新車試乗レポート
更新日:2022.06.15 / 掲載日:2022.06.13
フィアット・500e 試乗レポート
イタリアンモデルらしいキュートなルックスが魅力のチンクエチェント。ガソリン車は2007年に登場した超ロングセラーモデルだけれど、このほどついにフィアット初となるBEVが日本上陸。その魅力をリポート!
●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久
FIAT 500e

●発表日:’22年4月5日
●価格:450~495万円
●輸入元:Stellantisジャパン(株)
●問い合わせ先:0120-404-053(FIAT CIAOコール)
主要諸元(500e Open)
●全長×全幅×全高(㎜):3630×1685×1530●ホイールベース(㎜):2320●車両重量(㎏):1360●パワートレーン:前モーター(最高出力87kW/4000rpm、最大トルク220Nm/2000rpm)●駆動用バッテリー:リチウムイオン(352V/42kWh)●充電ポート仕様:普通充電AC200V、急速充電DC(付属CHAdeMOアダプター利用)●駆動方式:FWD●トランスミッション:一段固定式●交流電力消費率(Wh/㎞)WLTCモード:128●一充電走行距離(㎞)WLTCモード:335●サスペンション前/後:マクファーソンストラット(スタビライザー付)/トーションビーム(スタビライザー付)●ブレーキ前/後:ディスク/ドラム●タイヤサイズ:205/45R17●車両本体価格:495万円
変わった? 変わらない?
チンクの良さをBEVで
誰が見ても新しいチンクエチェントとわかるフィアット初のBEVとして登場したモデルだ。窓ガラスはガソリン車と同じものというが、約96%はまったく別の部品になっているという。BEV唯一のカブリオレの設定も特徴的。少しふっくらとしつつ、3ドアでコンパクトなボディサイズを維持している。そこに42kWhのバッテリーを搭載し、航続可能距離は最大335㎞を実現。普通充電と急速充電に対応するので、シティコミューターとしてだけでなく、たまに遠出をするようなライフスタイルにも馴染みやすい。ただ、急速充電を使用するには専用アダプターが必要で、やや重く大きいのが現時点での弱点といえそう。
とはいえ、室内は前席ならゆったりとして心地よく、後席も乗り込んでしまえば大人でも十分なスペース。10.25インチの大きなディスプレイが配置され、スマートフォンと接続可能で使い勝手を向上する。eモードセレクターでノーマル、レンジ、シェルパの3種類から走行モードが選べるようになっており、ノーマルは出だしからなめらかで軽快。118PS/220Nmのパワーは高速道路でも余裕たっぷりで、ガソリンモデルでデュアロジックの独特な操作感に苦労した人には、驚くほどスムーズに感じるはず。また、省エネモードのシェルパを選ぶと、アクセルのみで加速・減速・停止が可能でメリハリの効いた走りも楽しめる。EVになってもチンクエチェントらしい遊び心やワクワクをあきらめることはないのだと、このモデルが証明してくれた。







