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更新日:2020.07.15 / 掲載日:2020.07.15

エンジン冷却水の補充・交換方法!不足や漏れはどうやってわかる?

エンジン冷却水の補充・交換方法!不足や漏れはどうやってわかる?

エンジン冷却水には、車の心臓部であるエンジンの温度を下げてオーバーヒートを防ぐという、非常に大事な役割があります。そのため、冷却水が不足していたり、漏れていたりしないように日々のメンテナンスや点検が重要です。

本記事では、エンジン冷却水の補充と交換方法を説明するとともに、不足や漏れを確認する方法を解説します。

エンジンの冷却水・クーラント液とは?

エンジンの冷却水は、クーラント液とも呼ばれています。ここでは、エンジン冷却水の役割と、どのような仕組みでその役割を果たしているのか詳しく解説します。

エンジン冷却水の役割と仕組み

冒頭でも触れたように、エンジン冷却水はエンジンを冷やしてオーバーヒートを防ぐ役割があります。
車のエンジンが始動すると、エンジン内部では燃料を燃焼させているため、高温になります。
このままにしておくとエンジンはほどなくオーバーヒートし、白煙を上げて停止、あるいは炎上や爆発といった大事故につながる危険性があります。
そこまでの大事故にならないとしても、オーバーヒートによって本来の性能が発揮できなくなってしまうことは間違いないでしょう。

このような状態にならないために、冷却水は存在します。冷却水が通る「ウォータージャケット」や「ウォーターギャラリー」は、エンジン回りの高温になりやすい部分を中心に設置されており、熱を奪っていく仕組みです。
熱を奪った冷却水はラジエーターへ流れ込んで熱を放出し、またエンジン内を巡回するということを繰り返しています。

また、冷却水には防サビや不凍の効果もあります。これらの効果によって、エンジン内部の金属製部品の腐食を防ぎ、寒さが厳しい季節でも冷却水は凍ることなくエンジンを冷やすことが可能になっています。
このように、冷却水は車には欠かせない液体です。

エンジン冷却水の種類

エンジンの冷却水には、複数の種類があります。一つは、薄め方による違いです。
冷却水は購入してそのまま使うことができる原液タイプと、指定された分量だけ水を加えて使う希釈タイプがあります。
どちらもカー用品店やホームセンターで販売されていますので、使用する際は間違えないようにしましょう。

次に、交換時期による違いです。冷却水は交換時期によって色分けされており、赤や緑のものは2年に一度、青やピンクのものは7年~10年に一度が交換時期の目安とされています。
冷却水に色が付けられているのは、交換時期を区別するためだけではありません。万が一、エンジンルーム内などで冷却水が漏れていた場合、赤や緑、ピンクなどの色が付いていることによって気付きやすくなるという理由があるのです。

冷却水を補充するときは、交換時期が同じ冷却水であれば大きな問題はありません。ですが、できればもともと入っている冷却水と同じ色のものを使用するようにしましょう。違う色が混ざると冷却水の色が褐色になり、万が一漏れてしまった場合に気が付きにくくなってしまいます。
また、赤や緑の冷却水(交換時期2年)を入れている車に、青やピンクの冷却水(交換時期7~10年)を入れるのも構いませんが、これを逆にすると故障の原因となります。よくわからないという方は、やはりもともと入っている冷却水と同じものを使用するのが安心です。

エンジン冷却水の点検方法

エンジン冷却水の点検方法

ラジエーターにつながるホースや金属部分は、経年劣化によっても破損することがあり、そうなれば当然冷却水は漏れてしまいます。
そのため、エンジン冷却水は定期的な点検が必要です。ここでは、冷却水の不足や漏れによるトラブルや、正しい量が入っているか確認する点検方法をご紹介します。

エンジン冷却水のトラブル

エンジン冷却水の不足や漏れあると、オーバーヒートの原因となり、以下のようなさまざまなトラブルを引き起こすことがあります。

・アイドリングが保てず、アクセルを踏まないとエンジンが停止する
・オイルが焼ける匂いが車内に充満する
・エンジンから異音がする
・エンジンから白い煙(水蒸気)が上がる

