タイヤ交換
更新日:2026.05.25 / 掲載日:2021.08.31

タイヤ交換を自分でしないほうがいい理由|失敗例や正しい手順を解説

車のタイヤ交換を自分でやろうと考えたことはありませんか?しかし、タイヤ交換には専門知識や適切な工具が必要です。誤った方法で作業すると重大な事故につながる危険性があります。この記事では、タイヤ交換を自分でしないほうがいい理由や具体的な失敗例、自分で交換するための正しい手順や注意点を解説します。

1.タイヤ交換を自分でしないほうがいい理由

タイヤの劣化や摩耗、季節ごとの履き替えなど、タイヤ交換をしなければならないタイミングがあります。しかし、タイヤ交換は専門知識が必要だったり、怪我をするリスクがあったりと、自分でしないほうがいい理由があります。

(1)専門知識が必要である

タイヤ交換を行うには、適切なジャッキアップポイントの選定やトルク管理(締め付ける力)など、専門的な知識が求められます。特にジャッキアップポイントを誤ると、車体の破損や作業中の落下事故につながります。

またホイールナットの締め付けは対角線順で行ったり、規定トルクで締めたりする必要があります。締め付けが不十分だと走行中の脱輪、過度に締めるとボルトの破損を招く恐れがあるでしょう。

このようにタイヤ交換を安全に行うには、専門知識が不可欠です。

(2)怪我のリスクがある

前述した通り、ジャッキアップの作業は重大な怪我につながる恐れがあります。例えば、ジャッキスタンドを併用せずジャッキのみで支えていると、車両が落下する可能性があります。

また、タイヤ1本の重量は5~15kg程度ありますが、ホイール付きでは20kg以上になることも少なくありません。

車種種別タイヤのインチ数タイヤ単体の重量ホイール込みの重量
軽自動車(14インチ)約5kg約10kg
普通自動車(16インチ)約8kg約18kg
ミニバン(18インチ)約12kg約25kg

持ち上げる際に腰を痛めたり、落下させて足を怪我したりすることも考えられます。慣れない作業による身体的負担も大きいでしょう。

(3)費用がかかる

自分でタイヤ交換を行う場合、工具一式をそろえるための初期投資が必要です。最低限必要な道具だけでも、以下の費用がかかります。

工具名費用相場
ジャッキ約4,000~30,000円
ジャッキスタンド約2,000~10,000円
トルクレンチ約3,000~10,000円
十字レンチ※約2,000~8,000円
車載工具※車に備え付けの工具なのでなし
インパクトレンチ※約5,000円~50,000円
輪止め約1,000~2,000円
軍手やタオル約100~1,000円
※どれか一つあればタイヤ交換は可能

これらを合計すると、初期投資は10,000円以上かかります。年に1~2回しかタイヤ交換をしない場合、工賃(4本で3,000~8,000円程度)を支払った方が、トータルコストは安く済む可能性があるでしょう。

2.タイヤ交換を自分で行ったことによる失敗例

自分でタイヤ交換を行う際、知識や経験不足により重大な事故につながるケースがあります。実際に発生しやすい代表的な失敗例を確認し、リスクを正しく理解しましょう。

(1)作業中の車両が落下する

タイヤ交換で最も危険なのが、ジャッキアップ中の車両落下事故です。

例えば、ジャッキのみで車体を支え、ジャッキスタンドを使用しなかった場合、車体が落下するリスクがあり、命に関わる重大事故につながります。また、砂利や地面が柔らかい駐車場など、不安定な地面での作業も危険です。

車体の下に体の一部が挟まれると、骨折や内臓損傷など重篤な怪我を負う危険性が高いため、ジャッキスタンドを併用することが不可欠です。

(2)走行中に脱輪する

ホイールナットの締め付けが不十分だと、走行中にタイヤが外れる脱輪事故につながります。

特に危険なのは、対角線順での締め付けを怠った場合です。隣り合うナットから順番に締めると、締め付け圧力が均等にならず、ナットが緩みやすくなります。

この状態だと確実に締め付けができていない可能性があり、脱輪のリスクが高まります。

(3)ホイールやタイヤが破損する

適切な工具を使わずにタイヤ交換を行うと、ホイールやタイヤを傷つけてしまう恐れがあります。また、ホイールを地面に直接置いたり、乱暴に扱ったりすると、表面が傷付いたりリムが歪んだりします。

