整備・修理・塗装・板金[2020.07.28 UP]

えぐれた擦りキズ/缶スプレー塗装!深くえぐれた面はパテで埋めるが、たいていは 研磨して平らに均すだけでキレイになる

 樹脂バンパーは板厚があるため、地肌の樹脂面まで削れた深めのキズでも、たいていは研磨して平らに均してから塗装し直すだけで修復することができる。ただし、ガリガリと強く擦り付けて地肌の樹脂まで食い込む深いキズが無数に入っていたり、Rのきつい湾曲面やプレスラインにかかるキズだった場合、むやみに削り込むと部分的に平らになったり、プレスラインを歪ませてしまいがち。そうなったとしても修正は可能なものの、単に手間が増えるだけ。注意が必要だ。このため、前記したような状況だったり、とりあえず研磨して、途中で削る範囲がキズ面の2から3回りより広くなりそうに感じたら、パテによる修正に切り替える。そして、その際利用する樹脂用パテだが、量は多めながら業務用がオススメ! 研磨性に優れ、作業性も高い。

キズ溝の底まで研磨して均してしまう

#120の耐水ペーパーをサンディングブロックに巻き付ける。めくれ上がっている面を削り落としつつ周囲となだらかに繋がるよう削り込んでいく。この際、モデル車のように研磨部位がプラスラインにかかる場合、ラインが歪まないよう左右から交互に、均等に削り込むことが大切だ。ある程度削ったら素手でなでて、段差が落ちて周囲へとスムーズ繋がっているか確認する。多少でも段差を感じ取った部分は再度、研磨して形を整える。小キズや浅いキズ溝は、これできれいに消し去れる。

1mm以上の深いキズはパテで処理

キズ溝が深かったり範囲が広い場合、削り過ぎて補修面が平面になったり歪んでしまう可能性が高まる。周囲となだらかに繋がるよう仕上げるために研磨範囲を2から3回り以上、広げる必要性があると判断したところが引き際。消しきれないキズ溝はパテで処理する。

水研ぎして研磨キズを落とす

#400の耐水ペーパーをサンディングブロックに巻き付ける。#120で研磨した面を水研ぎして、ささくれた面を均しつつ研磨キズを落としていく。この際、円は描かず、縦横の繰り返しで直線的に動かすようにする。ある程度研磨したら、研磨カスを拭き取って仕上がり具合を目視で確認。次に、隅々まで指先でなでて歪みが生じていないか確認する。

水分を吹き飛ばし、キッチリ脱脂する

エアダスターでエアブローして凹部に残った削りカスと共に残っている水分を吹き飛ばす。きれいなウエスにシリコンオフを染み込ませ、研磨面を隅々まで拭いて脱脂する。表面が滑らかになったことで、削り落としきれていなかった段差が見えてくる。これもパテで修正する。

樹脂用パテでキズ溝を埋める

パテ盛板に樹脂用パテを適量、取り出し、既定量の硬化剤をよく混ぜ合わせる。パテを平たく均し、端からこそげ取るようにしてヘラ先に横一線に付着させる。凹面にパテが隙間なく入り込むよう、ヘラを寝かし気味に持ってしごく感じに薄く塗り付ける。凹面が埋まったら、周囲との段差がなくなるまで同様にして塗り重ね、硬化するまで(20から30分)そのまま放置する。

樹脂バンパーがベッコリ凹んでいたら、ヒートガンで加熱して押し戻す!

