ランサーエボリューション｜車検・点検・修理のグーネットピット

猛暑になってから、アイドリング不調と、エンジンストールが日増しに増えていると言う事で、今回入庫されました。

朝一のエンジン始動から、水温がある程度上昇するまではとくに問題もありません。
水温が上昇してから問題あるようです。
アイドリングがばらつき、空ぶかしでエンジンが止まってしまいます。

さっそく確認してみましょう。
こちらのランサーは他県の中古屋さんで購入された車両で、エアフロメータが取り外されており、コンピューターもすでに変更されておりました。
ＨＫＳ製品のＶ-proというコンピューターでエアフロを制御されているようです。
通称「エアフロレス化」です

※吸入空気流量を測定するためのパーツです
メーカーによっては、流量を測定するほかに、吸気温度も測定しています。

このことから、エアフロを取り外してしまうと吸気温度センサーを新設しないといけないのですが、この車両にはどこにも無いようです。

ダメもとでコンピューターにパソコンを繋いでデーターを確認してみることにしました。
※他ショップでセッティングをおこなった場合、セキュリティロックがかかっている事があり、データーの確認が出来ないんです。

繋いで見ると、見ることが出来ました（＾＾；　良かったぁ

で、よく見ると・・・

吸気温度が１３０℃・・・

これが原因のようですね

エアフロメータを取り外したことによって、吸気温度センサーの信号がなくなってしまい、このような１３０℃という異常な温度となってしまったようです。

おそらく、セッティングをされた人も吸気温度がおかしいと思い、データーを変更してみたようです。

吸気温度の欄が、ＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩ改となっています。改は手動で任意で数値を変更されたことを表しています。
通常はＭＩＴＳＵＢＩＳＨＩとなります。

ですが、吸気温度が無いのでデーターを変更してもダメなんです。
結果、エアフロメーターを元に戻すか、吸気温度を新規で取り付けるかの選択となります。

お客様に内容を伝え、吸気温度センサーを取り付けることにしました。

スロットルバルブ手前のアルミパイプを取り外して、この部分に取り付けることにします。
これからエンジンに入っていく温度を測定できる場所が理想です。

では、パイプを取り外します。

吸気温度センサーはこちらです

ＨＫＳ製の温度センサー

ボール盤でパイプに穴を空けて・・・

センサーを取り付ける為のベースを溶接します。
穴があいていないので、こちらも穴をあけて、センサーを取り付けるためのネジ山も作ります。

車両に戻して、吸気温度の配線をコンピューターとつなぎます。

あと、圧力センサーが固定もされず、バッテリーの隙間に置いてありましたので、設置のお願いもされましたのでこちらも一緒に取付けをおこないました。

走行中の振動で隙間に落ちてしまうこともありますので・・・

ボルトで固定しました

配線もつなぎなおし、Ｖ－ｐｒoのモニターで確認してみます。

吸気温度の欄をＨＫＳに変更・・・

３２℃という数値になりました。

この日の外気温度が３３℃ですので、正常ですね。

あと、アイドリング付近のデーターを少し変更して、エンジンストールの改善をおこないました。

エンジンも止まらなくなり、アイドリングは安定しました。

お客様のご予算のこともあり、全体のセッティングをおこなわず、症状が出る部分のみの作業でしたが
これで安心して乗れるようになりました。


今回も遠方からのお客様でした。
お越しくださり、ありがとうございました。
またのご来店をお待ちしております。