一度変形したホイールは正常な走行性能を発揮できず、空気が抜けやすくなったり、異音の原因になったりするでしょう。

(4)不適切な位置へ装着する

タイヤには装着位置や回転方向が指定されているものがあります。これを無視して装着すると、本来の性能が発揮できず、偏摩耗や騒音の原因となります。

また誤った向きで装着すると、排水性能が低下し、雨天時のグリップ力が落ちます。

このようなタイヤは、ローテーション時にも装着位置のルールがあるため要注意です。自己判断での入れ替えは避けましょう。

(5)ホイールバランス未調整による不具合が発生する

ホイールバランスとは、タイヤとホイールを組み合わせた状態で、その重量バランスを均一に調整することです。

タイヤとホイールを組み直した状態で、かつホイールバランス未調整のまま走行すると、ハンドルの振動や異音などの不具合が発生する恐れがあります。特に高速走行時には、ハンドルが大きく振動して運転に支障をきたします。

ホイールバランスを調整するには専用機器が必要です。個人での調整は難しいため、業者に依頼しましょう。

ただし、ホイールバランスの調整が必要になるのは、タイヤをホイールから脱着した場合です。

すでにバランス調整済みのタイヤ付きホイールを、車体に履き替えるだけであれば、改めて調整する必要はありません。例えば、夏タイヤと冬タイヤをそれぞれ専用のホイールに組み付けて保管し、季節ごとに付け替える場合などが該当します。

3.自分でタイヤ交換する手順

前述したリスクや失敗例をふまえて、自分でタイヤ交換を行う場合は、正しい手順や作業の流れを理解しましょう。

(1)必要な道具を揃える

タイヤ交換を自分で行うには、専用の工具が必要です。最低限そろえておきたい道具と費用相場は以下の通りです。

道具名用途費用相場
ジャッキ車体を持ち上げる約4,000~30,000円
ジャッキスタンド車体を安定させる約2,000~10,000円
トルクレンチナットを規定トルクで締める約3,000~10,000円
十字レンチ※ナットを緩めたり、締め付ける約2,000~8,000円
車載工具※車に備え付けの工具0円
インパクトレンチ※ナットを緩めたり、締め付ける約5,000円~50,000円
輪止め車両が動くのを防止する約1,000~2,000円
軍手やタオル怪我や汚れの防止に使用する約100~1,000円
※どれか一つあればタイヤ交換は可能

(2)作業場所を選定する

タイヤ交換を安全に行うには、適切な作業場所の選定が不可欠です。以下の条件を満たす場所で作業しましょう。

・平らで硬い地面
・十分な広さ
・屋根のある場所

特に重要なのは地面の状態です。アスファルトやコンクリートなど硬い路面を選び、砂利や土の上での作業は避けてください。ジャッキが沈み込むと車両が傾き、落下事故につながる危険があります。

また、作業中は車両の周囲を歩き回るため、工具やタイヤを置いても余裕のある広さを確保しましょう。

(3)輪止めを設置する

ジャッキアップ作業を始める前に、必ず輪止めを設置しましょう。輪止めは、作業中の車両が動き出すのを防ぐための安全対策です。

設置する位置は、これから交換するタイヤの対角線上が基本です。例えば左前輪を交換する場合は、右後輪の前後に輪止めを置きます。

輪止めがない場合は、レンガやブロックで代用できますが、専用品の方が確実です。また、サイドブレーキをしっかり引き、ギアをP(オートマ)または1速かR(マニュアル)に入れておきましょう。

(4)ホイールナットを緩める

ジャッキアップする前に、地面に車輪が接地した状態でホイールナットを少し緩めます。車体が浮いた状態でナットを緩めようとすると、タイヤが空転して力が入らず、作業が困難になるためです。

この段階では、完全に外す必要はありません。レンチで半回転~1回転緩める程度で十分です。その際、ホイールナットは必ず対角線順に緩めます。

隣り合うナットから順番に緩めると、締め付け圧力が偏り、ホイールやハブを傷める原因となります。

(5)車体をジャッキアップする

ナットを緩めたら、車体をジャッキで持ち上げます。ジャッキアップポイントと呼ばれる車種ごとに定められた位置にジャッキをセットしましょう。

【ジャッキアップの手順】

①車の取扱説明書でジャッキポイントを確認する

②ジャッキを正しい位置にセットする

③ゆっくりとジャッキを上げていく

④タイヤが地面から5~10cm浮く高さまで上げる

⑤ジャッキスタンドを設置して車体を支える

この際、ジャッキスタンドがしっかり車体を支えられているか、スタンドをハンマーなどで叩いて安定感を確認しましょう。

(6)ナットをすべて外し古いタイヤを取り外す

車体がジャッキアップされた状態で、先ほど少し緩めたホイールナットを完全に外していきます。この段階では手で回すだけで外れます。ナットを外す際は、必ず対角線順に少しずつ緩めていきましょう。

