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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
VWが久々に復活させたスポーツモデル シロッコだが、その高いポテンシャルがすばらしい
スポーツモデルらしいワイドなフォルムを持ったVWシロッコのスタイリング
【本記事は2009年6月にベストカーに掲載された記事となります。】初代ゴルフのスポーツバージョンとして生まれたシロッコは、2世代18年でいったんフェイドアウト。コラードを後継モデルとすれば3世代21年になるけれど、いずれにせよ’90年代後半でVWのスポーツモデルは一時期途絶えることになる。それを13年ぶりに復活させようってんだから、VWとしても気合いが入る。
雰囲気は完全にスポーツカー
2Rのターボエンジンは、200psを発生。スポーティなエンジン特性が与えられ環境にも優しい
3代目シロッコは、歴代最強のスポーツモデルとして鮮烈な印象を受けるそのスタイリングとともに復活を果たした。プラットフォームやエンジン/パワートレーンは最新のゴルフVIと共通ながら、全高はゴルフVI比でマイナス65mmの1420mm、全幅はプラス20mmの1810mmというワイド&ロー設定。さらに、それを強調するデザインテクニックとあいまって、見た目はこの数字以上に「ぺッタンコ!」だ。ヒップポイントがやたら低いこともあって、インテリアもスポーツモデルらしい硬派なイメージだ。ステアリングもペダルも古典的なスポーツカーポジションに位置していて、ホールドのいいバケットシートをアジャストすると雰囲気は完全にスポーツカー。
グングン速度が上がる立ち上がり
低重心/ワイドトレッドを予感させるスタイリングのとおり、走りっぷりはまさにコーナリングマシンだった。試乗ロケーションは八ヶ岳のワインディングで、大きく回り込んだコーナーが続くなかなかの難所なのだが、ここでのシロッコはとにかく横G限界の高さが際立つ。減速からのターンインは「ホントにFFか?」と思うくらステアリングの命ずるままだし、アペックス直後から踏んでいってもグングン速度を上げつつアッケないほど予定のラインに乗せて立ち上がってゆける。
ソリッドとしなやかさを兼ね備えた気持ちよさ
インテリアもスポーツモデルにふさわしいもの。クローム素材など質感の高さが際だつ
高い横Gを維持した状態でも、ロールはドライバーにはほとんど感じられないほど軽微なのだが、それが固いバネやスタビで抑え込んだものではないから、荒れた路面や橋のジョイントなんかを通過してもなんのその。足回りは全体的にきわめてソリッドなんだけれど、動くべきところではきちんとストロークするしなやかさを兼ね備えているのが気持ちイイ。
VWが誇るTSIテクノロジーのエッセンスを体現するクルマ
パワートレーンは1.4LのツインチャージTSI(160ps)+7速DSGと、2RターボTSI(200ps)+6速DSGの2種類が用意されるが、驚いたのは1.4のほう。2Lのほうがパワフルだが、1.4Lでもスポーツカーというにふさわしいパフォーマンス。個人的には、燃費性能とパフォーマンスを高次元で両立させた1.4TSIが気に入った。これぞ、VWが誇るTSIテクノロジーのエッセンスを体現するクルマだと思いますね。