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更新日:2019.08.14 / 掲載日:2019.08.14

マツダ アクセラ【ONE MAKE MARKET RESEARCH】

マツダ アクセラ 2013年~2019年

文●工藤貴宏
(掲載されている内容はグー本誌 2019年8月掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2019年7月調べ。


デザインと走行性能の高さが魅力。そう評価されることも多いアクセラだが、魅力はそれだけではない。高い評価を得た先進安全装備やディーゼルエンジンの存在にも注目だ。

全長×全幅×全高:4460×1795×1470mm ●ホイールベース:2700mm ●トレッド前/後:1555/1560mm ●車両重量:1450kg ●排気量:2188cc ●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ ●最高出力:175ps/4500rpm ●最大トルク:42.8kgm/2000rpm ●サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク ●ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:215/45R18 ●中古車参考価格帯:70万円~270万円(13年~19年 ※全グレード)

豊富にエンジンが選べ 先進安全機能も充実

 マツダ・アクセラは「Cセグメント」と呼ばれるサイズの小型5ドアハッチバック&4ドアセダン。国産車ではスバル インプレッサ、輸入車ではフォルクスワーゲン ゴルフなどがライバルとなる。車体はトヨタ プリウスとほぼ同じサイズだ。
 大きな魅力はまずデザイン。個性的なグリルから繋がって左右へ延びる鋭いヘッドライトや、まるで鍛え上げた筋肉のような曲線で張り出しつつ前後が結ばれるフェンダーがエモーショナルで美しく、所有する歓びをもたらしてくれる。
 そして、パワートレインの選択肢が広いのも特徴だ。1.5Lと2Lのガソリンエンジンに加え、このクラスでは国産車唯一となるディーゼルエンジンが用意され、排気量は2.2Lと1.5L(2016年7月より追加)から選ぶことが可能。2.2Lは驚くほどの動力性能を誇り、1.5Lは優れた燃費も含めてバランスのよさが好印象である。MTが用意されるのもこだわりだ。
 さらに、トヨタから技術供与を受けたシステムをマツダの2Lエンジンと組み合わせて搭載したハイブリッドもラインアップ。ガソリン、ディーゼル、そしてハイブリッドが選べる国産車はほかに存在しない。
 操縦安定性にもこだわり、ドライバーの意のままに操れる感覚を重視。クルマが反応よく動くから、毎日の生活でも運転が楽しくなるのはちょっとした自慢である。
 そのうえで大きなポイントが、先進安全装備の性能の高さだ。2016年に発表された自動車事故対策機構による評価では、アクセラの安全性能が総合評価で最高得点を記録。衝突試験、衝突時の歩行者保護試験、そして自動ブレーキの性能まで実際にテストし、その結果、乗用車のトップに立ったのだ。それは万が一の際の安心につながる。
 2017年8月に行われた改良以降のモデルはAT誤発進抑制機能の全車標準化など、さらに安全装備が強化されているので安心できる。

[タイプバリエーション]セダンはひとまわり大きな車体

 ハッチバック(スポーツ)とセダンの違いは、後輪よりも後ろ。リヤドアは窓の形状まで含めてどちらも共通で、セダンはトランクが後ろに伸びている分だけ車体が長いのだ。荷室はセダンのほうが広く、ハッチバックの364Lに対して419L(ハイブリッドを除く)。

[MAZDA3]新型MAZDA3が登場 アクセラからどう進化した?

 2019年5月に発表された「MAZDA3(マツダ・スリー)」は、アクセラの後継モデル。車名が変更になったのは、日本向けも以前からMAZDA3と呼ばれていた海外向けと統一したから。MAZDA3は、アクセラからの進化として車体の基本設計を刷新。また驚くほど上質になったインテリアの仕立ても自慢だ。

アクセラにも採用された魂動デザインとは?

 クルマをただの鉄の塊ではなく、まるで生き物のように生命感を感じさせるものにしたい。そんな考えに基づいてマツダのデザインテーマとなっているのが「魂動(こどう)」である。獲物をねらう猛獣のように、今にも活発に動き出しそうな躍動感を感じさせる面のつながりや勢いがみなぎっている。

[モデルヒストリー]時間の経過とともに熟成を重ねる

2013年11月:フルモデルチェンジ
ダイナミックなデザインの3代目アクセラがデビュー。新開発された車体は基本骨格から刷新されたもので、主要グレードには別売りのSDカードを差すだけでナビとして機能する液晶画面も搭載。

2014年4月:6速MTを追加
5ドアハッチバックのガソリン2Lモデルに6速MT車を追加。MTは2.2Lディーゼルエンジン搭載車にも用意されている。

2014年8月:一部改良
ガソリン車の一部改良を受け、国産メーカーの1.5L車としてはじめて中高速域まで対応する自動ブレーキを搭載した仕様を設定。安全性能が引き上げられた。

2014年10月:ハイブリッドを一部改良
ハイブリッド車を一部改良。国産ハイブリッド車(PHEVを除く)としてはじめて自動ブレーキを標準装備化。18インチタイヤも選べるようになった。

2015年8月:一部改良
ガソリン車とディーゼル車を改良し、一部仕様では燃費が向上。さらに安全装備が充実するとともに、自動ブレーキなどの性能が向上した。

2016年7月:マイナーチェンジ
フロントバンパーの形状などのデザイン変更を含む大幅改良を実施。5ドアは2Lガソリン車を廃止し、1.5Lディーゼルが追加された。「Gベクタリング」と呼ぶ操縦性を高める制御も新採用。

