新車試乗レポート
更新日:2021.03.30 / 掲載日:2021.03.30
RENAULT 新型キャプチャー 試乗インプレッション
仏・ルノーのコンパクトSUVがフルチェン。好評を博している新型ルーテシアと同世代に進化した新型キャプチャーを、高速道路を含めたリアルワールドでインプレッション!
タウン&ツーリングの使い勝手とファン・トゥ・ドライブが両立

高い質感、先進装備、走りは活発でスポーティ
CMF‐Bプラットフォームに1.3Lターボ、7速DCT。ハードウェアを見れば先に投入されたルーテシアのSUV版なのはすぐに理解できる。ただし、ホイールベースは+55mm、全長は+155mmと車体サイズはひと回り拡大。拡大分はキャビンスペースに充てられ、後席居住性と荷室容量が増加。+33mmの最低地上高と大径タイヤ等で悪路に対応。駆動方式がFFなので本格的SUV用途には不向きだが、キャビンスペースの拡大とともにファミリー&レジャー用途適性がアップ。同級国産車より質感の高い内装も魅力的だ。車重はルーテシアより100kg以上増加しているが、パワーアップしたエンジンもあり、走り全体の印象はルーテシア以上に活発である。踏み込み時のトルクの立ち上がり、回転上昇と一致した伸びやかな加速、加速時回転域を高めの変速制御など、パワーフィールはスポーティ。引き締まったフットワークも同様の印象であり、重くなった車重や高くなった重心を意識させいない安定性と軽快感がある。レジャー用途向けにはスポーティに振り過ぎの感もあるが、安心の高速巡航性能に加えて良質なファン・トゥ・ドライブはルノー車を選ぶ理由のひとつでもある。ACCの速度コントロール制御の洗練感など多少気になる部分もあったが、走行ライン制御型LKAなど安全&運転支援も充実。価格はルーテシアの約42万円高だ。タウン&ツーリングでファン・トゥ・ドライブが楽しめるコンパクトSUVを求めるユーザーには見所の多いモデルである。
RENAULT CAPTUR [フルモデルチェンジ]

ルノー キャプチャー ●発売日:’21年2月25日 ●価格:299万~319万円 ●輸入元:ルノー・ジャポン ●問い合わせ先:0120-676-365
ルノー・日産・三菱の提携で新開発されたCMF‐Bプラットフォームを採用し、上位クラスに匹敵する高出力・高トルクの1.3L直噴ターボ+電子制御7速DCTを搭載。SUVらしいたくましさとフランス車らしいエレガントさが同居するデザインも魅力だ。
主要諸元(インテンス テックパック)●全長×全幅×全高(mm):4230×1795×1590●ホイールベース(mm):2640●車両重量(kg):1310●駆動方式:FF●パワートレーン:1333cc直列4気筒DOHCターボ(154PS/27.5kg・m)●トランスミッション:7速DCT●WLTCモード燃費(km/L):17.0●燃料タンク(L):48(プレミアム)●最小回転半径(m):5.4●タイヤサイズ:215/55R18●車両本体価格:319万円 ※出力、トルク、最小回転半径は参考値


デジタル化を進めたスマートコクピットを採用し、宙に浮いているような造形のフライングセンターコンソールを備える。インテリアカラーは黒系またはオレンジ系。
シートヒーター付フロントシートは座面長を先代比15mm延長。最大160mmスライド可能な後席はニースペースがプラス17mmの221mmに。
エンジンも日仏3社提携で新開発。ルーテシア比で23PS/3.1kg・mが上乗せされ、マイセンス/スポーツ/エコの運転モードを備える。
リヤシートは6:4分割可倒式で、デッキボードを備えるダブルフロアシステムとともに積載アレンジに貢献。荷室容量は536~1235L。
●ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト
●ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト
全車速追従クルコン(ACC)&車線内走行操舵アシストなど、運転支援システムも充実。
●文:川島茂夫 ●写真:長谷川 徹