最終更新日 2026年7月24日
車を売却する際、すでに支払っているリサイクル料金は、国や行政から直接返金されるわけではありません。基本的には、車の売却代金と一緒に買取業者から返金(精算)される仕組みになっています。
査定額の中にリサイクル料金が含まれているケースもあれば、契約書に別項目として記載されるケースもあるため、見積書の内訳をしっかり確認することが大切です。
この記事では、リサイクル料金の内訳や、中古車として売る場合と廃車にする場合の手続きの違い、さらにリサイクル券をなくしてしまったときの確認方法まで分かりやすく解説します。
車のリサイクルには費用がかかる
車は廃車となっても、使えるパーツが残されていれば取り外して再販することができます。また、鉄やアルミなどの金属が使われており、有用な資源として再利用することも可能です。
そのため、廃車となった車は使用済み自動車として解体業者を通じて、必要な素材やパーツが取り出されます。その後に残る「シュレッダーダスト」と呼ばれるクズは粉砕業者によって処理されます。
こういった一連の使用済み自動車のリサイクルには費用がかかります。
自動車リサイクル法について

廃車となった車をリサイクルし、その後に残るシュレッダーダストを適正に処理するには費用が必要となります。
以前は使用済み自動車を解体業者が引き取り、必要な素材を取り出してから粉砕業者が廃棄物処理し、処分場に埋めていました。
しかし、車の普及とともに使用済み自動車の台数が増加し、処分場が不足する事態となりました。その結果、廃車の不法投棄が急増していったのです。
また、車のエアコンで使われるフロンガスや、不法投棄された車から流れ出た有害物などが環境破壊につながっていることも問題視されました。
廃車の処理が適正に行われるようにするために、自動車リサイクル法が制定され、2005年から施行されています。
自動車リサイクル法では、車のリサイクルにかかる費用は車の所有者が負担することが規定されています。
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自動車リサイクルの流れ

ここでは、車がリサイクルされる流れを見ていきましょう。
- 使用済みとなった車は、引取業者に引き渡されてからフロン類解体業者に渡し、カーエアコンで使用されているフロンガスなどを回収する(フロン類を回収するのは自動車メーカー)
- フロン類が抜かれた車は解体業者に引き渡される
- ドアやハンドルなどのリサイクルできるパーツや素材などを取り除く
- エアバッグも取り外し、自動車メーカーに渡す
- 破砕事業者に引き渡された車は、機械で破砕してから鉄などの金属を回収する
- その際に回収したシュレッダーダストを自動車メーカーに引き渡す
- 自動車メーカーのもとに集まったフロン類、エアバッグ類、シュレッダーダストは適正な方法で安全に処理される
リサイクル預託金の内訳について

リサイクル預託金は、使用済み自動車を適正に処理するため、主に次の5項目で構成されています。
1.シュレッダーダスト料金
部品や金属を回収した後に残る樹脂・ゴムなどを処理するための費用です。自動車メーカーや輸入業者が引き取り、再資源化・適正処理を行うために使われます。
2.フロン類料金
カーエアコンの冷媒として使われるフロン類を回収し、適正に破壊処理するための費用です。メーカー・輸入業者が処理責任を負う対象に含まれます。
3.エアバッグ類料金
エアバッグやシートベルトプリテンショナーを安全に回収・処理するための費用です。車種や装備数によって金額が異なることがあります。
4.情報管理料金
引取業者、解体業者、メーカーなどが行う処理状況を電子的に記録・管理するための費用です。自動車リサイクルシステムの情報管理に使われます。
5.資金管理料金
預託されたリサイクル料金を収受・管理するための費用です。預託金が処理時まで適切に管理されるために使われます。
車を売却する際、上記の内訳ごとに現金で戻ってくるわけではありません。中古車として売る時は、リサイクル料金の総額が査定額に含まれているか、または別項目として精算されるかを必ず確認してください。
手元にリサイクル券がないときは、自動車リサイクルシステムのサイトで車台番号を入力すれば、預託状況(支払った金額や内容)を照会できます。照会結果を印刷した用紙がリサイクル券の代わりとして受付可能かどうか、あらかじめ買取店に確認しておくと安心です。
リサイクル品について

使用済み自動車から取り外されたパーツは、リサイクル部品として再販されることがあります。このリサイクル部品は「リユース品」と「リビルド品」に分けられます。
リユース品とは、取り外したドアやハンドルなどの部品に分解などの手を加えていない部品のことです。部品は目視や機器などを使った点検を行った後、きれいに洗浄されてから再販されます。
リビルド品とは、エンジンなどそのままでは再販できない部品に手を加えて再販する部品のことです。部品を分解洗浄し、劣化や摩耗したパーツを交換して修理し、機器などを使って点検し品質を確認してから商品として市場に出回ります。
新品の部品とほぼ同様の品質なのに低価格で手に入るので、リサイクル部品はとてもお得です。
リサイクル預託金は、車の購入時に支払うことになっています。既に購入費用に預託金が自動的に含まれているので、別途支払うことはありません。
中古車であれば、既に新車購入時に前の所有者が支払い済みだと考えられますが、前の所有者が車を売却した時に支払ったリサイクル預託金は返金されていることが多いです。
そのため、中古車であっても購入した場合は支払うことになっているので、購入費用に含まれていると考えられます。
リサイクル券について

