新車試乗レポート
更新日:2021.02.01 / 掲載日:2021.01.31

HONDA 新型N-ONE 公道インプレッション

ホンダNシリーズの象徴ともいえるN-ONE。フルモデルチェンジでどう変わった? ターボ+6MTの仕上がりは? 気になる走りの実力にリアルフィールドで迫る。

6速MT/CVT/ターボ/NA、「ベスト」はどれだ!!

運動性を上乗せしたフットワークが秀逸!

 標準2BOXとハイト系の中間となる全高1.5m台の軽乗用モデルは、スズキではラパン、ダイハツではトコットがあり、4名乗車でもちょっと余裕のキャビンスペースと個性的なキャラの演出が見所だ。初のフルモデルチェンジを迎えたN-ONEもそこに属しているが、ラパンとトコットが女性ユーザーをメインターゲットとしているのに対してN-ONEは男性ユーザー寄りのキャラ付け。

 そういった立ち位置は先代と変わらないのだが、プラットフォームを一新したことによる走りの変化はN-ONEのキャラを一層引き立てることとなった。

 パワートレーンは加速時の速度とエンジン回転数のリニア感、巡航時の回転変化の抑制と巡航ギヤ維持時の加速レンジの拡大など、余力感とドライバビリティの改善がメイン。現在の軽乗用のセオリーに沿った改良である。

 見所は6速MTの設定だ。しかもインパネシフト。ステアリングから近い操作動線で、シンクロの効きもよく、シフトフィールも良好。WRカーを彷彿、と言っては大袈裟だが、スポーツ心をくすぐる。MTに一般性があるとは思えないが、設定されて当然と思わせるところがN-ONEらしさだ。

 走りのハイライトはフットワーク。大まかには他のNシリーズ同様に動き出し滑らか、ストロークが深くなるほど抑えの利くサス制御が特徴。街乗りに優しい乗り心地を備えながら高速コーナリングでも優れた安定性を示す。それでいてタイトターンでも素直な操舵追従性を見せる。こういった特性をそのままに運動性を上乗せした感じなのだ。アジャイルハンドリングアシストを前提にした新世代プラットフォームの魅力を最も実感できるモデルである。

 このフットワークにホンダセンシングの停車維持機能付き全車速型ACCと操舵補正型LKAを組み合わせれば、軽乗用が苦手な長距離ツーリング適性も向上。さすがにNA仕様は高速域で回転変化が忙しく非力感も強くなるが、ターボ車ならば変速制御も落ち着き、ACCとの相性も良好だ。タウンユースを中心にした短中距離用途が基本となるが、たまの長距離も含めたタウン&ツーリング向けのクルマを考えているユーザーにとって最も魅力的な軽乗用と言ってもいいだろう。

icon N-ONE RS [ターボ]

●車両本体価格:199万9800円 ●ボディカラー:プレミアムイエロー・パール2&ブラック

■主要諸元(RS・6MT) ※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1545●ホイールベース(mm):2520●車両重量(kg):840●パワーユニット:658cc直3DOHCターボ(64PS/10.6kg・m)●トランスミッション:6速MT●燃料タンク容量(L):27●使用燃料:レギュラーガソリン●WLTCモード燃費:21.6km/L●タイヤ:165/55R15

icon N-ONE オリジナル [NA]

●車両本体価格:159万9400円 ●ボディカラー:フレームレッド

■主要諸元(オリジナル・FF) ※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1545●ホイールベース(mm):2520●車両重量(kg):840●パワーユニット:658cc直3DOHC(58PS/6.6kg・m)●トランスミッション:CVT●燃料タンク容量(L):27●使用燃料:レギュラーガソリン●WLTCモード燃費:23.0km/L●タイヤ:155/65R14

HONDA N-ONE

●価格:159万9400~202万2900円 ●発売日:20年11月20日

N-ONEらしさはそのままに最新技術を投入した新世代モデル

 外観イメージは大きく変わらないが、中身は2代目N-BOXから採用されている新世代アーキテクチャーに一新。ホンダセンシングはもちろん最新仕様となる。ラインナップはオリジナル/プレミアム(ターボはプレミアムツアラー)/RSの3タイプで、FFターボのRSに6速MTを設定するなど、Nシリーズの中で最も嗜好性が際立つモデルとなっている。

