新車試乗レポート
更新日:2019.04.25 / 掲載日:2019.03.26

BMW 新型Z4公道インプレッション【先取り実力チェック!】

Z4 M40i ●価格:835万円

●文/山本シンヤ 
●写真/佐藤正巳、澤田和久

昨年のペブルビーチ コンクール デレガンスでついにデビューした新型BMW Z4。話題の新型スープラと基本コンポーネントが共通のため、気になっていたファンも多いのではないだろうか。いち早く公道試乗の機会を得られたのでその魅力を早速レポート!

●発売日:2019年春
●価格:566万~835万円
●輸入元:BMWジャパン
●問い合わせ先:0120-269-437

◆グレード&バリエーション
Z4 sDrive20i566万円
Z4 sDrive20i Sport Line 615万円
Z4 sDrive20i M Sport 665万円
Z4 M40i835万円

■主要諸元 (BMW Z4 M40i ※ドイツ国内仕様)
●全長×全幅×全高(mm):4324×1864×1304 ●ホイールベース(mm):2470 ●トレッド(mm):フロント/1609、リヤ/1616 ●パワーユニット:2998cc直6DOHCターボ(340PS/5000~6000rpm、500Nm/1600~4500rpm) ●ミッション:8速AT ●加速性能[0-100 km/h]:4.5 秒 ●最高速度:250 km/h

先代に比べてひと回り以上大きくなったボディは鋭い走りを予感させる筋肉質な造形だ。フローズン・オレンジのカラーが鮮烈。

ルーフ開閉はセンターコンソール上のレバーで行う電動式。伸びやかなシルエットはクローズドスタイルでも変わらない。

注目の新型スープラとの 走りの違いは?

 スープラとは基本コンポーネントは共通だが、完全に別のクルマだ。見た目やボディ形状の違いだけでなく、走りの考え方はトヨタ/BMW独自の“味”に仕上がっている。同じ条件で乗っていないが、一言で言えば、Z4はキレの良さとドシッとしたスタビリティ、スープラはクルマが一回り小さく感じるのとヒラヒラと舞うような軽快な動きが印象的だ。

3代目はスポーツカー! 洗練された走りが魅力

 BMWのオープンロードスターである「Z4」が3代目にフルモデルチェンジ。聞く所によれば、2代目の生産終了後は後継車なし……と言う計画だったそうだが、トヨタ・スープラと共同開発することにより存続が決定したと言う。
 先代モデルは流麗なデザインだったが、走りに関しては必ずしも高い評価ではなかったことから、新型はそこ(=走り)に重点を置いた開発が行なわれたそうだ。
 エクステリアはBMWの独自性はそのままに、エレガントからマッチョな印象に生まれ変わった。ドイツ本国仕様の諸元によればボディサイズは全長4324(+85)×全幅1863(+74)×全高1304(+13)mm。ホイールベースは2470(-26)mm、トレッドはフロント・1609(+98)/リヤ1616(+57)mmとホイールベース/トレッド比はスープラと同じくスポーツカーの黄金比(1・6)に近い値となっている。
 インテリアはBMW伝統のドライバーオリエンテッドなインパネ周りを継承するもののデザインはかなり洗練された印象だ。ちなみにスープラとは操作レイアウトは共通だが、インパネ/メーター/ステアリング/センターコンソールなどは各々独自デザインで、Z4のほうが先進性を感じさせる。
 パワートレーンは今回試乗したハイパワーバージョンの「M40i」は340PS/500Nmを誇る3Lの直列6気筒ターボ+8速ATの組み合わせ。このほか、直列4気筒2Lターボも用意。ベーシックなsDrive20iが197PS/320Nmとなっている。
 プラットフォームは最新のBMWが採用するCLARをベースにZ4/スープラに合わせて最適化。低重心化と軽量化が行なわれている。サスペンションはロードスターとしては初となるフロント・ダブルジョイントストラット、リヤ・5リンクの組み合わせで、フロントはM4用のアイテムを流用。「M40i」はアダプティブMスポーツサスやMスポーツ・ブレーキシステム、Mスポーツディファレンシャル、前後異径サイズのハイパフォーマンスタイヤが装備される。
 その研ぎ澄まされた走りは「オープンカーだから」と言うエクスキューズは一切ない。軽量ソフトトップを採用し、オープン時もクローズド時も変化は感じない。
 操舵に対して瞬時にノーズがグイグイ入っていく キレの良さとコーナリングのスタビリティの高さは近年のBMWにはない痛快さ。硬めながらも、しっとりとした足の動きとアタリの柔らかさが相まって快適性自体も非常に高い。GTカーとしての素質も十分あると思う。しかし、その一方で高速道路での直進性は神経質というほどではないがやや落ち着きに欠ける。
 今回は一般道のみの試乗だったが、ワインディングでは大きくなったボディサイズを全く意識させない身のこなしの良さを感じた。トルクがかなり太いので繊細な操作が求められるが、それをコントロールするのもスポーツカーの醍醐味。もちろん、スタビリティコントロールが巧みに作動するので心配は無用だが……。
 結論、新型Z4は前モデルとは全く異なる、生粋のスポーツカーに仕上がっている。例えるならばS2000が洗練された感じである。

  • 直6ターボエンジンは官能的なエキゾーストノートが魅力。高性能ユニットだが、通常の街中使用なら約14km/Lと燃費も良好だった。

  • 先代より50%も容量が拡大されたラゲッジ。ルーフ格納時でも281Lの容量を確保。オプションでトランクスルー機能も設けられるという。

  • モデル専用のヘッドレスト一体型スポーツシートを標準装備。シート位置の調整幅拡大のためシートレールを先代比23mm延長している。

  • ドライバー・オリエンテッドな機能的コックピットデザイン。全車速追従型ACCのほかヘッドアップディスプレイを設定するなど先進安全装備も充実。

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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