このような症状はオーバーヒートで多く見られる症状で、かなり末期の状態です。エンジンが高温になっているのに適正量の冷却水がない、あるいは冷却水の劣化により冷やすことができないために起こります。
上記のようなトラブルが起こっているのに無視して走り続けると、エンジンが炎上したり、爆発したりする危険性もあります。万が一、上記の症状が見られたら、即座に車を安全な場所に停めてエンジンを切りましょう。

冷却水の不足、漏れを確認する方法

冷却水の不足や漏れを確認する方法は大きく分けて3つです。

・駐車場などの地面に緑や赤の液体が垂れていないか確認する
・実際に冷却水タンクを目視して確認する
・水温計を確認して冷却水の温度を確認する

車に乗る前に、エンジン下の地面が赤や緑の液体で汚れていないかを確認しましょう。地面にまでシミができている場合、明らかに冷却水が漏れていると判断できます。
ラジエーターの破損や故障、あるいはホースの経年劣化などが考えられますので、ボンネットを開け、どこから冷却水が漏れているかチェックしましょう。

目視で冷却水の量を確認する場合は、エンジンルームのリザーバータンクを見ます。リザーバータンクは半透明ですので、中に入っている冷却水を確認することができます。
冷却水の液面が、リザーバータンクの「MAX / MIN」という目盛りの間にあれば適量です。

あるいは、ラジエーターキャップを開けて、冷却水の液面の位置を確認することもできます。
ただし、この場合はエンジンがしっかり冷えてからおこないましょう。

冷却水はエンジンがかかっている間、100度近くまで温度が上がっています。
冷めないうちにラジエーターキャップを開けると、高温の冷却水や蒸気が噴き出しヤケドを負う危険があるので注意しましょう。

水温計で確認する場合は、エンジン稼働時におこないます。エンジンをかけて走行し始めると、10分前後で水温計の針が上がっていきます。

このときに、水温計の針が「C(クール)」と「H(ヒート)」の中間にあれば適正です。冷却水が少ないとエンジンが正常に冷やされませんので、水温計は「H(ヒート)」を指したままになります。最近の車では、水温計に警告灯が付いているものも多いため、いち早く冷却水の異常を把握できるでしょう。

冷却水のメンテナンス:補充

冷却水のメンテナンス:補充

基本的には、冷却水は循環しているため、頻繁に補充しなくてはならないものではありません。しかし、上述のとおり、気づかぬうちに減ってしまったり、ホースなどの経年劣化によって漏れてしまったりすることがあります。
冷却水の補充はそれほど難しい作業ではありませんので、以下の手順に従って挑戦してみると良いでしょう。冷却水の残量をチェックして下限より量が減っている場合は、ラジエーターやホースの継ぎ目などから漏れている可能性もあります。この場合は、ディーラーや整備工場など専門知識の豊富な方に点検してもらいましょう。

冷却水補充の手順

冷却水の補充手順は次のとおりです。ただし、詳細な補充方法は車種によって異なりますので、必ず説明書を確認しましょう。

手順1:エンジンが冷めているか確認する

前述のとおり、エンジンが高温のときにラジエーターのキャップを外すと、高温の冷却水や蒸気が吹き出しますので非常に危険です。必ず、作業の前にはエンジンが冷めた状態であることを確認しましょう。

手順2:リザーバータンクの位置と冷却水の残量を確認

エンジンルームの中にあるリザーバータンクを見て、冷却水の残量を確認します。リザーバータンクの目盛りは「MAX/MIN」のほか、「FULL / LOW」と書かれているものもありますが、この目盛りの間が適正量です。液面が「MIN」や「LOW」に近い場合も補充するのが良いでしょう。このとき、タンク内に入っている冷却水を見て、色も確認しておきます。

手順3:じょうごなどを使い、適正量まで冷却水を補充する

冷却水を入れるときにはじょうごを使いましょう。そのまま注ぎ込もうとすると、こぼしてしまう可能性もあります。また、希釈タイプの冷却水の場合、先に別の容器で希釈してからリザーバータンクへ補充するのがおすすめです。
ボトルのまま入れると、どのくらい補充し、どのくらい水を入れる必要があるのかわからなくなってしまいます。また、注ぎ過ぎて薄めるための水が入れられないことも起こり得ます。

