車を売却する際、メンテナンスノート(点検整備記録簿)は絶対に提出しなければならない必須書類ではありませんが、査定時に「これまで大切に乗られてきたか」を証明する大切な材料になります。メンテナンスノートには、過去の法定点検や修理、オイルやバッテリーなどの部品交換歴が記録されているため、しっかり手入れされていた車だと評価してもらいやすくなります。

特に、年式が古い車や走行距離が多い車ほど、整備の記録が残っていることで「故障のリスクが少ない車」として買取店の不安を減らすことができます。必ずしも査定額が跳ね上がるわけではありませんが、プラス評価に繋がりやすい根拠として提示するのがおすすめです。

なお、万が一紛失していても、車を売却すること自体は問題なく可能です。

この記事では、メンテナンスノートが査定に与える影響をはじめ、記載された住所などの個人情報の扱い、紛失して手元にない場合の対処法を分かりやすく解説します。

メンテナンスノートがないと車の売却価格が下がる

メンテナンスノートがないと車の売却価格が下がる
メンテナンスノートがなくても車の売却は可能です。しかしメンテナンスノートがないとマイナス査定になるので、売却価格が下がってしまう点は留意してください。

メンテナンスノートとは、文字通り、車の整備状況について記された書類です。

メンテナンスノートがなければ、どこをいつ整備したのかが分かりません。ということは実質、整備されていない車両と評価されるのでマイナス査定になってしまうわけです。

車種にもよりますが、メンテナンスノートの紛失で数万円のマイナスになると考えましょう。

メンテナンスノート以外に車の売却時で必要なもの

メンテナンスノート以外にも車を売却するために、いろいろな書類を用意する必要があります。それは「車検証」「自賠責保険証」「自動車税納税証明書」などです。

車検証や自賠責保険証は、車内に保管している場合が多いでしょう。見当たらない場合には、車のダッシュボードに入っていないか確認してください。また、これらの書類を紛失してしまった場合、再発行手続きを進めておきましょう。

普通自動車を売却する場合は、「実印」と「印鑑証明書」も必要です。

軽自動車を売却する場合は「認印」で手続きできるので、印鑑証明書は必要ありませんが、住民票が必要なので役所で入手してください。

必須ではないが車の売却時にあると良いもの

メンテナンスノートがなくても車の売却は可能ですが、マイナス査定の対象になりかねません。同じように必須ではないもののあったほうが良い書類として「取扱説明書」が挙げられます。

取扱説明書があれば、のちの車のオーナーが困った時に確認できます。もし紛失して手元になければ、5,000円前後のマイナス査定になる可能性があるのでなくさずに保管しておきましょう。

メンテナンスノートや取扱説明書などを紛失しないようにするためには、車内で保管するのがおすすめです。車検証と一緒にダッシュボードに保管しておけば、紛失する心配もなくなります。

取扱説明書は取り寄せることも可能です。しかし、2,000~3,000円ほどかかるので、査定のためにわざわざ購入する必要はないでしょう。

メンテナンスノートについて

ここからは、車の売却時にメンテナンスノートが与える影響について見ています。

そもそもメンテナンスノートとはどのような書類かよく分からない人も多いかもしれません。そこで、メンテナンスノートとはどのようなものなのかについて紹介していきます。

メンテナンスノートとはどのような書類ですか?
メンテナンスノートは、メーカー保証書と点検整備記録簿のセットになったものです。これまでどのような整備を行ってきたかなどの記録が記載されているので、売却する際の査定で重要なポイントになります。
メーカー保証書と点検整備記録簿がセットになったもの

メンテナンスノートとは、メーカー保証書と点検整備記録簿がセットになったものを指します。

車を買取に出した場合、メンテナンスノートは次のオーナーに引き継がれていくものです。

メンテナンスノートは車の中で常に携帯することが義務付けられているので、本来であればダッシュボードの中に保管されているはずです。ただし不携帯でも何かペナルティがあるわけではありません。また、メーカー保証書を紛失しても車体番号から保証期間がいつまでかなどは確認できます。

このようにメンテナンスノートは紛失してもペナルティがなかったり、他の方法で確認できたりします。このような事情から、うっかりメンテナンスノートをなくしてしまうドライバーも少なくありません。

メーカー保証書とは?

