インターネットや雑誌で販売されている中古車物件には支払総額が表示されています。
まず、支払総額について知りましょう！
「支払総額」とは
「車両本体価格」に中古車を購入する際に最低限必要な「諸費用」を加えた価格です。
※販売店の管轄の運輸支局（登録事務所）等で登録（届出）し、店頭納車の場合の価格です。
そのため、圏内での登録する場合や店頭以外の場所に納車する場合、
また、お客様のご要望に基づきオプション等を追加した場合は、別途費用が発生します。（詳しくは解説2にて）
支払総額の内訳は上記のとおりですが、では「車両本体価格」と「諸費用」が
どんな内容で構成されているのか、わかりづらい用語も含めて解説していきましょう。
中古車の「車両本体価格」とは？店頭において車両を引き渡す際の消費税を含めた現金価格になります。販売される車両にすでに装着済みとなっている装備（カーナビ、オーディオ、カスタムパーツ等）を含み、中古車の価格・品質に重要な影響を及ぼす「定期点検整備」及び「保証」を付帯して販売する場合、その費用を車両本体価格に含め表示することになっています。
販売店が納車時までに実施する法定定期点検整備の費用。
なお、グーネット中古車では法定整備について整備状況を下記のように表示しています。
●法定整備付販売店が納車時までに定期点検整備（自家用乗用車の場合は、法定12カ月点検整備または法定24カ月点検整備）を実施いたします。車両本体価格には定期点検整備に要する費用が含まれ、点検整備記録簿が交付されます。詳細に関しましては販売店にお問合せください。
●法定整備無販売店が納車時までに定期点検整備（法定12カ月点検整備または法定24カ月点検整備）を実施しません。
購入後の車両トラブルに対する保証の費用のこと。販売店が提携する保証会社によって保証条件やの内容は異なります。なお、グーネット中古車では保証について下記のように表示しています。
●保証付保証が付いています。車両本体価格に購入後の保証費用が含まれており、保証書が交付されます。
1カ月または1000km以上の部分保証が付いている車両に表示されますが、保証条件や内容は販売店によって異なりますので、詳細に関しましては各販売店へお問合せください。
●保証無保証が付いていません。
中古車の「諸費用」とは？「支払総額」に含まれる「諸費用」とは、保険料、税金、登録等に伴う費用（新規登録又は移転登録を行う場合の検査登録手続代行費用及び車庫証明手続代行費用）となります。ただし、諸費用として適切ですが「支払総額」には含まれないもの（購入者の希望により追加で注文したもの）があるので、正しく理解しましょう。
◎自賠責保険料
車検取得時に同時加入が義務付けられています。車検が残っている場合は、
登録月から次の車検までの期間分を月割りにして支払います。
◎自動車重量税
車検時にかかってくる税金で、車両重量、新車登録時からの経過年数によって税額は異なります。軽自動車については重量による違いはありません。
◎自動車税
毎月4月1日時点の所有者に課せられます。軽自動車は一律で、普通車は排気量
だけでなく、新車登録が2019年10月1日を境にしても異なります。年度途中での登録では残りを月割りで支払いますが、軽自動車では月割はありません。
◎自動車税環境性能割
自動車取得税に代わり2019年から導入されたもので、車両金額が50万円を越える場合に課税されます。税額は燃費性能や排出ガス性能によって異なります。
◎検査登録（証紙/印紙代）・車庫証明（証紙/印紙代）
名義変更などの申請や車検。そして登録に必要な車庫証明の申請にかかる証書用紙や印紙（手数料）の購入費用です。
◎リサイクル預託金相当額
廃車時に負担する処理費用で、支払いはリサイクル法で定められています。金額は車種によって異なり、手放すときに廃車にせず、売却する場合は戻ってきます。
◎登録等に伴う費用
（購入者の依頼に基づき販売店が代行する場合に発生する費用）
・検査登録手続き代行費用
登録時や車検時に行う各種申請を販売店に依頼する際の手数料となります。
・車庫証明手続き代行費用
管轄の警察署での車庫証明の取得を販売的に依頼する際の手数料となります。
例えば「希望ナンバー」を頼みたい場合、商談の際にクルマの購入者が求めるならば、
それは支払総額の諸費用には含まれていないので、追加で注文する必要がある諸費用となります。