リサイクル預託金を支払うと、リサイクル券という書面がもらえます。これは、リサイクル預託金を支払った証明書になるので大事に保管しておきましょう。
リサイクル券は、A券、B券、C券、D券の4つの券で構成されています。
A券は預託証明書です。
シュレッダーダスト料金やフロン類料金など預託金の内訳の金額と合計金額が記載されています。そのため、預託金がいくらなのか確認することができます。
廃車にする際は、このA券を引取業者に渡します。
B券は使用済み自動車引取書です。
引取業者が使用済み自動車を引き取った際に、引取業者の登録番号や名称、所在地などの必要事項を記入します。
これは最終的な所有者に交付する書類なので、B券と必要書類を持参して運輸支局へ行けば廃車手続きができます。
C券は資金管理料金受領証です。
資金を管理する自動車促進リサイクルセンターが資金管理料金を受領したことを証明するものです。
D券は料金通知書兼発行者控えです。
リサイクル券の発行元である事業者の控えとなるため、D券は車の所有者が目にすることはありません。
リサイクル預託金の金額について

リサイクル預託金の金額は、車種によって変わります。
その理由は、フロン類やシュレッダーダストの量、装備されているエアバッグやシートベルトの数が、車種によって異なるからです。
リサイクル部品や廃棄物の量が多いと、その分リサイクル預託金が高くなります。その金額相場は以下の通りです。
- 軽自動車…7,000~10,000円
- 普通車…10,000~18,000円
- 中型・大型トラック…10,000~16,000円
- 大型バス…40,000~65,000円
自動車メーカーのサイトからリサイクル預託金の金額を調べることができるため、気になる方は確認してみてください。
ほとんどの車両が対象となっているリサイクル預託金ですが、対象外となっている車両も一部あります。
乗用車や貨物車、バスやトラック、消防車やパトカーなど、いわゆる特殊自動車は対象です。しかし、他の車に接続して引っ張るトレーラーなどの被けん引車や大型、小型特殊自動車は対象外となっています。
さらに、原付やサイドカーつきのタイプを含む二輪車もリサイクル預託金を支払わなくても良いと規定されています。
リサイクル預託金の返金について

リサイクル預託金は、車が廃車となった際のリサイクルや処分のために使われる費用なので、基本的に返金はされません。
しかし、車の所有者が負担する費用であるため、所有者が変われば返金されるべきだと考えられます。そのため、車を買取に出した際は自分が購入時に支払ったリサイクル預託金が返金される場合があります。
ただし、買取に出しても中古車にならず、廃車となってしまう場合は返金されないので注意しましょう。
車を買い取ってもらう際に、既に支払ったリサイクル預託金は車の買取価格に含まれているケースが多いです。
リサイクル預託金は次の車の所有者に引き継がれる仕組みになっています。そのため、購入時に預託金を支払った車を売却で手放す際は、次の所有者から返金してもらうというのは当然とも言えるでしょう。
ただ、査定時に提示された買取価格に預託金が含まれているとなると、預託金の金額が分かりにくいと感じる方もいるかもしれません。
例えば、買取価格が60万円の場合、60万円にリサイクル預託金が組み込まれているので、実際の車の買取価格は60万円以下です。
こういった場合は返金されているかどうか、買取の明細書で預託金の返金という項目があるかをきちんと確認しましょう。
車の買取金額と分ける形で、リサイクル預託金を支払ってくれる買取業者もいます。
売り手が預託金の返金を忘れていても、別途支払ってくれる業者なら、誠実に対応してくれるという良い印象を抱きやすいでしょう。
例えば、車の買取価格が60万円であった場合、預託金分が10,000円なら全部で61万円買取時に受け取ることができます。
ただし、買取金額と別に預託金を支払うとなると、事務手続きなどが面倒なので別途支払うという業者は少ないのが現状です。
車を手放したのに、リサイクル預託金が返金されないのは廃車にした場合です。
元々、リサイクル預託金は車を廃車し、登録抹消の手続きをして解体業者に引き渡され、適正に使用済み自動車として処理されるのに必要な費用です。
ただし、廃車となると一般的な買取業者では査定額がつかないでしょう。そんな時に廃車専門の買取業者に査定してもらって、価値があると判断されれば買取額がつくこともあります。しかし、その受け取る金額にはリサイクル預託金は含まれません。別途支払われることもないので、間違えないようにしましょう。
車を買取に出す時にリサイクル券は必要?

車を購入した際に発行されたリサイクル券は、車の買取や廃車時に必要です。買取業者や引き渡し業者などに渡さなければなりません。
リサイクル券はリサイクル預託金を納めているという証明になるので、必ず保管しておきましょう。
車を購入した時に車検証などと一緒にファイルに収納されているのが一般的です。助手席前のコンソールボックスや座席下の収納ボックスなどに入っていることが多いので、買取前に確認しておきましょう。
リサイクル券を紛失した場合は?

もしリサイクル券を紛失した場合であっても、買取時に相当額を返金してもらうことは可能です。ただし、失くしてしまったリサイクル券は再発行することはできません。
リサイクル預託金を納めているのは確かなので、それを証明するにはリサイクル券に変わる書類の準備が必要です。
インターネットで「自動車リサイクルシステム」と入力して検索すると、リサイクル料金の支払い状況をチェックできるサイトが開けます。
「自動車ユーザーの方へ」、「リサイクル料金検索」をクリックしてください。車検証を見ながら車台番号などを入力し、「料金表示」をクリックすると「自動車リサイクル料金預託状況」が出力されます。
このページが預託証明書の代わりとなるので、印刷して提示すれば手続きができます。












