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更新日:2021.11.05 / 掲載日:2021.11.05

フロントガラスにフィルムは違法?車検に通る条件と簡単な貼り方

フロントガラスにフィルムは違法?車検に通る条件と簡単な貼り方

フロントガラスにフィルムを貼っている車を見かけたとき、「車検に通るの?」「フィルムを貼って何かメリットはあるの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。

結論からいえば、条件を満たしていればフロントガラスにフィルムを貼った状態で車検を通すことは可能です。また、プライバシーの確保やドレスアップなど、さまざまなメリットも考えられるでしょう。

そこで今回は、フロントガラスに貼っても車検に通るフィルムの条件やフィルムを貼るメリット、貼り方などを解説します。

フロントガラスにフィルムを貼っても車検に通る?

フロントガラスにフィルムを貼っても車検に通る?

条件を満たしていれば、フロントガラスにフィルムを貼っても車検に通ります。その条件は以下の3つです。条件を正確に把握しないと法律違反になるリスクがあるので、しっかりと確認しましょう。

可視光線透過率70%以上を満たせばOK

道路運送車両法では、「運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲にかかわる部分においては、可視光線の透過率が70%以上のものであること」と定められています。
参考:https://www.mlit.go.jp/common/001056456.pdf

「可視光線」は赤外線から紫外線まで含めた人の目に見える光を指し、「透過率」はどれだけ透けているかを示す値です。0%が不透明で100%に近づくほど透明になっていきます。つまり、可視光線透過率70%以上とは、「目に見える光が70%以上透けている」という意味です。この条件を満たすフィルムであれば、フロントガラスに貼っても問題ありません。

なお、フロントガラスだけでなく、運転席および助手席のサイドガラスにもこの条件が適用されます。

後方のガラスは可視光線透過率に関係なくOK

リアガラスや後部座席のサイドガラスについては、「運転者の必要な視野の範囲」に入らないので可視光線透過率に関係なくフィルムを貼れます。極端にいえば、真っ黒のフィルムを貼っていても法律違反にはなりません。

ただし、透過率が低いとバックミラーで後方を確認しにくくなるので、ほどほどに抑えておいたほうがよいでしょう。

最新モデルの機能性ガラスは要注意

近年の車は、IR(赤外線)・UV(紫外線)カット効果のある機能性ガラスを標準で採用していることが少なくありません。こうした機能性ガラスは一見するとほぼ透明ですが、普通のガラスより可視光線透過率が低くなっています。

そのため、機能性ガラスに透過率が基準値ギリギリのフィルムを貼ると、トータルでの透過率が70%を下回る可能性があるので注意しましょう。ガラスに貼った状態で70%以上の透過率を保てなければ車検に通りません。

また、フィルムの施工業者が持っている可視光線透過率測定器で基準をクリアしていたとしても、陸運局にある測定器では基準に満たない場合もあります。透過率には少し余裕を持たせておいたほうがよいでしょう。

もし違法車として検挙されたらどうなる?

もし違法車として検挙されたらどうなる?

可視光線透過率70%未満のフィルムをフロントガラスに貼って法律違反と判断された場合、不正改造車として検挙され、15日以内の改善命令を出されます。フィルムだけでなく、ステッカーやカーテンも取り締まりの対象になるので注意が必要です。基本的に、視界を遮るものはすべて対象になると考えておくとよいでしょう。

15日以内の改善命令が出る

不正改造車として検挙されると日付の記載されたシールを貼り付けられ、15日以内の改善命令が出されます。期限内に指摘された箇所を改善し、陸運局で検査を受けましょう。陸運局で問題なしと判断されれば、シールを剥がしてもらえます。

15日以内に改善した場合は、特に罰則はありません。ただし、改善命令を無視したりシールを勝手に剥がしたりすると、ナンバープレートや車検証を没収されることもあるので気を付けましょう。

車検通過できない=公道走行できない

不正改造車として検挙されるのも問題ですが、そもそも可視光線透過率70%未満のフィルムでは車検に通りません。走行中に検挙されなかったとしても、車検に引っかかってしまう可能性が高いでしょう。

フィルムを剥がせば簡単に基準に適合しますが、せっかく施工したフィルムがもったいないので、もとから基準を満たしたフィルムを貼っておくのがおすすめです。

フロントガラスにフィルムを貼るメリット

フロントガラスにフィルムを貼るメリット

ドレスアップ目的と思われがちなフロントガラスのフィルムですが、実は快適性や安全性の向上にも効果があります。ここでは、ドレスアップを含むおもな4つのメリットをご紹介します。

快適性アップ!日差しの反射・熱防止

まず挙げられるのが、日差しの反射を防止する効果です。サンバイザーでは防ぎきれない日差しも、フィルムならガラス全面でカットできます。眩しいと感じるたびにサンバイザーを使うストレスがなく、運転に集中しやすくなるでしょう。

また、日差しをカットするので、直射日光による車内の温度上昇も抑えられます。運転者や同乗者の紫外線対策にもなり、一石二鳥です。さらに、高温になりにくいことで、冷房効率のアップも期待できます。

なお、断熱効果を持つフィルムであれば暖房の効率も向上するので、夏だけでなく冬もメリットを感じられるでしょう。

安全確保!破片の飛び散り防止

フロントガラスにフィルムを貼ることで、衝突事故などの際にガラス片が飛び散るのを防止できます。もともとフロントガラスには「合わせガラス」が使われており、鋭い破片や粉々の破片が出ないよう工夫されていますが、100%飛散を防げるとは限りません。