○任意保険料
限度がある自賠責保険に対してより広くカバーするために入ります。
必ずしも販売店で加入する必要はなく、自分で加入してもかまいせん。
○希望ナンバー申請費用
基本的にナンバープレートの数字は順番に発行されます。
希望のナンバーにする場合は別途必要がかかり、オプションとなります。
○リサイクル料金
（ユーザー希望による追加装備）
リサイクル料金は廃車時に処理する量や手間で決められます。
アクセサリーなどの装備を追加すると、料金が変更される場合があります。
○管轄外登録費用
圏外など、遠方で登録する場合は時間がかかることもあって、別途費用がかかります。
費用は登録場所への距離によって異なります。
○納車費用
自宅や勤務先などで納車してもらうための手数料です。
購入者自身が購入店舗に取りに行けば費用はかかりません。
○査定費用や諸手続代行費用
前者は購入車と入れ換える下取車を査定する費用。
後者はローン完済時の所有権解除にかかる手数料で、車検証の所有者が個人の場合は必要ありません。
「支払総額」には、購入時に最低限必要なすべての費用が含まれています。
にもかかわらず、中古車購入時に「納車準備費用」や「納車前点検費用」、「仕上費用」などといった名目で、本来は車両本体価格に含まれる、販売準備行為や車両の商品化のための費用を別途請求している店舗が一部では存在するとの指摘があります。
納車前の車両クリーニングや点検作業といった費用等は、「車両本体価格」に含まれるべき費用となり、作業が実施されても別途支払う必要はありません。ご注意ください！
中古車を購入する際に予算に関係してくるのが車検です。車検が残っていれば安く済
みますし、逆に切れていて新たに取得する場合は、その費用を支払う必要があります。
各物件での車検についての表記は3つです。それぞれについて解説しましょう。
�〇弔蠅亮峺，隆�日が表記されている
以前の所有者が所得した車検がまだ残っている状態で販売されていて、プライスボード
にその期限が表示されているので確認しておきましょう。購入時に新たに車検を取得する必要はなく、名義変更を行うだけとなります。
�◆崋峺＼鞍�付」と表記されている
現状、車検が切れている物件となりますが、車検取得時に必要な点検整備が車両本体価格に含まれていることを指します。注意したいのはあくまで車検が取得できる状態までの整備費用が含まれているのみで、車検取得にかかる費用は諸費用に含まれています。
��「車検なし」と表記されている
公道を走るには車検を取得する必要がありますが、展示時は車検が切れている状態です。
検査登録手続き代行費用は支払総額（諸費用）に含まれますが、法定定期点検整備の費用は含まれないため、購入者の自己負担で法定点検整備を実施する必要があります。
グーネットでは車検が有効な状態での販売が前提となります。車検整備付と車検なしの違いは法定点検整備の有無です。車検整備付では法定点検整備の費用は車両本体価格に含まれています。一方、車検なしでは法定点検整備を実施しないため、購入者の自己負担での法定点検整備が必要となります。
支払総額について
動画でも詳しく解説！
こちらをチェック！
中古車を購入するにあたり、物件情報を見たり、いざ商談を進めていると、
わからないことや疑問に感じることが出てくる場合があります。
ここでは、グーネットでも実際に問い合わせが多い内容についてQ&A方式で解決していきましょう。
すべての費用が含まれている総額表示はわかりやすいのですが、どの中古車にも整備や保証が含まれているのでしょうか。支払い費用はもちろんですが、買ったあとも安心して乗りたいので気になります。
総額表示は買う人がわかりやすいように導入されたものです。その物件を購入するのに最低限必要な全ての費用を含めた金額となり、整備や保証がついていない場合もあります。整備なし・保証なしの車両の購入を検討し、整備や保証をつけて納車を希望する場合は、そもそも対応が可能なのかを事前に確認するようにしましょう。
●広告やプライスボードに記載されている車両本体価格の主なパターンとしては以下のものがあります。
希望のクルマを確認するために販売店へ訪問しました。車両の詳細について確認したら、自社の保証（2年、5000キロ）を付けないと売れないと言われました。掲載されていた支払総額には保証の金額が入ってなかったです。