手順4:必要に応じてエア抜きをおこなう

車種によっては、補充後にエア抜きが必要な場合があります。エア抜きとは、ラジエーターのキャップを外した状態でエンジンをかけ、冷却水の経路の空気を抜く作業です。
冷却水の中に空気が入っていると、正常に冷却できずにエンジンにダメージを与える場合もあります。ただし、少量の補充であれば空気が入っていないことも多いです。エンジンをかけて、ラジエーター内の冷却水から泡がでなければ問題ありません。

最後に、冷却水の量と漏れがないかを確認し、外したキャップなどをしっかり締めれば完了です。

冷却水のメンテナンス:交換

冷却水のメンテナンス:交換

交換時期が来ればもちろんですが、冷却水が濁っていたり減っていたりするときも冷却水を交換が推奨されます。冷却水を交換する場合は、できればディーラーや整備工場、ガソリンスタンドに依頼するのがおすすめです。
その理由には2つあります。交換して排出された冷却水は産業廃棄物として処分しなければいけないことと、冷却水の交換は補充とは違い、点検すべき部分も多いことの2点です。

それでも、自分で交換したいという方がいらっしゃるかと思います。その場合は、以下の手順に従って作業を進めましょう。

冷却水交換の手順

冷却水の交換は以下の手順でおこないます。

手順1:エンジンが冷めているか確認する

補充の場合と同様、作業の前には必ずエンジンが冷めているか確認しましょう。

手順2:冷却水を抜く

この作業は、車をジャッキなどで持ち上げ、ラジエーターの下に潜っておこないます。ラジエーターの下にあるドレンコックを緩めると冷却水が排出されますので、冷却水がすべて抜けたらドレンコックは閉めましょう。

手順3:冷却水経路のすすぎ洗い

冷却水がすべて抜けたら、すぐに新しいものと交換するのではなく、水道水で冷却水の経路を洗浄します。リザーバータンクの8割以上を水道水で満たし、エンジンをかけます。3~5分ほどエンジンをかけて循環させたら、手順2のとおりに水道水を抜きます。この作業を2、3回繰り返せばすすぎ洗いは完了です。

手順4:冷却水を補充する

洗浄が終わったら、きれいな冷却水を規定量まで補充します。その後は冷却水流路内の空気を抜くため、必ずエア抜きをおこないましょう。

最後に冷却水の量と漏れがないかを確認し、外したキャップなどをしっかり閉めれば交換作業は終わりです。作業の途中で破損している箇所を発見した場合は、無理に自分で交換せずに専門の方へ相談しましょう。

エンジンの冷却水が水道水ではダメな理由

エンジンの冷却水が水道水ではダメな理由

水道水では、エンジン冷却水の代わりにはなりません。水道水ではダメな理由は以下の3つです。

・外気が低くなると凍結してしまう
・エンジン内部の部品がサビてしまう
・100度で沸騰してしまう

水道水は、0度以下になってしまうと凍結してしまいます。液体は凍結すると膨張するため、ホースやラジエーターを損傷させてしまう危険性があるのです。また、水道水にはカリウムやナトリウム、塩素などが含まれており、ラジエーターやエンジン内部の金属部品などをサビさせてしまう可能性があります。
エンジン冷却水は、防サビや不凍の性能が備わっているため、これらを防ぐことができます。ただし、出先でのトラブルで冷却水が手に入らないときなどは、応急処置として水道水を利用しても構いません。

しかし、あくまでも応急処置であるため、水道水を入れた状態で長距離を走ったり、そのまま放置したりすることはやめましょう。水道水を補充したときは、なるべく早く整備工場などで点検を受けてください。

まとめ

本記事では、エンジン冷却水の補充や交換方法にあわせて、漏れや不足の確認方法を説明しました。
近年の車では冷却性能も向上しているためオーバーヒートは起きにくくなっていますが、冷却水が過度に減っていたり漏れていたりする場合は、オーバーヒートを起こしてしまうこともあります。

冷却水は知らず知らずのうちに量が減っていることもありますので、日頃から点検を心がけると良いでしょう。もし、自分で補充や交換などをおこなう場合には、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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