アラビアのロレンスもビックリ?
極上の乗り心地まで得た砂漠の王様
ロールスロイスが砂漠で故障すると、どこからともなくヘリコプターが飛んできて、無償で修理して帰っていくらしい---という小噺がある。
もちろん、現実にはそんなことがあるはずないし、砂漠でロールスロイスが喜ばれたのは、アラビアのロレンスの時代までだ。
現在、砂漠を走る人は、ロールスロイスには乗らない。故障したら即、命にかかわるのだから。
砂漠を走る人は、トヨタのランドクルーザーに乗る。走破性、信頼性ともに抜群だからである。そこには、見栄とか、デザインとか、ステイタスなど入る余地はなく、もっとも確実に帰ってこれる乗り物として、絶対的な支持を得ているのだ。
そのランドクルーザーの頂点、新型200系に乗って、驚いた。
信じられないほど乗り心地がいいのだ。
乗り心地の良さというのは、非常に奥が深い。そして、極上の乗り心地というのは、一朝一夕に得られるものではない。
私が乗り心地の点で最も感動したのクルマは、ロールスロイス・ファントムの現行モデルだ。地面から1センチくらい浮かんでいるようでありながら、巌のようにしっかりと、大地に根を下ろしているかのようでもあり、それはまさに、王者の乗り物だった。
ところが、この新型ランクル200が、ロールスロイス・ファントムに匹敵する乗り心地を持っていたのだから、驚嘆とはこのことだ。
実は、最終的な乗り心地は、クルマの重さで決まる部分がある。
そしてこの2台、ともに約2.5トンという、超重量級なのである。