車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29

車の日常点検の目的と項目・頻度はどのくらいが適切か

自動車を適正な状態に保つのは、車の所有者とドライバーの義務です。2年毎(新車は初回3年)の「車検」は法律で義務づけられていますが、2年おきの点検だけでは車の安全は守れません。12ヶ月ごとの「定期点検整備」と、ドライバーが自らおこなう「日常点検整備」もしっかり実施されてこそ、はじめて安全が見えてくるのです。しかし、「定期点検整備」と「日常点検整備」は、推奨されてはいるのですが、法的な拘束は一切ないため、車の所有者やドライバーの意思に任されています。実際、2010年に国土交通省がおこなったアンケートでは、「定期点検整備」を必ず実施している方は、車を所有している方の約35%で、「日常点検整備」に至っては、まったくしないという方が約4割以上もいるという結果でした。その一方で、2008年に起きた事故のうち整備不良が原因と思われるものが847件も起きており、きちんと点検整備をしていれば事故は防ぐことができたかもしれないのです。車を日常点検するのが、すべての方の安全にとってどれほど重要なことなのかは理解できます。では、車のどこをどのように点検すればいいのでしょうか?そして、頻度はどれくらいで行えば良いのでしょう?車の日常点検に関する疑問について紹介していきます。

車を日常点検する目的

道路運送車両法第47条には「使用者の点検及び整備の義務」というものがあり、「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。」と定められています。つまり、車を常に点検して適正な状態を維持することは運転するものの責任であり義務だということ、そのためには日常点検は欠かせないということです。車が適正でないと、修理費用がかかったり自身の安全や日常のスケジュールが乱れるのはもちろんのこと、同乗者やみずしらずの他人も巻き込んでしまう恐れがあります。一時の誤りが一生の後悔になってしまわないよう、車を日常点検することは大事なことなのですね。

車の日常点検項目

日常的に点検するのは、大きく「エンジンルームの確認」「車のまわりをまわって点検」「運転席に座って点検」の3か所に分けられます。

1.エンジンルームの確認

運転前のエンジンが冷えているうちに、ボンネットを開けて以下のところを点検します。

・ウィンドウォッシャー液の量の確認
・ブレーキオイルの量や色の確認
・バッテリー液の量の確認
・冷却水の量の確認
・エンジンオイルの量や色の確認

2.車のまわりをまわって点検

・タイヤの空気圧の確認
・タイヤに亀裂や裂傷および不自然な摩耗などないか確認
・タイヤの溝の深さの確認(溝の深さが1.6mm以下になるとスリップ・サインが表れる)
・ランプ類の点灯や点滅、汚れや損傷の確認

3.運転席に座って点検

・エンジンのかかり具合と異音の確認
・アクセルペダルを踏んで、エンジンの加速や低速の確認
・ブレーキペダルの踏みしろの確認(床板とブレーキペダルの間が適当か)
・ブレーキペダルのききの確認(ブレーキのききは安全に直結するため、踏みごたえの違いがないか)
・パーキングブレーキレバーの確認(引きしろが多いとロックのききが甘くなり危険)
・ウィンドウォッシャー液の噴射状態の確認
・ワイパーの動きや拭き取りの確認

車を日常点検する頻度

以前は「運転前点検」でしたが、今は「日常点検」に変更されました。教習所で運転前におこなっていた点検が「運転前点検」です。今は車の技術も進みユーザーの使用方法も多様化したため、運転前に必ずおこなっていた点検が、「使用者自らが、走行距離や運行の状態などから判断して“適切な時期”に点検をおこなう」ことになりました。つまり、必ずしも1日1回運行前に点検をしなくても良くなったということです。「自己判断」で日常点検をするのですが、責任が軽くなったわけではありませんので、車の状態などを考慮して、点検修理をおこなう必要があります。ちなみに、業務前のトラックやバスなどは、従来通りに1日1回運行前の点検が義務づけられています。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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