NV350キャラバン　始動不能　インジェクター交換｜車検・点検・修理のグーネットピット

今回ご紹介するのは平成26年のNV350キャラバン。エンジンがかからないとのことでレッカー搬送にて入庫。走行距離は185000ｋｍ。まずは現状を確認します。
クランキングすると「キュッキュッキュッウッ　キュッキュッキュッウッ」てな感じ。
うーーーん。ダイアグは？　なし。うーーーん。
とりあえずエンジンルームを確認すると破損している部品が見つかりました。
こちらです。

EGRバルブを負圧にて動かしているロッドが折れています。これのせいか？
ペンチでバルブを動かすとものすごく渋くてレバーが曲がりそうです。それでもなんとか動かして全開時と全閉時でクランキングしてみましたが、変化有りません。
うーーーんなんだろう。
色々悩んだ結果、「キュッキュッキュッウッ」の「ウッ」を調べようと思い、圧縮との関係を調べるため、グロープラグを外してクランキングをしてみました。インジェクターのコネクターは外して燃料は出ないようにしておきます。するとクランキングは正常になりましたが、＃４のグロープラグの穴から真っ黒な軽油臭い液体が噴出してきました。

何回か繰り返すと黒い液体は徐々に透明になっていきます。
なぜインジェクターのコネクターを外しているのに燃料が出続けるのか。
これを調べるために＃４のインジェクターを外します。
まずは運転席のシートを外して。

ヘッドカバーを外してインジェクターを外します。

インジェクターのノズル部分は真っ黒。エアガンで圧力をかけると内部に残っていた燃料が出てきます。一応＃３のインジェクターも外して同じことをやりましたが燃料は出ません。
おそらく＃4のインジェクターノズルの開固着で、燃料が出っぱなしで圧縮された熱で上死点前に着火してクランキングを止めてしまっているのが「キュッキュッキュッウッ」の「ウッ」と思われます。燃圧も＃４インジェクターのせいで下がってしまい。始動できないことが考えられます。
ディーラーさんに確認するとインジェクターリークは事例としてあるとのこと。走行距離も考えると一度圧縮測定しておいた方がいいとのこと。
部品交換をして始動させた後に圧縮不良だといけないのでディーラーさんに持込み、圧縮を測定していただきました。結果、ギリギリですが基準値内だったため、ここで見積もりを作成。OKをいただきましたので部品注文をして作業を進めます。
取り外した＃４のインジェクターと新品インジェクターがこちらです。

先ほどのEGRの破損部品はEGRクーラーと一体でしたので今回こちらも交換します。

部品をどんどん組み上げていきます。
今回は燃料の噴射しっぱなしがあり、エンジンオイルも少し増えていたのでエンジンオイルとオイルフィルターの交換。ついでに燃料フィルターも交換します。
そして、インジェクターはIDの登録も必要ですので事前に撮影しておいたこの写真をもとにIDコードを登録します。これをしないとラフアイドル等につながるとのこと。

ようやくエンジンがかけられるまで組みあがりました。

燃料のエア抜きをして。さあどうか。
「キュッキュッキュッキュッキュッキュッ・・・・・・・・ガルン」
エンジンの調子良好。ラフアイドルもなし。OK！

これにて修理完了です。
今回はインジェクターリークの事例を知らず、しかもリークのせいで燃圧が下がり、１気筒が原因で始動できないのを診断するのに結構時間がかかってしまいました。
インジェクターリークは事例があるとのディーラーさんの回答なので覚えておくといいですよ。

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