>帰ってきた! ポンコツジムニーハコ替え計画 第9回
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故障・修理
更新日:2019.12.24 / 掲載日:2019.12.24
帰ってきた! ポンコツジムニーハコ替え計画 第9回
2代目ジムニーの四角いボディが採用されている最後のモデルであるJA22W。ジムニーシリーズで初めてコイルスプリングが採用された。旧型ジムニーシリーズの中では乗り心地が良い。 JA22WのボディをJA71Cのボディに載せ替える「ハコ替え計画」。両側リヤパネルの張り替えを終え、今回からはフロントまわりの作業を開始。そしていつものように、トラブルが発生します。
フロントまわりをごっそり 取り外して交換する
載せ替え用に購入したJA71Cのボディは錆が多くて購入したことを大いに後悔しつつ、腐ったパネルを少しずつ交換している。とにかくフェンダー付近は腐食がひどく、補修は不可能と判断したため、前回までに左右のリヤクォーターパネルを新品に交換した。先々代の四角いボディのジムニーは生産終了から20年以上が経過しているにもかかわらず、今でも多くの純正パーツが手に入るのが嬉しい。四角いボディの最後となるJA22はいくつかのパーツが生産終了になっているが、その一つ前のモデルJA11は現在でも人気が高く現存台数が多いこともあり、ボディパネルもほとんどが注文可能だった。
JA22までの旧型ジムニーは、左右のフロントフェンダーとフロントグリルを繋いだこの部分が、そっくり取り外すことができる。ジムニー乗りの間では通称「コの字」と呼ばれ、フロントまわりをぶつけてしまった時などに、まるごと交換できるので、中古パーツとしても多く流通している。基本的な構造はSJ30からJA22まで同じなので、お互いに移植することが可能だ。今回もJA71CのボディにJA22Wのコの字を移植する予定だ。そんなわけで、早速フロントまわりを分解してコの字部分を取り外す。直接は関係ないが、移動時に重くてバランスを崩すので、フロントウインドウ周辺を取り外す。この部分が外れるのもJA11までのオープンボディのみ。JA12Cは固定式だ。
まずは邪魔になる部品を全部取り外し
現在、平台車と牛乳ケースを組み合わせた台に、フロントの先端とリヤのフロアを載せている。 フロントまわりを取り外すため、台車に載せている位置を変更する。 フロントまわりを全部外してしまうので、車体を支えられるのはフロア部分のみ。 ってことで、平台車から牛乳ケースを取り外し、低い状態にしてフロアに。木っ端で高さを低く調整。 JA11までのオープンボディはフロントウインドーが前に倒せるようになっている。 ヒンジのネジを外せば、ウインドウが取り外せる。が、1か所ナメてしまった。 ショックドライバーでもビクともしなかった錆びついたネジは、タガネで切りこむようにしてショックを与え、少しずつ緩めた。 ヒンジ部分は両端に2か所、ネジはそれぞれ2本ずつなので、4本のネジを外すだけでフロントウインドウ部分は分離できる。ガラスなので意外と重い。 ウインドウウォッシャー液タンク。 エアクリーナーボックス。 クラッチワイヤー。 エンジンハーネスなど、エンジンルーム内に残っているパーツを取り外し。 ヘッドライトユニットを取り外したのだが、よく考えたらシールドビームだし、もう使わないから取り外さなくてもよかった。 ボンネットもヒンジは2か所。こちらもそれぞれ2本ずつのネジで留められているので、これを外すだけで簡単に取れた。 バルクヘッドの錆のひどさに思わずビビってしまったのだ
フロントのコの字を取り外すために、邪魔になるパーツはどんどん取り外していく。エンジンルーム内にはシャシーからの分解時に干渉しなかった、エアクリーナーボックスやハーネス、リレー類、ホーンなどの部品がいくつかそのまま残されている。ウインドウウォッシャー液のタンクには、車両の納車時に中古車屋が入れてくれたのか、ウォッシャー液が満タンに入っているので、こぼさないようにそっと取り外した。他にもハーネス類やステーなどが残されていたので、できる限りを取り外す。ヘッドライトも取り外したが、JA71に装着されているのはシールドビーム。新しいボディ側に使用する予定もないので、別に外さなくてもよかったなぁ、と思ったり。ボンネットも取り外したら準備完了だ。
コの字を取り外すには、フェンダーの後ろ、ドアヒンジ部分にあるネジを片側1か所ずつ、ホイールハウス内のボルトを片側3か所ずつ、エンジンルーム側のボルト2か所ずつを取り外し、フロントフェンダーパネルをグイッと外側に引っ張るだけで、あっけなく外れてしまった。インナーフェンダーに錆があったものの固着はなく、想像していたよりも簡単に外れてしまったので、危うく足の上に落としてしまうところだった。
フェンダーを取り外すと、バルクヘッドの錆穴が露わになった。外す前から穴があるのは分かってはいたが、これはひどい。これ、直せる?
意外にあっさりと外すことができた
フェンダーとフロントグリルの間にあるブレ止めのステーは外さなくてもよかった。 エンジンルーム側、フェンダー後端にあるボルト片側2本を外す。 フェンダー後端部の外側、ドアヒンジ付近にあるネジを外す。 ボディ外側のネジは度重なる塗装と錆でがっつり固着。タガネでたたいて外した。 フェンダーの内側も片側3か所のボルトで固定されている。 左側はバッテリートレーの下になるためか、錆がひどくなかなか外れなかった。 左側も同じように、エンジンルーム内、フェンダー内のボルト、フェンダー後端のネジを外す。左もがっちり固着していてなかなか外れなかった。 固定しているすべてのボルトネジを外したら、フェンダーパネルを外側に引っ張れば、ボディからコの字部分を分離することができる。 想像していたより簡単に外れてしまったので、思わず落としてしまいそうになった。取り外したコの字部分は意外と軽かった。 コの字部分を取り外し、バルクヘッド全体が見渡せるようになった。ある程度は分かってはいたが、右側の錆がひどい。 バッテリートレーが接している部分は錆がひどく大きな穴が開いている。 この部分は形状が複雑で、ペダル類を取り付ける台座もあるので、修復するのは相当苦労しそうだ。 取り外したフェンダー側も見てみると、バッテリートレー下の部分は腐食が進んでいる。 バルクヘッドと接していた場所はすでにボロボロで原形を保っていない。 取り外したコの字部分はガレージの外に置いてあるシャシーの上に載せておいた。遠くから見ると2代のジムニーが並んでいるよう。 フロントウインドウを取り外したので、錆の浮いていたカウルトップ部分の塗装を剥がしてみた。 分厚い塗装の下には、青、白の塗料が塗られていて、マーブル模様になった。 表面層の白い塗装はすごく分厚く、さらにその下に2層の塗装面がある。少なくとも2度のオールペンが行われているようだ。 錆がひどかったカウルトップの上部、フロントウインドウと接する部分は、錆を剥がしてみると穴が開いていた。 せっかくなので他の部分も塗装も剥がし始めたが、サイドシル部分は分厚い塗料に加えてパテもたっぷり。 あっという間に研磨パッドがすり減り、ガレージの中が削り取った粉塵でいっぱいになった。粉だらけ。喉が痛いので今回はここまでにしておこう。
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