樹脂バンパーのPP素材は「熱可塑性樹脂」で、熱を加えると軟化し、容易に成形できる。バンパー裏からヒートガンでヒットポイントの折れ目を加熱。軟化したらドーリーで折れ目を押し戻し、突っ張りがとれたところで凹み中心を踏んで一気に押し戻す。押し戻せたら表側に突起した面を加熱。ドーリーで押し戻す。これでほぼ元通りになる。

周囲となだらかに繋がるよう研磨する

#400ペーパーによる水研ぎで、パテ盛りした面が周囲となだらかに繋がるよう研磨する。プレスラインを潰さないよう注意しつつある程度研磨したところで、手でなでて段差の落ち具合を確認。その研磨、確認の繰り返しで、端に向かって徐々に薄くなるよう段差を落としていく。段差が落ちたら削りカスを拭き取って仕上がりを確認。キズ溝の上端に、わずかな段差が残ってしまった。

埋めきれなかったら再度パテを盛る

埋めきれずに残った段差に再度パテを盛る。凹面にパテが隙間なく入り込むよう、ヘラを寝かし気味に持ってしごく感じに塗り付ける。20から30分放置して硬化したところで、周囲となだらかに繋がるよう研磨する。仕上がったらエアダスターでエアブローして削りカスをキッチリ吹き飛ばす。

補修面より一回り広めの範囲をマスキング

補修面が中心にくるようマスキングシートを貼り付ける。そして、補修面から500mm以上の範囲がカバーされるよう仕上げる。マスキングシートをつまみ上げて切り込みを入れ、補修面の周囲についた研磨跡の末端に沿ってシートをカットしていく。マスキングシートの切り口を押さえ込みつつグルッと一周マスキングテープを貼って、補修面のみ露出させる。

樹脂が露出した面にPPプライマーを塗布

樹脂の露出面が増えてしまったため、塗料の密着を高めるためにPPプライマーを塗布する。樹脂が露出した面を中心にスプレーし、完全に乾くまでそのまま放置する。PPプライマーは無色透明で、塗布直後は表面が濡れた感じになるものの乾燥すると艶がなくなって塗布前の状態に戻る。こうなったら次の工程に移る。

ロックペイントPPプライマー

PP素材への塗料の付着性を向上させる、1液タイプでそののまま塗布できるエアゾールタイプ(透明)のプライマー。外気温度20℃の場合、約10分で上塗り可能で、ウレタンバンパーにも使用することができる。価格はモノタロウで、999円(税別)。

補修面全体にプラサフを塗布する

プラサフの缶をよく振って撹拌後、段ボールに試し拭きして噴射圧が安定しているか確認。OKなら塗装面から手の平ひとつ分くらいの距離を維持しながら、補修面全体にプラサフを塗布する。1回目はうっすら塗布。15分ほど乾燥させたところで、補修跡がムラなく隠れるまで均等にスプレーする。

研磨して段差を落としつつ平らに均す

プラサフが乾燥したらマスキングを取り外す。手間はかかるものの下地用のマスキングを行うことで、必要最小限の範囲にのみプラサフを塗布することができる。プラサフ塗布面を#400の耐水ペーパーで空研ぎして滑らかに整える。#800の耐水ペーパーで研磨して#400で生じた研磨キズを落とす。そして、仕上がったらエアダスターで表面に残った研磨カスを吹き飛ばしておく。

補修面の周囲を研磨シートで磨いて足付け

本塗装時、補修面の1から2回りほど、周囲に向かってボカシ気味に塗装。仕上げのクリアーはさらに広い範囲にボカシ吹きするため、塗料が付着する可能性がある範囲を軽く足付けする。研磨シートを水に浸してスポンジに水分を吸わせる。補修面との周囲を縦横の繰り返しで、水分を補給しつつ直線的に磨いていく。ザラザラした引っかかりがなくなったら残った水分を吹き飛ばし、研磨カスを拭き取る。

パネル境界面でリバースマスキングする

パネルの切れ目にマスキングテープを貼り、その上にマスキングシートのテープ面を貼り重ねていく。ただし、境界面をキッチリ分けてしまうとボカシ吹き等によって付着した塗膜端が段差となって残る。それを防ぐため、シート端は補修面に向けて貼り付ける。そして、シート端を引き上げてマスキングする面に貼り付けるようにすることで、境界面上に折り返し面をオーバーラップさせる。

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