メーカー保証書とは?
メーカーの保証書とは文字通り、メーカーの保証期間などの明記された書類です。各メーカーで一定の保証期間を設け、期間内なら不具合が起きても無償で修理をお願いできます。

メーカー保証には「一般保証」と「特別保証」があります。

一般保証とは、車を構成する部品の中で、消耗品以外が対象です。(例:パワーウインドウ、エアコンなど)

特別保証とは、走行性能などにかかわる大事な部品が対象です。(例:ステアリング、サスペンション・アクセル、エンジンなど)

保証期間はメーカーによって異なる可能性があります。

車に不具合があった場合は、保証の対象になるかを保証書で確認すると良いでしょう。

点検整備記録簿とは?

点検整備記録簿とは?
点検整備記録簿とは、12か月点検をはじめ法定点検を受けた際にその内容を記録した書類です。どこをいつ何の整備をしたのかについて記されているので、車のコンディションを把握するのに役立ちます。

点検整備記録簿には整備に関する情報が詳細に書かれています。点検や整備を受けた日付やどこを整備して、いつ部品を交換したかについて記された書類です。

さらにこれまでの走行距離についても記録されています。整備をお願いした場合、どこの業者が担当したかも網羅されています。

点検整備記録簿が詳細に書かれていると、丁寧にメンテナンスされた車であると評価され好意的な査定になるでしょう。

メンテナンスノートの書き方

点検整備記録簿は自分で記録することも可能です。ユーザー車検で、自分で検査する場合には自分で正確に情報を記す必要があります。

記録内容は基本的には記号で記載することになるでしょう。問題なしなら「レ」、交換は「×」、調整は「A」と記載します。

ただし記号ではなく、数字や文字で記入する部分も一部あるので注意してください。ナンバープレートや交換部品の内容、タイヤの溝の深さは記号で記しません。

その他にも点検や整備を行った人の情報について、記載する項目もあります。

書面を見ればどのように記載すれば良いか分かるはずなので、それほど心配する必要はありません。

メンテナンスノートを紛失した場合の対処法

車を売却しようと思ったら、メンテナンスノートが見当たらない場合もあるでしょう。しかし、メンテナンスノートがなくても、再発行できる可能性もあります。

ここでは、自分で紛失してしまった場合と、メンテナンスノートがもともとない中古車を購入した場合に分けて紹介するので、いざという時の参考にしてください。

メンテナンスノートがどこにあるか分からない

メンテナンスノートは常日頃、手にしない書類なので、車を売却する段階になって、どこにやってしまったか分からなくなる人もいるでしょう。

メンテナンスノートの中の点検整備記録簿は、車に備え付けておくよう義務付けられています。よってメーカー保証書や車検証と一緒に車の中に保管しているはずです。

メンテナンスノートがどこにあるのか分からなければ、とりあえず愛車のダッシュボードをチェックしてみましょう。取扱説明書などと一緒に保管されているケースが多いです。

また、車の世界でもデジタル化が進んでいて、車両情報を入力するとネットにてメンテナンスノートを確認できるような車種も出てきています。

新車を購入して自分がなくした場合

新車を購入して自分がなくした場合
新車を購入して、売却する段階になってメンテナンスノートが見つからない場合、自分で紛失した可能性が大きいです。この場合、購入したディーラーに問い合わせてみると良いでしょう。

もしディーラーに愛車の購入履歴が残っていれば、再発行を受け付けてくれる場合もあります。購入履歴は数年程度なら残っている可能性が高いので、一度ディーラーに問い合わせて確認しましょう。

保証書に関しても同様で、再発行を受け付けているメーカーも見られます。ただしメーカーによって対応はまちまちなので、必ずしも再発行を受け付けてもらえるとは限りません。また、メーカーによっては再発行手数料として、お金をとられる可能性がある点も留意してください。

中古車を購入して前のオーナーがなくした場合

中古車を購入して前のオーナーがなくした場合
中古車を購入して、前のオーナーがなくしてメンテナンスノートがもともとない場合もあるでしょう。このような場合、新車を購入した販売店がわかれば、購入履歴が残っているかもしれません。

