新車試乗レポート
更新日:2022.03.23 / 掲載日:2022.03.18

【試乗レポート ボルボ C40リチャージ】EVになってもボルボの味わいは健在

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス

 ボルボのホームページのトップに掲げられているC40リチャージがようやく我々の前に姿を現した。このところBEVの試乗が立て続けに行われているだけに注目度は高い。とにかく一度走らせてその感触を確かめたいのがこの仕事をしている上での本音である。

新たなる挑戦を感じるデザイン

 C40リチャージを目の前にして思ったのはボルボ感が強いこと。全体的なフォルムは最近多いクロスオーバー的だが、それもボルボらしさがある。前後ライト類、大径ホイールデザインがそんな感じだ。ただ、ボルボデザインを一気に格上げしたデザイナー、ロビンページ風ではない。その辺はBEVという新たな境地への移行なのだろうか。

 プラットフォームは“CMA”を有する。XC40にも用いられる“コンパクトモジュラーアーキテクチャー”だ。つまり、BEV専用ではなくエンジン搭載のプラグインハイブリッドにも対応している。完成は2017年で、当時からBEVを見据えたプラットフォームであることは話題であった。そのためフロア下部にはリチウムイオンバッテリーを敷き詰めるスペースは確保されている。ちなみに、ボルボはバッテリーサプライヤーとの原材料に対する責任を共有し、使用後の再利用も積極的に行う予定としている。要するにSDGs。環境意識の高いボルボらしい取り組みである。

エントリーモデルは599万円から

 試乗車は昨年11月に販売を開始した“ツインモーター”で、前後アクスルにそれぞれ駆動用モーターが取り付けられる。いわゆる新世代の四駆システムで、それを協調制御させる。実はこの後、よりアフォーダブルなリアだけにモーターを搭載した“シングルモーター”も追加される。 “ツインモーター”が699万円なのに対し、こちらは599万円となるのがミソ。BEVの普及にプライス設定は重要だからこうしたモデルの追加はカンフル剤になるであろう。各自治体からの補助金を鑑みれば、より身近に感じられる。

C40リチャージ

スタートスイッチが存在しないことに驚くが走りの感覚はガソリン車に近い

 では、試乗だが、ユニークなのはスタータースイッチが存在しないこと。キーをアンロックしてシートに座りシフトをDレンジに入れれば走り出す。ドライバーズシートに人が座ったことを検知すれば、イグニッションスイッチを入れる作業を簡略化できるというわけだ。あるはずの動作がないのは違和感あるが、それも2時間近い試乗中何度かしているうちに慣れてくる。

 走りは総じて気持ち良く、個人的にも好みである。出だしからアクセルに比例するようリニアな加速が楽しめる。いきなりトルクが立ち上がり「おっと」なんてことにはならない。この味付けはメルセデスが頭ひとつ飛び抜けていると思うが、ボルボはそれに並ぶ仕上がりだ。

 また、そこからの踏み込みで必要な加速が得られるのもグッド。ガソリン車で言えば、3000回転からターボが効き始める感覚で、景色の流れる速度が異次元となる。モーター恐るべし! それでいて、ステアリングは常時しっかりしていて、トルクステアはほぼなく、安定感はどこまでも続く。高剛性プラットフォームと的確なセッティングのシャシーがガッチリ受け止めている証だ。どの領域でもステアリングフィールにしなやかさがあるのはすごいことだと思う。

 コーナリングもそう。そのままのステアリングフィールで操作に従いながら自然に向きを変える。床下のバッテリーの重さを感じさせないのは好印象。コーナーのスタビリティの高さは前後タイヤをサイズ違いにした恩恵もある。前235/45R20、後255/40R20という設定だ。まるで2シータースポーツカーのようである。

 一般道では、ワンペダルを使うのも悪くない。センターのモニターでオンオフ操作できるので、いろいろなシーンで切り替えられる。ワンペダル操作では完全停止までカバーするので、渋滞時には都合がいいかもしれない。そして高速道路でオフにすればコースティングが行われる。これで電費の向上に役立つという仕組みだ。

C40リチャージ

 というのが、走りの第一印象だが、前述したように総体的にガソリン車に近い自然な動きを得られるのがとても好印象だった。近年ボルボはガソリンエンジンの吹け上がりの気持ちよさが際立っていたが、それに負けないフィーリングである。メーカーによっては「ガソリンエンジンのような走りで……」と解説するが、そもそもそれがあまり気持ちのいいものでなければBEVになっても感動は薄い。なので、このフレーズをそのまま受け止めるのは危険だが、ボルボは大丈夫。BEVに関してはインフラなどでまだまだ手を出しにくい環境なのは否めないが、現時点C40リチャージの仕上がりはかなりいい気がする。

ボルボ C40リチャージ アルティメットツインモーター(電子式CVT)

  • ■全長×全幅×全高:4440×1875×1595mm
  • ■ホイールベース:2700mm
  • ■車両重量:2160kg
  • ■バッテリー総電力量:78kWh
  • ■モーター定格出力:160kW
  • ■モーター最高出力:408ps/4350-13900rpm
  • ■モーター最大トルク:67.3kgm/0-4350rpm
  • ■サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
  • ■タイヤ前・後:235/45R20・255/40R20
  • ■新車価格:599万円から699万円(全グレード)
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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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