新車試乗レポート
更新日:2020.09.01 / 掲載日:2020.09.01
VOLKSWAGEN T-Roc 公道試乗
フォルクスワーゲンからT-Crossに続き、新たなクロスオーバーSUVが誕生。ベースはゴルフ、その実力はやはり高いのか!?
余力感もたっぷりな全天候型ツーリングカー

VOLKSWAGEN T-Roc【ニューモデル】
●発売日:7月15日●価格:384万9000ー453万9000円●輸入元:フォルクスワーゲン グループ ジャパン●問い合わせ先:0120-993-199主要諸元(TDI スポーツ)●全長×全幅×全高:4240×1825×1590mm●ホイールベース:2590mm●車両重量:1430kg●駆動方式:FF●パワートレーン:1968cc 直4DOHCディーゼルターボ(150PS/34.7kg・m)●トランスミッション:7AT●JC08モード燃費:19.5km/L●最小回転半径(m):5.0●タイヤサイズ:215/50R18
乗り心地はスポーツ寄り、ツーリング性能は抜群
SUVの特徴と言えば対地寸法に余裕を持たせた外装/シャシーと4WDの悪路踏破性が挙げられるが、もうひとつ見逃せないのがキャビンユーティリティ。高い全高は最低地上高だけでなく、キャビン容量の拡大や見晴らしなどで居心地や積載性を向上する。VWから登場した新型クロスオーバーSUVのTロックはそういったSUVの要素を取り入れた新世代の基準器となり得るモデルである。 キャビンスペースはゴルフ相応だが、開口部の大きなリアサイドウインドウとキャビン後半の絞り込みを抑えたスタイルにより、開放的な後席に仕上がっている。アウトドアレジャー用品の積載を考えるともう少し荷室に余裕が欲しいが、適応用途におけるティグアンとの棲み分けを考えれば納得。カジュアル&スポーティとプレミアムの融合は重要なTロックのキャラクターでもある。 そのせいか走りのアウトドア趣味濃度は低めである。ロールを抑え込んだサスチューニングは高速走行での安定性と安心感を第一としたものであり、乗り心地はスポーツモデルに近い。大トルクを活かし、高速域での余力感たっぷりのディーゼルもあって、ツーリング性能はかなり高い。全天候型スポーツ&ツーリングカーとして見てもいい走りである。 駆動方式はTクロス同様にFFのみの設定。日本の地勢を考慮するなら4WD仕様が欲しいが、プレミアム2BOXの魅力を損なわずにもう少しレジャー用途適性拡大したいと考えるユーザーには最適な一車と言えよう。

新しいフォルクスワーゲンSUVのDNAを表現したというデザインは都会的なもの。4グレードあり、ホイールは16ー19インチと上級になるほど1インチずつ上がる。
日本仕様に搭載されるのは、2Lのディーゼルターボのみ。トランスミッションは7速のDSG。燃料タンク容量は50L。
最上級のRラインは専用ファブリックシート、スポーツはスポーツシートとなる。デザインパッケージで車体色にイエローかブルーを選ぶとインテリアも同色系に。
インパネ周りもアウトドア系というより、ゴルフ譲りの都会的でモダンなデザインだ。上級2グレードはアルミ調ペダルを装備。
通常時でも445L、リヤシートをすべて倒せば1290Lものラゲッジスペースが生まれる。エントリーを除きパワーテールゲートを標準で採用。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久