新車試乗レポート
更新日:2020.08.31 / 掲載日:2020.08.31
VOLVO XC60 B5 公道試乗
XC60に追加設定された、B5。48Vのハイブリッドパワートレーン搭載グレードだ。今回はAWD インスクリプションに試乗した。
VOLVO XC60 B5【グレード追加】

VOLVO XC60 B5
●発売日:4月23日●価格:634万ー734万円●輸入元:ボルボ・カー・ジャパン●問い合わせ先:0120-922-662主要諸元(B5 AWD インスクリプション)●全長×全幅×全高:4690×1900×1660mm●ホイールベース:2865mm●車両重量:1890kg●駆動方式:4WD●パワートレーン:1968cc 直4DOHCターボ(250PS/35.7kg・m)+モーター(10kW/40N・m)●トランスミッション:8AT●WLTCモード燃費:11.5km/L●最小回転半径(m):5.7●タイヤサイズ:235/55R19
上品で、馴染みやすい プレミアムを実感できる
ボルボの電動化技術全車導入の一翼を担うのがマイルドハイブリッドのB5だ。リチウムイオンを用いたハイブリッド用48Vバッテリーパックとベルト駆動のISGにより効率的な回生と電動アシストを行い、エンジン本体には気筒休止機構を採用することでパワートレーン全体の効率向上を図っている。建前ではなくコスパを考えた実効性を狙ったのが理解できる。スペックや演出よりも実利たる信頼や馴染みやすさを優先するのはボルボ車の特徴のひとつだが、B5も例外ではなく、殊更の電動感とか高性能感は抑えられている。浅いアクセル開度とエンジン回転数を抑えた巡航。そこから僅かな踏み増しでも遅れなく反応する。ただし、神経質な反応はなく、ラフな操作をしても程よく均してくれる。ドライバーに操作精度を要求するような煩わしさもない。踏み増し初期反応のよさもあり、巡航ギヤ維持能力や余力感はT5よりも高まっているが変化は「多少」の範疇。気筒休止機構とターボの組み合わせの短所を感じさせないところはマイルドハイブリッドの使い方の妙味のひとつ。上品で馴染みやすい。内外装の雰囲気と実用性にフットワーク等々、クルマ全体が品よく馴染みやすく纏まっているのがボルボ車であり、新パワートレーンはその持ち味を磨き上げるものだ。あざとい演出がないため薄味にも思えてしまうが、市街地でも長距離でも同乗者も含めてストレスなく過ごせる居心地と走りが精神的な豊かさをもたらし、大人のためのプレミアムを実感できる。

リヤにB5バッジが付く位で基本的にデザインは通常のXC60と同じ。最新ボルボ車らしい、スタイリッシュなスカンジナビアンデザインだ。
いわゆるマイルドハイブリッドシステムを搭載。エンジン本体も気筒休止機構を採用するなど大幅に改良されている。
D4 AWD、D4 AWD インスクリプションと基本は同一のインテリア。上質かつ広いスペースでくつろぎの空間を実現。
ボルボ電動車の象徴、クリスタルシフトノブやメーター内の表示位の違いで、インパネ周りも通常のXC60と共通のデザイン。
パワーテールゲート、ラゲッジカバー、セーフティネットは全車に標準装備。12Vのパワーソケットも装着している。
●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久