新車試乗レポート
更新日:2022.03.30 / 掲載日:2021.11.08
輸入車試乗レポート MERCEDES-BENZ 「Cクラス」【フルモデルチェンジ】

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久 メルセデス・ベンツ 日本(株)
1982年に「190クラス」として登場して以来、世界中の名だたるライバルたちのベンチマークであり続けるCクラス。 代を重ねるごとにその魅力を増してきているが、約7年ぶりにモデルチェンジを遂げた新型の実力はいかほどだろうか? 秋の箱根を走ってみた。
MERCEDES-BENZ C-Class
●発表日:’21年6月29日 ●価格:セダン651~682万円、ステーションワゴン677~705万円 ●輸入元:メルセデス・ベンツ日本(株) ●問い合わせ先:0120-190-610(メルセデス・ベンツ日本 メルセデスコール) 主要諸元(Cクラスセダン C200アバンギャルド) ●全長×全幅×全高(mm):4785×1820×1435●ホイールベース(mm):2865●車両重量(kg):1700●パワートレーン:1494cc直列4気筒DOHCターボ(150kW/300N・m)+モーター(15kW/208N・m)●トランスミッション:9速AT●WLTCモード燃費(km/ℓ):14.5●燃料タンク(ℓ):66(プレミアム)●サスペンション前/後:4リンク式/マルチリンク式●タイヤサイズ【前】【後】:【225/45R17】【245/40R18】●車両本体価格:654万円 以上、オプションを含まず ※試乗車はオプション装着(ベーシックパッケージ15万4000円、AMGライン32万6000円、メタリック・ペイント9万9000円、リア・アクスルステアリング14万5000円)



この記事の目次
磨き抜かれた走り!価格に見合う満足感だ
FRベンツ車のエントリーに位置するのがCクラスである。FRがもたらす精度の高い重質な味わいが旨。半面、コンパクトなサイズでFRを採用しているため後席居住性や荷室スペースはやや厳しい。そんなCクラスのコンセプトや立ち位置をそのまま時代に応じて進化させたのが新型である。 試乗車はマイルドハイブリッド。簡易的なISG式とはいえ、専用リチウム電池やモーター出力に余裕を持たせた効果か、緩減速時にも頻繁にエンジン停止し、パワーアシストも積極的。微小なアクセル操作や急加速に加え、エンジンの始動停止も極めてスムーズであり、洗練と良質が印象的だった。 これは新たに採用された後輪操舵システムも同様だ。同システムはスポーツサスなどを含むパッケージOPのAMGラインを装着した車に対してOP設定される。 スポーツ寄りのサスチューンは硬めの乗り心地でAMGラインのフロントマスクに良く似合うが、短いストロークの中で収まりよくしなやかさを演出している。後輪操舵システムは走行状況に応じて60㎞/hを境に低速側では逆位相、高速側では同位相で制御されるが、運転感覚では介入はまず分からない。インジケーターで確認しなければならない程度だ。速度域によるコントロール性や車両挙動の変化が従来型以上に少なく、ファントゥドライブと安心感の両立点がさらに高められていた。 試乗車は車両総額で730万円近い。コスパで誉めるには高過ぎるが、納得できる投資価値を見出せるのも最新のベンツ車らしい。



シートポジションの調整域が広い前席はサポート性も良好だ。室内を彩るアンビエントライトも改良され、64色から選択可能になった。




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