エンジンチェックランプが点灯　日野市　多摩市　八王子市　東京　②｜車検・点検・修理のグーネットピット

先日チェックランプが点灯という事で、お預かりしていたお車です。

お預中、全く症状が再現しなかった為、1度お返しさせて頂き、様子を見て頂いておりました。

それから１カ月経過し、また再発し、今度はエンストもしたとの事。早速お預かりしたのですが、やはり症状は再現しません。

エンジンチェックランプは点灯しているので、故障履歴を確認。すると前回と同じP0302、2番シリンダー失火が残っていました。チェックランプ点灯回数もこの1回のみ。かなり症状の再現が厳しいです・・。

前回イグニッションコイルは入れ替えをしていたので、コイルは異常無しという事は分かります。正直、コイル不良を疑っていたので、プラグは入れ替えしなかったんですよね・・。

スパークプラグも入れ替えて、点火系か、それ以外なのか判別出来る様にしておけば良かった・・。

エンジンは良い火花、良い混合気（燃料と空気を混ぜたガス）、良い圧縮が揃わないと調子良く機能してくれません。

まずは圧縮の点検。燃焼室内に取り込んだ混合気をギュｯと適切に圧縮出来ているかを点検します。ガスを圧縮してから着火した方が、より強い爆発力を得られるので、圧縮はとても大切な工程です。結果、概ね3気筒共13.5MPaで異常無し。

続いて混合気、一先ずインジェクターの開弁状態を点検。

インジェクターは燃料を噴射すノズル。
テスターでエンジンコンピュータが指示している開弁時間と各シリンダーのインジェクターが開いている開弁時間に誤差が無いか等々、検査します。
結果、3気筒共、ほぼ同じ数値。異常は無さそうです。
一応、排気ガステスターを使って、各シリンダーのHC濃度を見ましたが、差は見られません。
という事で、再度点火部分を点検します。

各配線は異常無し。イグニッションコイルの可能性は消えているので、スパークプラグなんでしょうか？
プラグを再度外してみると、2番シリンダーに装着していたプラグだけ、ややカブリ気味です。怪しい・・。
この車両の場合、失火の故障コードが残っている場合、イグニッションコイルかスパークプラグ不良のケースがほとんど。
という事で、ご了承頂き、スパークプラグを交換する事に。

結局1度も症状自体は再現しなかったので、直った！という感じがしないんですけどね・・。

因みにこの車両、イオン電流燃焼制御システム、という物で、各シリンダーがちゃんと燃焼出来ていたのかをエンジンコンピュータが監視しています。

システムを説明すると長くなるので割愛しますが、簡単に言うと、燃焼状態の時はプラスイオンと電子が発生しますが、燃焼していない状態だとプラスイオンは発生しません。このイオンを専用のスパークプラグがアンテナの役割を担い、検知しています。

なので、社外品等に付け替えてしまうとシステムが機能しなくなり、エンジンチェックランプを点灯させてしまいます。
車検でプラグを変えたら、チェックランプが点くようになった、というトラブルが結構多い様なので、注意が必要です！

1番シリンダーのインジェクター実測値。2.14msecは開弁時間。
右上の71.9KVはインジェクターが閉じる時の状態を数値化した物。55～90ぐらいが正常。
などなど、特段変な部分はありません。

3気筒共、数値はほぼ同じです。

右が新品、左が装着品のスパークプラグです。

外した3本のプラグです。プラグは指定品が装着されていました。1番左だけ、少し濡れています。