車のエンタメ
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2017.02.02

大幅に進化を遂げた「スズキ ワゴンR」がフルモデルチェンジ!

文●工藤貴宏 写真●川崎泰輝

1993年にデビューして以来、累計販売台数約440万台を誇る人気モデル「ワゴンR」がフルモデルチェンジし6代目に生まれ変わった。価格は107万8920円(FA 2WD・CVT)153万360円(HYBRID FZ 4WD・CVT)。
興味深いのは、ベーシックな「ワゴンR FA」と「ワゴンR スティングレーL」を除くグレードの名称に「HYBRID(ハイブリッド)」が付随することだろう。何を隠そう、新型ワゴンRはベーシックグレードを除きハイブリッドを名乗るのだ。
ハイブリッドは「マイルドハイブリッド」と呼ばれるタイプで基本的なシステムは従来モデルに搭載されていた「Sエネチャージ」に近い。しかし、同機構の要となるISG(モーター機能付発電機)の高出力化やリチウムイオンバッテリーの大容量化によりエンジンを止めたままモーターだけでクリープ走行できるようになったのがトピックであり、進化のハイライトである。モーターによるクリープ走行は最長10秒間可能だ。
その効果もあり、自然吸気ハイブリッドモデルのJC08モード燃費は軽ワゴンでもっとも優れる33.4km/Lに到達した。
全面刷新されたプラットフォームは軽量化と剛性アップを念頭に置いたもの。そのダイエットは約20kgとスズキの最近の新型車に比べるとやや控えめな数値だが、とはいえ装備が充実したにもかかわらず先代よりも軽く作られていることは高く評価したい。燃費はもちろん走行性能や乗り心地でもメリットを感じられることだろう。

シリーズは従来同様に標準仕様の「ワゴンR」と上級仕様の「ワゴンRスティングレー」が用意され、エンジンは主要グレードに自然吸気を搭載するが「スティングレーT」のみターボを組み合わせている。

さらに、HYBRID FZ・HYBRID FXにメーカーオプションとしてヘッドアップディスプレイを用意。これは、運転中、車速などの情報をドライバーの視線上に表示する装備で、軽自動車での採用は初。より一歩踏み込んだ形での安全性能を提供する。

いずれもエクステリアデザインは従来からガラリと変わって新しさを感じさせるもので、特にBピラーを強調したサイドビューは斬新。これまでのように窓を広く見せるのではなく、コンパクトな窓でパーソナル性を強調したデザインへと方向転換がはかられたことを感じさせる。

標準車と「スティングレー」で車両前部の意匠に明確な差がつけてあるのはもちろんのこと、標準車においてもトップグレードの「HYBRID FZ」はヘッドライト、グリル、バンパーを専用とするなど他の仕様とは異なるデザインを採用。エクステリアは標準車、上下分割ヘッドライトの「HYBRID FZ」そして縦型ヘッドライトを組み合わせるスティングレー系と合計3パターンが用意されている。

さて、ワゴンRといえば居住スペースも気になるところだが、その進化も期待を裏切ることはなかった。室内長は先代に比べて285mmも伸び、前後席間の距離も35mm延長。いうまでもなく歴代でもっとも広い室内空間となっている。

軽自動車という限られた枠の中で室内スペースを拡大するのは難しいことだが、新型ワゴンRはエンジンルームの前後長を短縮したことで室内化空間の拡大につなげた。また先代に比べてホイールベースを35mm伸ばしたことで後席乗車位置も後方へ移動したことが、前後席間距離を拡大できた理由だ。
にもかかわらず、荷室も4名乗車時の床面の奥行きを10mm延長するなど拡大しているのだからパッケージングの進化に死角はない。単に容量が増えただけでなく、床下収納スペースの拡大やシート格納時の床面をフラットに近づけるなど使い勝手の向上は“大幅”といっていいだろう。

昨今の新型車で注目される安全装備に関しては、単眼カメラと赤外線センサーを組み合わせて約5km/hから100km/hの範囲で作動する「デュアルセンサーブレーキサポート」と呼ぶ自動ブレーキを搭載。前方に障害物のある停車または徐行時にはアクセルの踏み間違いなどでの急加速を防ぐ機構なども組み合わせている。

そしてハイビームとロービームの切り替えを自動的におこなう機構のスズキ軽自動車初搭載にくわえ、軽自動車初となるヘッドアップディスプレイの採用も大きなニュース。ここには、車速やクルーズコントロールの作動表示、シフトポジションのほか前方衝突警報や自動ブレーキの表示、ナビゲーションの道案内に連動した交差点案内なども示して運転をサポートする。

シャシーの刷新、ハイブリッドシステムの進化と燃費向上、広くなった室内や実用性を増したラゲッジルームなどパッケージングの進化、そして先進安全装備の充実。スズキを代表する軽自動車だけあり、その進化幅はきわめて大きいフルモデルチェンジといえるだろう。

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グーネットマガジン編集部

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