左(赤):オリジナル/右(黄):RS

プレミアム

「安心して長く乗れる、愛着を持てるタイムレスデザイン」を掲げ、イメージを踏襲しながらアップデート。ベーシックな「オリジナル」と高級志向の「プレミアム」、スポーティな「RS」を設定する。

室内はくつろぎを重視。前席ベンチシートをセパレートシートに変更し、機能感溢れるインパネデザインを採用してスポーツ&カジュアル志向を強調しつつ足下の空間を拡大。タイプごとの個性を配色でもアピールする。

icon オリジナル

icon プレミアム

icon RS

ドラポジ/居心地

乗降性

高めの座面高設定だが、大柄な男性でも適切なドラポジが取れる。後席のヒザ前や頭上スペースにも余裕がある。前後席とも脚さばきと接地性をうまくバランスさせた座面高の設定が巧み。乗降頻度が高く、駐車スペースが狭いタウンユースでの使いやすさも上々だ。

センタータンクレイアウトのおかげで荷室の床面も低い。ホンダ車お得意の後席チップアップにより、背の高い荷物の積載にも対応。

  • 乗車品質の向上も改良のポイントだ。防音材や防振システムによって高い静粛性を達成。

  • N・WGN譲りの設計を採用するサスペンション。ダンパーをたわめる横向きの力を減少させ、よりスムーズな作動を確保している。

  • 【NA】

  • 【ターボ】

パワートレーンも第2世代Nシリーズと共通。可変バルブ+VTECのDOHC・NA(自然吸気)と可変バルブのDOHCターボを設定。FFターボに6速MTを設定する。

  • icon オリジナル

  • icon オリジナル

    ●14インチスチールホイール+カラードディッシュホイール(ブラック)

  • icon プレミアム

  • icon プレミアム

    ●14インチアルミホイール

  • icon プレミアムツアラー

  • icon プレミアムツアラー

    ●15インチアルミホイール(グレーメタリック/切削リム)

  • icon RS

  • icon RS

    ●15インチアルミホイール(マットブラック)

ホイールサイズはNAが14インチ、ターボが15インチ。オリジナル以外はアルミホイールで、プレミアムツアラーとRSは同形状ながら切削リムとマットブラックで差別化。

icon CVT

icon 6MT

全タイプにCVTを採用し、RSのみ6速MTも設定。MTのギヤ比はS660と同じで、スピードコントロールピークトルクリミッターとクラッチダンパーにより、シフトショックとペダル振動を低減。CVTは加速Gが素早く立ち上がって持続するように改良されている。

  • ナビ用のカメラやスイッチ等は標準装備だが、ナビはディーラーOP設定のみとなる。

  • 電子制御パーキングブレーキにより、ブレーキホールドなど運転支援の機能も向上。

  • 車線維持支援システム(LKAS)

  • 渋滞追従機能付アダプティブ クルーズコントロール(ACC)

ホンダセンシングを標準搭載し、MTでもACCとLKASを使える。ACC作動時には必要に応じてドライバーに変速操作を促すシフトUP/DOWNの表示が出される。

おすすめグレード

  • icon プレミアムツアラー

    ●価格:188万9800円(FF)

  • icon プレミアムツアラー

     高速走行も前提にするならターボの約11万円高は価値ある投資だ。スポーティなイメージを求めるならRSもいいが、MTを選んでこそ。装備内容ならプレミアム系が狙いだ。

CUSTOMIZE

  • 純正アクセサリー&パーツで、より自分好みのN-ONEに

     N-ONEのスタイリングや趣味性をより際立たせる純正アイテムが揃う。懐かしの反転TURBOを含むステッカーも販売される。

●「ホンダアクセス」 用品装着車

  • ●「無限」用品装着車

  • ●「無限」用品装着車

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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