ボルボ XC40 リチャージ プラグイン ハイブリッド T5 公道試乗

●発売日：8月25日
●価格：649万円
●輸入元：ボルボ・カー・ジャパン
●問い合わせ先：0120-922-662

主要諸元（リチャージ プラグイン ハイブリッド T5 インスクリプション）
●全長×全幅×全高：4425×1875×1660mm●ホイールベース：2700mm●車両重量：1810kg●駆動方式：FF●パワートレーン：1476cc 直３DOHCターボ（180PS／27.0kg・ｍ）＋モーター（60kW／160N・m）●トランスミッション：7AT●WLTCモード燃費：14.0km／L●最小回転半径（m）：5.7●タイヤサイズ：235／50R19

　ボルボ車のＰＨＶにはＸＣ60／90に採用されるリチャージＰＨＶのＴ８があるが、ＸＣ40に採用されたリチャージＰＨＶのＴ５はこれとまったく異なる。Ｔ８はパラレル式＋電動後輪駆動の４ＷＤを採用するが、Ｔ５はパラレル式のＦＦ。搭載エンジンは１気筒減の３気筒のターボとなり、ＤＣＴを採用。実用性能とコスパを考えた堅実さはボルボらしい。
　試乗してもその印象は変わらない。高性能の演出はなく、踏み込み直後に素早くトルクを立ち上がらせ、穏やかに連続的にトルクを増す。電動の即応性を扱いやすさと余力感に向けたドライバビリティは殊更印象に残るものではないが、ドライバーのストレス軽減を図る良質さを備えている。
　ドライブモードはピュア／ハイブリッド／パワーの３モード。ピュアはＥＶモード相応だが、高負荷ではＨＶ走行となる。パワーは常時エンジン稼働で一気の加速の切れ味も上昇。アクセルペダルストロークでのトルク増減は多少変わるが、前述の扱いやすさは大きく変わらない。３気筒とはいえ滑らかかつ静かなエンジンもあり、モードによる極端なキャラ変化はなく、いずれも紳士的あるいは包容力を感じさせるタイプだ。
　路面凹凸の粗さをいなしながらもしっかりとした接地感を伝えてくれるフットワーク。小柄な車体の気軽な運転感覚の中にある重質な味わいがＰＨＶでさらに深まった印象がある。約６５０万円の価格は決して安くはないが、輸入プレミアムＳＵＶでこの内容なら良心的値付けとさえ思える。

エクステリアデザインは他のグレードとほぼ変わりない。ホイールはダブルスポークの19インチアルミホイールとなる。

ボディカラーは６色、シートカラーはオキサイドレッド、チャコール、アンバー、ブロンドを用意している（プラグイン T5の場合）。

普通充電コネクターと充電ケーブルは標準装備。最上級グレードらしくパワーテールゲートも標準装備として、使い勝手を向上。

●文：川島茂夫　●写真：奥隅圭之