保証や整備を別途で付けたり、行わないと販売しないというのは違反となります。強制的に付けるということは実際には保証や整備が付いて販売されるのと同じことになるため、総額表示にすべて含む必要があります。あえて支払総額を安く見せて、その金額で購入できるかのように思えてしまうなど、トラブルにもつながります。
見積書に支払総額以外に〇〇パックというオプションの取り付け費用が加わっていたので、販売店に問い合わせたところ、オプションの取り付けをしないと販売できないという回答でした。
オプションを装着しないと販売できないというのは違反となります。装着が必要なものはあらかじめ、その物件を販売するために必要ななものとして、総額表示に含めなければなりません。正しい表記がされていないことを指摘したうえで、まだ取り付けを強要するようであれば、なるべくその販売店は避けたほうがいいでしょう。
商談時に諸費用の内容を聞いていると、「納車準備費用」という項目があったので内容を確認すると、納車前に行っている点検やオイル、バッテリー交換などと説明されたのですが……これって仕方ないものですか？
販売時に行う納車準備費用は販売時に必要最低限の費用として、支払総額に含まれているので、支払う必要はありません。そのほか、納車前点検費用や仕上げ費用なども同様です。見積書に入っていても断って問題はありません。また、すでにそれらが行われていたとしても、費用を支払う必要はありません。
見積書を確認したところ、「自動車税環境性能割」という項目が支払総額とは別に載っていました。新しくできた税金で、エコのためにみんなで負担するから正確には税金ではないというのですが、本当なのでしょうか？
税金、車検や登録時にかかる手数料もすべて支払総額に含まれているので支払う必要はありません。ただし、自動車税環境性能割は車両本体価格が50万円以下の場合は免税となります。免税になる車両本体価格にもかかわらず金額が計上されていないかを確認しましょう。もし含まれているなら、その分を支払う必要はありません。
購入車と入れ替えで、今乗っているクルマを下取りしてもらおうと思っていました。「下取車諸手続代行費用」という項目は必要なものだと言われましたが、本当に必要でしょうか？
下取りを依頼する際、車検証に記載されているクルマの所有者が、信販会社の場合に必要な「所有権解除手続き」の代行にかかる手数料です。クルマの名義がローン会社などの信販会社である場合にのみ請求される費用で、個人や法人名義のクルマを下取りに出す人には適用されません。ローンを組んで購入したクルマを下取りしてもらいたい人は、車検証の所有権の欄が自分の名義になっているかを一度確認しておきましょう。
気に入った中古車があり注文しました。子どもができて、環境が変わったのでキャンセルしようと思い、販売店に連絡したところ、「契約は済んでいるので解約できない」と言われました。中古車って解約できないものですか？
日本中古自動車販売協会連合会では、売買契約の成立について『�‥佻燭�なされた日もしくは��注文者の依頼で販売者が車両の修理・改造や架装などをする場合、これに着手した日。または車両が購入者に引き渡された日のいずれか早い日を持って契約成立。�３簓衄稜笋筌蹇璽鹹鷏犯稜笋覆匹両豺腓蓮△海譴蕕侶戚鷭颪膨蠅瓩蕕譴討い詁�に契約成立』としています。しかし、契約書に前述のような記載がなければ、購入の意思に対して販売店が承諾し、契約書を作成した時点で契約成立となります。契約書にサインをしたら原則的には解約できないと考えて慎重に行動しましょう。クーリングオフも中古車には適用されないので注意が必要です。
中古車購入では実車の確認はもちろんのこと、かかる費用の確認も大事なポイントになってきます。支払総額には、乗り出すための費用がすべて含まれるようになり、費用の明朗化は販売店選びの基準にもなっています。また、ネットオークションなどの個人売買では支払内容があいまいなケースもあり、トラブルにつながる可能性も想定したうえで、車両を購入するくらいの心構えが必要かもしれません。安心安全な中古車購入のためには、支払総額を明確に表示している信頼できる販売店を選ぶことがまずは大切になります。
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