、Sパッケージには、メタル調のパネル&パワーウィンドウスイッチベースや専用本革巻き3本スポークステアリングホイールを採用して、スポーティな走りを演出している。そして、これだけの充実した装備に加え、今回のマイナーチェンジで一部、車両本体価格が見直されている。ちなみに、250G Sパッケージがマイナーチェンジ前より11万5500円安い、297万1500円。300G Sパッケージでは、従来設定されていた300GプレミアムSパッケージに比べると35万7000円安い、348万6000円となっていて、価格も魅力的だ。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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