新車試乗レポート
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.02.23

【試乗レポート ポルシェ タイカン】電気自動車であってもポルシェそのもの

文●岡本幸一郎 写真●澤田和久、内藤敬仁

 ポルシェ初の量産BEVとして開発されたタイカンは、2019年のフランクフルトショーで初公開され、翌2020年に日本に上陸した。2022年初におけるラインアップは「ベースモデル」と「4S」、「GTS」、「ターボ」、「ターボS」の計5グレードで、車両価格は1203万円、1462万円、1807万円、2037万円、2468万円となっている。

最速で0-100km/h加速2.8秒!

タイカン

 通常時の最高出力はそれぞれ下から408ps(300kW)、530ps(390kW)、598ps(440kW)、625ps(460kW)を発生し、オーバーブースト時にはターボが680ps(500 kW)で、ターボSでは実に761ps(560 kW)にも達する。ローンチコントロール時の0-100km/h加速タイムは、5.4秒、4.0秒、3.7秒、3.2秒、2.8秒と、「ターボS」はなんと3秒切り。唯一2輪駆動の「ベースモデル」が5秒台半ばというのもたいしたもので、全車、動力性能はかなりのものだ。なお、駆動用バッテリー容量はGTS以上が93.4kWhで、4S以下は79.2kWhとなる。

 なお、タイカンには今回のスポーツセダンのほか、グレード体系などをセダンと一部差別化したシューティングブレークふうのCUV「クロスツーリズモ」ものちに追加されている。

ポルシェらしさと先進性を兼ね備える

タイカン

 ポルシェの一員らしいスタイリッシュな外観はパナメーラに似ているが、リアからの眺めは911との共通性も見て取れる。高温になる排気管のないEVのメリットを活かし、約5m×約2m×約1.4mと大柄で低くワイドな車体はフロアが完全にフラットとされ、大型のリアディフューザーが与えられており、ポルシェ全車の中で最良のCd値0.22を達成している。独自のアクティブエアロダイナミクスシステムにより理想的な空力効率を実現したという。

 車内にも新しい取り組みがいくつも見られる。シートの素材は従来と同じくレザー仕様や特殊ななめし処理を施したクラブレザーOLEAのほかに、サスティナブルモビリティであることを示すべくレザーフリー仕様が用意されたのが特徴だ。 運転席に収まると、ドアミラーに映るリアフェンダーの膨らみが目を引く。高めのセンターコンソールにより、もともと低い着座位置がさらに低く感じられる。初代911を現代に再現したというドライバーを中心に構築されたシンプルなインパネは、「パワーメーター」をはじめ4つの表示モードが選択できるデジタルメーターパネルや、スイッチやボタンを廃しタッチ操作や音声コントロール機能を充実させたインターフェースなど先進性も際立つ。助手席前にもタッチディスプレイが配されたのはポルシェでは初めて。バッテリーやインバーターの搭載方法の工夫により、後席や荷室の広さも比較的確保されている。

画期的な独自のテクノロジー

タイカン

 技術的にも注目すべき点がいくつもある。ひとつは一般的な量産EVの2倍となる800Vのシステム電圧を採用したことだ。これにより充電時間の短縮をはじめ、軽量化、ケーブルの設置スペースの削減などよりパワーユニットの効率化を図ることができる。

 また、リアモーターに2速のトランスミッションを組み込んだのも革新的だ。これにより発進加速性能と最高速度と航続距離の向上を巧みに両立させている。モーターについてもEVで一般的な誘導モーターではなく、軽量かつ性能面で有利との判断から同期モーターを採用しているのも特徴だ。

 足まわりもアクティブサスペンション、トルクベクタリング、エアサスペンションによる車高調整機能、後輪操舵などの最新の機構がグレードにより搭載される。

 その走りは鮮烈きわまりない。すべてがダイレクトで、どこにも隙を感じさせないのは一連のポルシェ車と同じ。ステアリングを切った分だけ遅れなく正確に回頭し、路面にすいつくようにコーナーをクリアするさまは、まさしくポルシェだ。それでいて足まわりもそれなりに強化されているはずながら乗り心地が硬くないあたりもさすがというほかない。

 加速性能も印象深いものだ。中でも「ターボS」は踏めばたちどころに強烈な加速を示す。ローンチコントロール時のおよそこれまでの自動車では味わったことのないような恐るべき瞬発力にも圧倒される。さらに、モード選択によりエモーショナルなエレクトリックサウンドを楽しむこともできるのも特徴だ。

 ご参考まで、2021年のタイカンの世界販売台数は、前年比2倍超の41,296台に伸び、38,464台の911をついに逆転した。最多はマカンの88,362台で、2番目に多いカイエンの83,071台の半分近くまで達したことになる。それはひとえにタイカンの実力の証。これまでポルシェを愛用してきた人にもすんなり受け入れられ、あるいは高価でも高性能なEVを求める層にとっても、まさしくその思いに応えるクルマに仕上がっていて、それだけ広く認められているいからにほかならない。

ポルシェ タイカン(電子式CVT・リア2速)

  • ■全長×全幅×全高:4965×1965×1395mm
  • ■ホイールベース:2900mm
  • ■車両重量:2170kg
  • ■バッテリー総電力量:79.2kWh
  • ■モーター定格出力 後:408ps
  • ■モーター最大トルク前/後:35.2kgm
  • ■ブレーキ前/後:Vディスク
  • ■タイヤ前後:225/55R19・275/45R19
  • ■新車価格:1203万円
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岡本幸一郎(おかもと こういちろう)

ライタープロフィール

岡本幸一郎(おかもと こういちろう)

1968年、富山県生まれ。幼少期に早くもクルマに目覚め、学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの企画制作や自動車専門誌の編集に携わったのち1998年にフリーランスへ。軽自動車から高級輸入車まで幅広くニューモデルの情報を網羅し、近年はWEBメディアを中心に寄稿。ドライビングスクール等のインストラクターも務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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1968年、富山県生まれ。幼少期に早くもクルマに目覚め、学習院大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの企画制作や自動車専門誌の編集に携わったのち1998年にフリーランスへ。軽自動車から高級輸入車まで幅広くニューモデルの情報を網羅し、近年はWEBメディアを中心に寄稿。ドライビングスクール等のインストラクターも務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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