heartとカクテル short story 「プリウス、ワンナイトの鼓動。」｜車検・点検・修理のグーネットピット

アウターとピラーにひとつずつ仕込む。
今回は、KICKERのQSS674をインストール。

高音を切り裂くような粒立ちを、
どうしてもこの車に響かせたかった。

「50代でEDMって、粋だよな」
そう笑いながらも、
heartの指先はいつになく慎重だった。


取り付けが終わり、
ボリュームを上げると──
シンセのハイがガラスを震わせ、
街の午後を眩しく塗り替えていく。




翌日。

音色が生まれ変わったプリウスはオーナーの元へ帰って行った。

スムーズに日常に溶け込んで行った。

夜の市街地



彼は、プリウスのステアリングを握りしめ、
ただ音に身を委ねていた


静寂を破るのは、
KICKER QSS674の高音。
煌めくシンセが夜のガラスに反射して、
都会の鼓動と重なっていく。

求めているのは、
永遠じゃなくて、
ひと夜だけのまばゆい偶然。



タワーマンションの灯りをすり抜け、
EDMのキックが心臓を揺らすたび、
まだ何か始まる気がしてならない。

「年齢なんて、BPMには関係ない」
そうつぶやく声を飲み込みながら、
プリウスは都会の闇を切り裂いていった。

• heartとカクテル
• 禁断のビート
• プリウスと鼓動
• KICKERの煌めき
• 高音重視の美学
• ワンオフの誇り
• 静寂に響くビート
• 都会を塗り替える音
• プリウスとワンナイト
• 永遠じゃなくて今夜だけ