フィルムを貼れば、細かなガラス片の飛散も防げるようになります。細かな破片でも目に入る危険があるので、予防するに越したことはないでしょう。

プライバシー確保!覗き見防止

フィルムを貼ることで光の透過率が下がり反射率が高まるので、外から車内を覗きにくくなります。プライバシー確保はもちろん、車上荒らしなどの防犯につながることも大きなメリットです。

ドレスアップ!愛車の印象をチェンジ

フィルムは愛車のイメージを変えるためにも使用されます。法律の範囲内であれば、フィルムで愛車をドレスアップするのも楽しみ方の一つでしょう。

フロントガラスに使えるのはどれ?フィルムの種類

フロントガラスに使えるのはどれ?フィルムの種類

フィルムと一口にいっても、非常に多くの種類が発売されています。それぞれ得られる効果も異なるので、フロントガラスにはどれが適しているのか迷う方も多いでしょう。以下では、フロントガラス以外に使うフィルムも含む7種類をご紹介します。愛車に適したフィルム選びの参考にしてください。

可視光線透過率が低い「スモークフィルム」

スモークフィルムは、可視光線透過率が低くプライバシー保護に適したフィルムです。リア(サイド)ガラスに使われることが多く、透過率にもよりますが外から車内がほぼ見えなくなります。

遮熱効果「ミラーフィルム」

ミラーフィルムは文字通り鏡のように光や熱を反射するフィルムで、高い遮熱効果を持っています。「車内から外は見えるが、外から車内は見えない」マジックミラーのような効果もあるので、車内からの視界とプライバシーの確保を両立したい方にもおすすめです。スモークフィルムと同様、おもにリア(サイド)ガラスに使われます。

紫外線カット「クリアフィルム」

クリアフィルムはフロントガラスへの施工に適しており、赤外線や紫外線をカットしてくれるため、暑さや日焼けを軽減します。また、紫外線による内装の劣化を遅らせることもメリットの一つです。

ただし、透明に見えるクリアフィルムでも機能性ガラスとの組み合わせで可視光線透過率が70%未満になることがあります。心配な方は可視光線透過率測定器を持った業者に施工してもらうとよいでしょう。

装飾性アップ「カラーフィルム」

カラーフィルムは青、赤、黄、緑といったカラーバリエーションに富んだフィルムで、おもにドレスアップ目的で使用されます。フロントガラスへの施工には向いていませんが、リア(サイド)ガラスに貼るとドレスアップ効果が高いでしょう。

また、スモークフィルムのように外から車内が見えにくくなるので、プライバシー保護にもつながります。

上部専用「サンシールドフィルム」

サンシールドフィルムは、フロントガラスの上部専用フィルムです。ガラス上部の限られた範囲であれば可視光線透過率70%未満でも問題ないため、カラータイプやミラータイプのサンシールドフィルムも販売されています。

防犯対策「セキュリティフィルム」

セキュリティフィルムは耐貫通性に優れたフィルムで、車上荒らしなどの被害を防止する効果があります。

ゴーストフィルムとカメレオンフィルムの違い

フロントガラスに紫がかった偏光色のフィルムを貼っている車を見かけたことはないでしょうか?それは一般的にカメレオンフィルムやオーロラフィルムと呼ばれるもので、偏光ミラーフィルムのような見た目ながら、高い可視光線透過率を確保している特殊なフィルムです。

ゴーストフィルムやウルトラビジョンなどと呼ばれることもありますが、これらは特定の商品名を指しています。カメレオンフィルム・オーロラフィルムと同じ意味で使われることがほとんどでしょう。

フロントガラスにフィルムを貼る方法

フロントガラスにフィルムを貼る方法

可視光線透過率の問題もあり、基本的には業者に施工してもらうことをおすすめしますが、セルフでフロントガラスにフィルムを貼りたい方もいるでしょう。そこで、一般的な施工手順をご紹介します。

1.フロントガラス(内側)を洗浄する
2.フィルムの保護シートを剥がし、接着面を石けん水で濡らす
3.フロントガラス(内側)にも石けん水を吹き付け、フィルムを貼り付ける
4.フィルムの位置が決まったら、フィルムとガラスの間にある石けん水を真ん中から外側に向かって押し出し、水抜きをする

※上記は車種専用品としてフロントガラスの型にカットされたフィルムの施工手順です。汎用品を使う場合はフィルムの型取り(切り出し)作業が必要になります。

フィルムの貼付けは業者依頼がおすすめ

フィルムの貼付けは業者依頼がおすすめ

基本的に、フィルムの貼付けは業者に依頼するのがおすすめです。プロに相談すれば用途に合った適切なフィルムを提案してもらえ、可視光線透過率を心配することもありません。

また、施工が美しいのも大きなメリットです。特にフロントガラスは走行中も常に視界に入るので、シワや気泡があると運転中に気になる可能性もあるでしょう。美しい仕上がりは良好な視界の確保にもつながります。

フィルムの貼付けを業者に依頼するなら、施工可能な近くの整備工場を簡単に探せるグーネットピットの利用がおすすめです。作業実績も確認できるため、施工後のイメージもつかみやすいでしょう。

https://www.goo-net.com/pit/

まとめ

基準を満たしていれば、フロントガラスにフィルムを貼って車検に通すことは可能です。ただし、近年は機能性ガラスが標準採用されている車が多く、基準値ギリギリの可視光線透過率だと車検に通らない場合もあるので注意しましょう。

ドレスアップ効果が注目されがちですが、フロントガラスにフィルムには想像以上に多くのメリットがあります。フィルムによって効果に違いがあるので、目的に合ったものを選択しましょう。

施工の際は、車検対応の安心感と仕上がりの美しさを考えて業者へ依頼するのがおすすめです。近くの整備工場を探している方は、グーネットピットを活用してはいかがでしょうか。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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