heartとカクテル short story　　「クラウンと、白い約束。」｜車検・点検・修理のグーネットピット

エンジンルームを開け、バッテリーをチェックする。
数値は安定――その安心を胸に、heartはオイル交換に取りかかった。


今日の相手は、17クラウン。
もう“若くはない”セダンだが、パールホワイトの輝きは不思議と瑞々しい。
そして、その鍵を差し出したのは意外にも若い女性オーナー。

「フルノーマルで、ずっと大事に乗ってるんです。」

その一言に、心のどこかがざわついた。
最新でも、派手でもない。
けれど、誰かの思いを積み重ねてきた時間が、このクラウンには宿っている。

新しいオイルがエンジンに流れ込む音は、まるで“まだ終わらない物語”を囁くよう。
白いボディが午後の陽射しを受けてきらめいた瞬間、heartは思った。

この距離感は、恋愛未満。
けれど、それ以上に確かな「約束」のようなもの。

ボンネットを閉じる手が、ほんの少しだけ名残惜しかった。

• 17クラウン
• 白い誘惑
• パールの奥に潜むもの
• 濡れた輝き
• 無垢な艶
• 光と影の間に
• 指先で触れた真珠色
• パールホワイトの罠
• 艶やかな純白
• heartだけが知る白
• 純白と真珠のあいだ