新車試乗レポート
更新日:2019.11.19 / 掲載日:2019.10.08

HONDA 新型N-WGN NEWモデル試乗速報

デビュー2週間で2万台を超える受注を集めるなど、好スタートを切った新型N-WGN。キュートなスタイルや使えるキャビン&ラゲッジなど多くの美点を持つモデルだが、走りも侮れないことが人気を集める理由の一つ。そのことを今回の試乗で実感できたのだ。

icon NAモデル

  •  100km/h近い領域では加速の余力が大きく減少するが、80km/h以下の穏やかな走りではスペック以上の力感を示す。高速でも安心のフットワークもあり、中距離レジャーくらいは十分に対応できる。

  • 直3NAエンジンは58PS/6.6kg・mを発揮。タウンユース中心なら不足ないパワーだが、高回転時など負荷がかかる部分では非力さを少々感じてしまうのも事実だ。

  • 全車標準のホンダセンシングに備わるACCは停止時まで対応する上級仕様の全車速型。上級モデルに普及が進み始めた高機能版が採用されている。ホンダがN-WGNに注ぐ本気ぶりを感じられる。

基本性能はかなり優秀 高速走行も楽々こなせる

 N-WGNは、ホンダの新世代軽自動車のトップランナーでもあるN-BOXをベースに開発されたハイト系軽自動車。プラットフォームやパワートレーン、機能装備はほぼ同じものが使われており、その差はボディタイプだけと言ってもいい。

 小さな子供がいる家族のライフスタイルにぴったりなN-BOXに対して、N-WGNは多用途性を持ちながら価格面を含めたコスパがいいことが特徴。男性4名乗車でもゆとりの居住性や、後席格納時には大物積載も可能なラゲッジなど、下手なコンパクト2BOXよりも使い勝手のいいキャビン&ラゲッジを持つ。

 近年、ハイト系は個人ユーザー向けの軽自動車のスタンダードモデルでもあり、N-WGNのデザインもシンプルな機能感でまとまっている。標準車のスタイリングは往年のステップバンの再来と感じるかもしれない。

 そしてもう一つ見逃せないのは走りである。先行するダイハツやスズキなどと同様に、加速や高速巡航時の回転を抑えて余力感を高めるといった制御が与えられている。加速移行時の回転上昇はちょっと大きめだが、速度上昇に対する回転上昇は控え目であり、余力感と加速の伸びやかさを上手に両立している。

 とはいえ、さすがにNA車はトルクの余裕がなく、高速のような負荷がかかるシーンでの加速はもたつきが目立ち、5000回転近くまで回しても、ゆるゆるとしか速度が上がらない。一方、ターボ車はこのような高速域でも余裕があり、流れの速度変化が大きな高速道路でも無理なくついていける。

 フットワークのも高速走行に強い。だが硬いサスセッティングで無理に安定を稼いでいるわけではない。むしろ柔らかめな味付けだ。なのに、高速コーナーでも前輪にしっかりと荷重がかかり、方向安定性は一回り大きなクラスに勝るとも劣らない。それでいて、タイトターンの操舵追従もいい。速度やコーナー半径、横Gによる操縦感覚の変化が少ないのは、アジャイルハンドリングアシストが相当効いているようだ。

 さらに全車速型ACCと走行ライン制御型LKAも全車に標準装着される。タウンユース主体の軽自動車には贅沢な印象もあるが、N-WGNは高速走行での安心感も重要な売り物のひとつ。つまり、軽自動車でも高速長距離を諦めなくてもいい。さすがに得意とまでは言わないが、ACCもLKAも非装着のコンパクト2BOXよりも走りの汎用性に優れている。

 市街路がメインというユーザーにとっては魅力的とも言い難いが、軽自動車へのダウンサイジングを検討している向きには、N-WGNは見逃せないモデルだろう。

HONDA
N-WGN
●発売日:2019年7月19日
●価格帯:127万4400~179万3880円●販売店:ホンダカーズ店
●問い合わせ:TEL0120-112010

●主要諸元(N-WGN L FF)●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1675 ●ホイールベース(mm):2520ac ●車両重量(kg):850 ●パワーユニット:658cc直3DOHC(58PS/6.6kg・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:23.2km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディング・トレーリング(R) ●タイヤ:155/65R14

icon ターボモデル

 NA車よりも加速時の回転上昇が抑えられ、高速域でもそれほど非力感を覚えない。カスタム系はちょっとスポーティなサス仕様になるが、標準サスと操縦安定性は大きな隔たりはない。乗り心地志向なら標準車のターボがいい。

  • 直3ターボは64PS/10.6kg・mを発揮。上級モデル譲りのCVT制御のおかげもあって、高速走行も無難以上にこなしてくれる。余裕を求めるならばこちらがベスト。

●主要諸元(N-WGN Custom L・ターボ FF)●全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1705 ●ホイールベース(mm):2520 ●車両重量(kg):870 ●パワーユニット:658cc直3DOHCターボ(64PS/10.6kg・m) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:21.2km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/リーディング・トレーリング(R) ●タイヤ:165/55R1

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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