すべてのナットを外したら、タイヤを手前に引いて取り外します。タイヤは重量があるため、両手でしっかり持ちましょう。外したタイヤは、ホイール面を上にして置くと傷がつきにくくなります。また、取り外したナットは紛失しないよう、容器などにまとめて保管しましょう。

(7)新しいタイヤを取り付ける

古いタイヤを取り外したら、新しいタイヤを装着します。まず、タイヤの回転方向や内外の指定を確認します。

ハブボルトとタイヤの穴位置を合わせ、タイヤを押し込んで装着しましょう。ホイールナットは手で軽く締めてから、対角線順に仮締めしていきます。

すべてのナットを仮締めしたら、ジャッキを下ろして車体を地面に接地させます。最後にトルクレンチで本締めしてください。

4.自分でタイヤ交換する際の注意点

タイヤ交換を自分で行う場合、作業中と作業後それぞれに注意点があります。安全性と車両の性能を確保するため、以下のポイントを必ず守りましょう。

(1)タイヤ交換中の注意点

タイヤ交換作業中は、以下の安全対策を徹底しましょう。

注意項目内容
ジャッキスタンドを使用する車両が落下するのを防ぐ
車体に潜らない車両が落下する可能性があるため
工具を正しく使用する車両への傷や作業中の事故を防ぐ
ホイールナットを正しく締める締め付け不足による脱輪や部品破損を防ぐ

特にジャッキだけで車体を支え続けないよう、ジャッキスタンドで確実に支えてください。油圧の低下や地面の沈み込みで車両が落下する危険があるためです。

また地面に置く際も、ホイール面を上にして、傷や変形を防ぐ配慮が必要です。

(2)タイヤ交換後の注意点

タイヤ交換が完了した後も、安全確認を怠らないことが重要です。以下の点を必ずチェックしましょう。

確認事項内容
空気圧の測定規定値に調整する
増し締め規定トルクで再確認する
試走とタイヤの慣らし振動・異音を確認する

タイヤ交換後は、必ず空気圧を適正値に調整しましょう。新しいタイヤであっても、保管中に空気が抜けている場合があります。適正空気圧は運転席ドア付近のステッカーや取扱説明書に記載されています。

また、走行によってナットと接触面がなじむため、ある程度走行した時点でトルクレンチによる増し締めを行いましょう。この作業を怠ると、走行中にナットが緩んで脱輪事故につながる危険性があります。

さらに新品タイヤを装着した場合は、表面に離型剤が残っているため、グリップ力が本来の性能を発揮できません。最初の100km程度は慣らし運転期間として、急ブレーキや急ハンドルを避け、通常より控えめな運転を心がけてください。

5.タイヤ交換に関するよくある質問

(1)タイヤ交換を自分でするためには何が必要ですか?

タイヤ交換を自分で行うには、以下の工具が必要です。

・ジャッキ
・ジャッキスタンド
・トルクレンチ
・十字レンチ※
・車載工具※
・インパクトレンチ※
・輪止め
・軍手やタオル
※どれか一つあればタイヤ交換は可能

また、工具をそろえるだけでなく、正しい作業手順の理解が不可欠です。特にジャッキアップポイントの位置確認、対角線順でのナット締め付けといった専門知識が求められます。

(2)自分でタイヤ交換を4本行う場合、何時間かかりますか?

初めてタイヤ交換を行う場合、4本すべて交換するには1~2時間程度かかります。慣れてくれば30分前後で完了できるようになりますが、最初は時間に余裕を持って作業しましょう。

6.タイヤ交換するならグーネットピットをご活用ください

自分でのタイヤ交換は、専門知識や適切な工具があれば可能です。しかし、正しい手順で丁寧に作業しないと、ジャッキアップ中の車両落下や脱輪といった重大事故につながります。

年に数回しか交換しない人や、安全性を重視する人は、整備工場など業者への依頼をおすすめします。

グーネットピットでは、タイヤ交換を依頼できる整備工場を地域や作業実績から簡単に検索できます。口コミも多数掲載されているので、ぜひご活用ください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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