トヨタエスティマ試乗レポート

トヨタエスティマ試乗レポート

試乗
発表／2006年1月16日
文●横越光廣　写真●犬塚直樹

■エスティマらしさをそのままに一段と洗練。快適性、パワフル感がアップ

「先進的でスタイリッシュ」それがエスティマの伝統だ。平成2年デビューの初代は、日本のミニバン・ブームの先駆けとなった傑作だ。以来、エスティマらしさをそのままに進化発展、最新モデルは一段と洗練された。ラインアップは2.4L直4（CVT）、3.5L V6（6AT）の2タイプ。FFと4WD、7人乗りと8人乗りが設定される。

■ドライビング／ユーティリティ

プラットフォームとサスペンションを一新したとあって、乗り味が変わって当然。機種によって多少の違いはあるが、基本的には扱いやすく快適感を増した。3.3回転の軽いパワステに対しての応答感には、だれが乗っても納得いくはずだ。最初に乗った2.4LアエラスSパッケージで少々気になったのは、225／50R18インチタイヤによると思われるロードノイズと、こもりがちな2.4Lのエンジンノイズ。
とくにパンチがあるわけではないが、パワーは必要十分。郊外路や高速道路では持ち味が生かされ快適スムーズだ。ちなみに100km／hはDレンジ1800、7速2100、6速2700、5速3300、4速4100、3速5200回転足らず。
一方、3.5L V6はさすがにパワフル。フル加速時には6000回転前後でシフトされるが、中速域からの吹け上がりがシャープなだけに存分にスポーティ感が味わえる。強力なパンチ力に、FF車では発進時にトルクステアを感じることもあった。
これが4WDとなると安定感が一段と高まり、急発進時にも乱れなし。3.5Lパワーが、きっちりと伝わっていると感じさせてくれる。結果、ハンドリング面ではこちらに好感が持てた。3.5L＋6ATの加速フィールは、力強いばかりか至ってスムーズ。エンジン音も耳に軽やかだ。100km／hは6速1800、5速2100、4速3000、3速4200回転とハイギヤリング。高速クルーズは余裕しゃくしゃく、快適なのはもちろんだ。

■インテリア／エクステリア写真[1]

シンプルかつ高機能なのがうれしい。ステアリングはテレスコ＆チルト。左右のアッパーボックスなどの小物入れはじつに重宝。オプティトロンメーターやナビは見やすい。
7人乗り3.5Gの2列目はリラックスキャプテンシート。超ロングスライド、オットマン、横スライド機構で、旅客機のファーストクラス並みにくつろげる。
インテリアはシンプルでいて上品。シートも好感が持て、ファブリック表皮の素材と形状はタッチがソフト。上下＆チルトアジャスターが有効だ。

■インテリア／エクステリア写真[2]

先鋭のスタイルこそエスティマの伝統。ダイナミックな造形のマスクと、ワンモーション・シルエットが引き立つサイドビュー、ワイドなリヤビューが存在感を高める。
多彩なシートアレンジと利便性が魅力。6対4分割の3列目シートは電動（メーカーオプション）／手動でチルトダウンし、床下に格納できる。
新搭載のコンパクトな3.5L V6は、デュアルVVT-i（吸排気連続可変バルタイ）、吸気系に可変吸気システムを採用、トルクフルでいて低燃費。

エスティマ3.5アエラス 7人乗り（6AT）主要諸元

全長×全幅×全高	4795×1800×1730mm
ホイールベース	2950mm
トレッド前／後	1545／1550mm
車両重量	1810kg
エンジン	V6 DOHC
総排気量	3456cc
最高出力	280ps／6200rpm
最大トルク	35.1kg m／4700rpm
10・15モード燃費	9.8km／L
サスペンション前	ストラット
サスペンション後	トーションビーム
ブレーキ前／後	Vディスク／ディスク
タイヤ前後	215／55R17