履歴が残っていれば、ディーラーに再発行をお願いできる場合もあります。ただし10年落ちのような古い車の場合、販売店に履歴が残っていないかもしれません。

また販売店がわかっていても、すでに閉店している場合も考えられます。メンテナンスノートがなく、再発行もできなかった場合は、査定士にその旨を伝えてください。

自分が紛失したわけではないと理解してもらえれば、メンテナンスノートがなくてもマイナス査定にはならないでしょう。

点検整備記録簿は必要になるので大切に保管すべし

メンテナンスノートの中でも、点検整備記録簿は定期的に必要になる書類です。そのため、車のダッシュボードなど決められたところに保管するように心掛けましょう。

点検整備記録簿は2年に1回のペースで必要になると思ってください。なぜならこの時期、車検を受けなければならないからです。

車検を受ける際に、24か月点検整備記録簿を陸運支局に提出する必要があります。よって2年に1回のペースで、点検整備記録簿が必要になるわけです。

ディーラーや整備工場で車検をお願いする場合、点検整備記録簿の提出は代行してもらえます。しかし、ユーザー車検の場合は点検整備記録簿の作成や提出も自分自身ですべて行わなければなりません。

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車の売却価格をアップするポイントについて

車の売却価格をアップするポイントについて
ここまで見てきたように、メンテナンスノートの有無で査定金額は数万円程度変わってくる可能性があります。

しかし、メンテナンスノートの有無以外にも、さまざまな項目を検討して売却価格は決まるものです。車を査定に出す前の準備次第で、売却価格を少しでも高くできます。

ここからは、車の売却価格を上げるためにやっておきたいポイントについて紹介するので、買取に出す際の参考にしてください。

車の売却価格を少しでも上げるためにやるべきことはありますか?
洗車をして車をきれいな状態にしてから査定に出すと、査定士の心証が良くなります。また、車の買取価格の相場を把握しておけば、安く買いたたかれるような心配もありません。
洗車しておく

車を売却する前に、洗車などできれいにしておくと良いでしょう。

洗車しているかどうかは、査定には直接影響しません。しかし、洗車をしてきれいな状態で査定に出せば、査定士の心証は良くなります。「この車は大切に使われてきたに違いない」と査定士が思えば、好意的に査定してくれるので査定額のアップが見込めるわけです。

洗車する際にはエクステリアだけでなく、インテリアの掃除も行うと、より車を高く売却できます。フロアやシートのところを掃除してみると、意外に汚れているものです。

インテリアで注意してほしいのは臭いです。とくに車内でタバコを吸ったり、ペットと一緒にドライブしたりする人は臭いがこびりついている可能性があります。まずはドアを開けて換気を行い、消臭剤を振りかけて対策すると良いでしょう。芳香剤は車内の臭いと混じって余計臭いが強くなるので、おすすめできません。

ネットで買取価格の相場を調べる

ネットで買取価格の相場を調べる
ネットであらかじめ買取相場を調べておくと、査定で提示された金額が妥当な金額なのかを冷静に判断できるようになります。調べる際は、メーカーや車種だけでなく、年式・走行距離・グレード・修復歴の有無など、自分の車とできるだけ近い条件で探すのがポイントです。

ただし、ネットでわかる相場はあくまで目安です。実際の査定額は、傷や凹みなどの状態、これまでの整備履歴、地域ごとの人気、買取店が得意とする販売ルート(再販先)によって変動します。また、中古車サイトに載っている販売価格には、お店の利益や整備・保証の費用が含まれているため、「販売価格=買取価格」にはならない点にも注意しましょう。

相場を把握したうえで複数社に査定を依頼すれば、「提示額が相場からズレすぎていないか」「どのポイントを評価してくれたのか」をしっかり比較できます。その際、メンテナンスノート(点検整備記録簿)があれば一緒に提示し、これまで大切に手入れしてきたことをアピールしましょう。

傷やへこみはそのままで査定に出す

愛車に傷やへこみがあれば、マイナス査定になります。だからと言って、業者にお願いして修理すれば結局損するので、そのままの状態で査定に出しましょう。

傷やへこみを修理すれば、プラス査定になるかもしれません。しかし、業者に依頼すれば、修理費用がかかります。かかった費用とプラスになる査定分を比較すると、修理費用のほうが大きくなります。つまりプラスマイナスで見れば、結局損してしまうわけです。

