故障・修理
更新日:2020.07.30 / 掲載日:2020.07.30
えぐれたすりキズ/缶スプレー塗装(前) DIYボディリペア6




本塗装では広い範囲に塗装ミストが飛散するため、補修面の対面側ボディも隙間なくマスキングする。リバースマスキングしたシートの端に重ねてマスキングシートを貼り、シートを広げる。残りの面も同様にマスキングシートを貼って広げ、補修面以外のボディ全体をスッポリカバーしてしまう。
室内壁 養生 マスカー

平滑面の室内養生向けのマスキングシート。マスキングテープの下に設けられているシートは1mと長尺で、カー用品向けより幅広い面をカバーできる。しかも、25mとはるかに量が多くてリーズナブル。ホームセンターの塗料コーナーで手に入る。
数回に分けて色をのせていく





缶をよく振る。塗装面から20から25cmの間隔を保ちつつ一定の早さで平行に、かつ噴射パターンの1/3くらいの範囲を塗り重ねるようにして塗っていく。ただし、一気に厚塗りすると垂れるので注意! 濡れた感じになったら休止して乾燥を繰り返しつつ色をのせていく。そして、最終的に自分が映り込む艶が出るまで塗り込むが、メタリック色の場合、均等に色がのったところが引き際。
塗装ブースでの塗装時、ブース内には塗装ミストが充満するため防護策が必須!


■ 防毒マスク 塗装作業用マスクセット3M製の軽量小型面体で、衛生的な使い切りタイプの有機溶剤取扱作業向け防毒マスク。選択、管理が容易な吸収缶とのセット品で、価格はモノタロウで1,590円(税別)。

■ 天然ゴム手袋 粉付リーズナブルなモノタロウブランドのフィット感抜群の天然ゴム手袋。食品衛生法適合商品で、粉付きのためスムーズに着脱できる。価格は1箱100枚入りで589円(税別)。

■ 保護服 つなぎ 使い捨て フード付モノタロウブランドの汚れ防止に安価で便利な使い捨てタイプの防護服。背ウエストゴム、袖口ゴム、フードゴム、裾口ゴム入り。縫い目は内縫いになっている。価格は339円(税別)。

■ セーフティゴーグル(密閉ワイドビュータイプ) 液体飛沫、粉じん、アスベスト対策等に最適な密閉仕様のゴーグル。左右が見やすいワイドビュー仕様で、防毒マスクの併用も可能。価格はモノタロウで943円(税別)。

作業後のフィルターの汚れぶり!■ マスクフィルター塗装ブースは密閉されているため、スプレー塗装すると塗装ミストが充満する。このため、作業絵完了後に送風機と防毒マスクからハズしたフィルターは上の写真の通り、マークXの黒とフィットの銀色の塗装ミストでまだらに! 無防備だった場合、これを肺に吸い込むことになるため、塗装ブースを利用するなら健康のために防護対策が必須。要注意だ。

■ 送風機フィルター
離し気味に吹いてメタ粒子を拡散させる


メタリック色はメタリック粒子がムラになりやすく、違和感のある仕上がりとなりやすい。このため、補修面にムラなく色がのったら、塗装面から離し気味(30から40cmくらい)の位置から、斜め上にスプレーすることでフワッと放物線を描く感じに塗料を飛ばすことでメタリック粒子を拡散させる。メタリック粒子がムラなく均等に並んだら一段落。艶は仕上げのクリアーで出すので、そのまま乾燥させる。
艶が出るまでキッチリ、クリアーを塗布する





メタリック色はベースを塗っただけだとザラザラした仕上がりで、艶を出そうとむやみに塗り込むと色合いが濃くなってしまうので注意。本来の色・艶はクリアーを塗布することで得られる。ベース塗料と同様2から3回に分けて塗り込んでいく。まず、最初は少し艶が出る程度に薄く均一に塗る。10分ほど乾燥させて2回目、そして、3回目に光沢が出るまでキッチリ塗り込む。また、補修面からマスキング面に向かってはボタンを押す力を徐々に緩めていくことで、ボカシ気味に塗布する。
ソフト99 ボデーペン メタリック・パール・ マイカ色

純正ボディカラーに適合する塗料がラインナップされているエアゾールタイプのアクリル樹脂塗料。カラーオーダーも可能だ。
ソフト99 ボデーペンクリア

メタリック&パール・マイカ色の上塗り用のクリアー塗料。塗布することでベース塗料の保護と、深みのある光沢を出す効果を発揮する。
頃合いを見てマスキングを取り去る



3回目のクリアーを塗り終わって30ほど乾燥させたところで、マスキングを取り除く。まず、塗装面の周囲から、塗装面に触ったり剥がしたシート端が接触しないよう慎重に剥がしていく。残りのマスキングシートをすべて取り除き、パネル境界面に貼ったマスキングテープを直角方向に引っ張るようにして残さず引き剥がす。
完全に乾燥したところで磨き上げる




残る作業は仕上げの「磨き」。これは完全に乾燥させてからが原則で、ラッカー系の塗料の場合シンナーが抜けきるまで1週間ほど経過してから。ウレタン塗料でも最低一晩は乾燥させる。完全に乾燥したら、まず研磨シートで塗装面全体を磨き塗装表面を平らに均す。隅々まで磨き上げてももやがかかっているようなら、コンパウンドに切り替えて艶が出るまでキッチリ磨き上げて完成。