2017年8月:一部改良
安全性能の装備水準をさらに引き上げる商品改良。従来はハッチバックだけに用意されていた1.5Lディーゼルエンジンがセダンにも搭載された。

[インテリア]ドライバーが中心の運転環境を用意

ドライバーの視認性を考えて、メーターの上には車速やナビ情報を表示する「ヘッドアップディスプレイ」を用意。またナビなどの操作はタッチパネルに加え、シフトレバーの後方にあるコントローラーをメインで使う。

 特徴はふたつあり、ひとつは本革シート装着車を設定するなど上質な仕立てになっていること。もうひとつは、ドライバーの視認性や操作性を考えた運転環境が作られていることだ。主要グレードではダッシュボード中央にディスプレイを標準装備している。
※写真は2013年式 アクセラスポーツ 20Sツーリング Lパッケージ

  • アクセラスポーツ

  • アクセラセダン

  • アクセラセダン(ハイブリッド)

もっとも荷室が広いのはセダンで、前後の奥行きは1mを超える。ハイブリッドは走行用バッテリーを後席の後ろに積む影響で若干空間が狭い。「スポーツ」と呼ぶハッチバックは天地高に余裕あり。

[メカニズム]新開発のメカニズムを積極投入

 マツダの特徴のひとつが、新しいメカニズムが登場すると上級車種だけでなく小型車にも積極的に採用すること。アクセラにも「スカイアクティブテクノロジー」と名付けられた同社の次世代技術が多く搭載されていて、その範囲は多岐にわたる。

BODY

 ボディ構造のポイントは骨格をまっすぐにすることと、骨格同士をつなげること。従来の設計に比べて剛性を約30%もアップしつつ、約8%の軽量化を実現している。

SUSPENSION

 クルマがドライバーの思いどおりに動くためにはサスペンションの素性が重要。路面をしっかり捉えるために後輪にはコストの高いマルチリンク式を採用し、電動パワステも採用する。

ENGINE

 世間の常識よりも圧縮比の高いガソリンエンジン「スカイアクティブG」や圧縮比の低いディーゼルエンジン「スカイアクティブD」、そしてハイブリッドを用意する。

G-VECTORING CONTROL

 2016年7月の大幅改良で新たに搭載された新技術。ハンドル操作に応じてエンジンの力を緻密に制御してタイヤをしっかり路面に設置させ、操作性や安定性を高める。

JC08モード燃費30.8km/Lを実現アクセラハイブリッドも選択可能

 エンジンはマツダ製を使い、モーターをはじめとするハイブリッドシステムはトヨタから技術供与を受けた「THS-2」を搭載。しかしながら味付けはマツダ独自のもので、JC08モード燃費もプリウスに勝っている。

[先代モデル]後期型にはスカイアクティブGを搭載

 2代目アクセラも時代の先を行くデザインで多くの人を魅了。ディーゼルの設定はないが、2011年9月のマイナーチェンジ以降のモデルは新開発エンジンの「スカイアクティブG」を搭載。また、264馬力と驚くほど高出力の2.3Lターボエンジンを積んだ仕様も設定する。
中古車参考価格帯:50万円~110万円(09年~13年 ※全グレード)

インパネはドライバーを囲むように逆L字としたデザイン。スポーティなシート形状とあわせ、躍動感を感じさせる。ボディは5ドアハッチバックと4ドアセダンも設定。

[市場データ]全体的に相場が高めで買い時はまだ先

 人気モデルゆえ、中古車の物件が豊富なアクセラシリーズ。物件はスポーツ(ハッチバック)の割合が多い。価格はかなり下がり、1.5Lモデルの5年落ちなら100万円台前半の予算から購入可能。また、燃費と走りを両立したハイブリッドもリーズナブルで、オススメのグレードだ。

  • 年式
    もっとも物件が多いのはデビュー翌年の2014年式。また、2016年のマイナーチェンジ以降の物件も充実しているのが特徴だ。

  • グレード
    スポーツとセダンの比はおよそ7対3で、スポーツが多い。なかでも1.5L車が全体の3割以上を占める。セダンのディーゼルが少なめ。

  • 走行距離
    1万km~3万kmの物件が全体の4割を占めることから、低走行な物件が比較的豊富にある。またコンディションが良好なものが目立つ。

自動車ジャーナリスト工藤貴宏の「マツダ アクセラのGOODとBAD」

【GOOD】美しいデザインと玄人も唸らせる走り

 美しいデザイン、キビキビと走る運動性能、ライバルにはないディーゼルエンジンという選択肢。アクセラにはクルマ好きを魅了する多くの魅力が詰まっているし、クルマ好きでなくてもデザインのよさや運転のしやすさは実感できる。そして時代をリードする先進安全装備を搭載するのも、ライバルではなくアクセラを選びたくなる理由のひとつだ。

【BAD】若干悪い後方視界とナビの使い勝手

 美しいデザインはアクセラの魅力だが、後方視界が狭かったりと欠点を感じる部分もある。また、主要グレードに液晶ディスプレイが標準装備されナビとして機能するが、一般的なカーナビに比べると処理性能が劣り、操作性(反応の鈍さなどに起因する)が気になるシーンもあることを覚えておきたい。不満があっても、ナビを市販品へは交換できない。

編集部イチオシ!

ハイブリッド S

 ディーゼルエンジンも魅力的だが、新車価格の割に中古車相場に割安感があるハイブリッドはお買い得感が高い。「ハイブリッドS」は中間グレードでひととおりの快適装備が揃う。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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