買取業者の多くは、自社で整備工場を持っています。多少の傷やへこみは格安で修理できるので、それほど大きなコストはかかりません。ヘタに自分で修理して状況が悪化することを考えれば、傷やへこみはそのままの状態で査定に出すのが賢明と言えます。

定期的にメンテナンスを行う

車を少しでも高く売却したければ、定期的なメンテナンスは欠かせません。査定金額を決めるにあたって、車のコンディションは重視されるからです。

例えば、車の部品の中には消耗品があって、定期的に交換する必要があります。エンジンオイルなどは定期的に交換しておきましょう。エンジンオイルを交換せずに劣化したオイルを長年使い続けていると、エンジンに大きな負担がかかります。

エンジンにダメージを与えてしまうと、大きなマイナス査定につながりかねません。

業者がオイル交換や定期点検を行うと、その内容について定期点検整備記録簿をつけることがあります。メンテナンスノートが残っていれば、これまでこまめに点検していたことの立証になります。

メンテナンスをこまめに行って、定期点検整備記録簿を残しておくことでプラス査定につなげられます。

売却のタイミングを考える

売却のタイミングを考える
いつ売却するかも、車の査定金額を決めるうえで重要な要素です。もしいつ車売却してもかまわないと思っているのであれば、3月もしくは9月に売却するのがおすすめと言われています。

3月と9月は多くの買取業者にとって、決算月に該当するからです。決算月が近づいてくると、少しでも業績を良くしたいと思うのが業者の本音です。そこで決算月付近では、少しでも多くの中古車を抱えておきたいと考えます。そこに買取希望の車が持ち込まれれば、いつもより少し高い金額でも引き取りたいと思うわけです。

今すぐ売却するつもりがなければ、次の決算月まで温めて売却するのも選択肢の一つです。

アピールすべきところはアピールする

愛車を査定に出す際に、査定士が車の状態をつぶさにチェックして買取価格を決めます。この時、ただじっと査定士が車についてチェックしているのを見ている必要はありません。

自分の車がいかに価値があるか、積極的にアピールしましょう。査定額アップにつながる条件があれば、そのことを査定士に言葉で伝えてください。

具体的には「定期的にメンテナンスを行っている」「車内でタバコを吸っていないので臭いはしないはず」などが挙げられます。カスタムしている場合、純正パーツを保管しているのであればその旨を伝えておきましょう。

査定士はプロで、車の状態をしっかりチェックしています。しかし、それでも見落としている可能性があるので、アピールすべきところはアピールしておいて損はありません。

よくある質問(FAQ)

車の売却時にメンテナンスノートは必要ですか?
いいえ、なくても売却できますが、あると査定でプラス評価になりやすいです。絶対に提出しなければならない必須書類ではありませんが、「これまでしっかり手入れされてきた証拠」になるため、査定時に提示するとアピールになります。手元にある場合は、保証書やこれまでの修理明細なども一緒にまとめて出しましょう。
メンテナンスノートを紛失していても売却できますか?
はい、無くしていても問題なく売却できます。もし「定期的に点検していた証拠を残したい」という場合は、車を購入したお店や、車検・整備を頼んでいたディーラーや整備工場に問い合わせてみましょう。お店によっては過去の整備記録や明細の控えを出してもらえる場合があります。(※保存期間や発行対応はお店によって異なります)
メンテナンスノートの代わりに、査定でアピールできる書類はありますか?
車検や法定点検の作業伝票、部品交換の明細書などが代わりに使えます。オイル交換やパーツ交換、保証修理などの明細書が残っていれば、それも立派な証拠になります。必ず査定額が跳ね上がるわけではありませんが、丁寧に乗られていた状態の良い車だと担当者に伝える材料になるため、残っている書類はすべてまとめて査定時に見せましょう。

まとめ

①メンテナンスノートは「メーカー保証書」と「点検整備記録簿」がセットになったもの
②メンテナンスノートがなくても車の売却は可能だが、マイナス査定になる
③メンテナンスノートは販売店に記録が残っていれば、再発行してもらえる可能性がある
④車の売却価格をアップするためには、洗車する、定期的にメンテナンスを行う、売却のタイミングを考えるなどの方法もある

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